子ども3人を育てながら、キャリアアップを模索

テクニカルサポートマネジャー・松澤明子さん
高校1年生の長女を筆頭に、小学6年生の長男、小学2年生の次男と、3人の子育てをしながら働く松澤さん。IT系のカスタマーサポートからスタートしたそのキャリアは、妊娠・出産を経る中で、決して平坦なものではありませんでした。
――アタラに入社される前も、カスタマーサポートの仕事をされていたと伺いました。
松澤:そうですね。もともとは旅行の予約サイトのカスタマーサポートをしていました。まだ旅行予約サイトが興ったばかりの頃です。やりがいをもって働いていましたが、妊娠したら目がひどく疲れるようになって、デスクワークが難しくなりました。そこで長女の出産を機にカスタマーサポートの仕事を辞め、フリーランスでヨガのインストラクターとして働き始めたんです。
――ヨガのインストラクターですか!
松澤:はい。出産を機に、身体に関わることに興味を持って始めました。それに、マタニティヨガをやっているママたちが自分の考えをしっかり持っていて、素敵だったんですよね。
――でも再び、カスタマーサポートの仕事に戻られた?
松澤:妊娠・出産が一段落し、デスクワークがまたできるようになって、安定した収入を得たいという思いもありました。何よりもう一度、組織の中で自分の力を発揮したいという気持ちが芽生えたんです。そこで子育てと両立できるカスタマーサポートの仕事を探しました。自分が持っているものを活かして人を助けられたらいいな、という気持ちをずっと持っていて。それができるのがカスタマーサポートなのかなと思っています。
――フリーランスから組織へ戻るのは大変だったのでは?
松澤:そうですね。まずは週3日のアルバイトで、SEO事業のカスタマーサポートを始めました。その後もっと働きたくなって、外資系の広告プラットフォーム企業で週5日のアルバイトをしていました。子育て中の状態で、いきなり正社員で働くのは難しかったんですよね。アルバイトで働いている間は「この先、キャリアを築くことができるのだろうか」という不安を常に抱えていましたね。
――そんな中、アタラに出会ったんですね。ご入社を決意した理由は何だったのでしょうか。
松澤:そろそろ正社員となってしっかりキャリアを築きたいという思いもありました。でも一番の理由は、「この人たちと一緒に働けたらすごいな」と感じたことですね。広告プラットフォーム企業で働く中で「顧客へもっとテクニカルなサポートをしたい」と勉強のために読んでいたのが、アタラの代表が書いていたブログだったんです。Web広告の情報ブログは普通、アドワーズの操作方法や新機能の説明といった表層的な内容のものが多いんです。ところがアタラのブログは、一つの更新機能が業界の中でどんな意味を持つのかなど、深層に迫る記事ばかりでした。他のブログとは全然違っていて、強烈な印象を受けましたね。ちょうど社員を募集していたので「これは!」と応募したんです。
アタラのカスタマーサポートに必要なのは、問題の所在を見極める力

入社当時を振り返る松澤さん
――アタラではどのような業務をされているのでしょうか。
松澤:Web広告のデータをレポート化する機能を持つ、glu(グルー)というサービスのカスタマーサポートをしています。ご利用中のお客様から、例えば広告費の予算がどれくらいのご利用状況なのかなど、必要な数字をレポートに反映させる方法について相談を受けることが多いですね。システムの不具合などトラブルの対応も行っています。
――システムの仕組みなど、よく理解していないと対応できないのでしょうね。
松澤:そうですね。迅速な解決やより踏み込んだ提案ができるためにも、システムそのものや広告業界の動きなど、幅広い知識が欠かせません。とりわけデータを扱うシステムですから、ぱっと見てわかるというものではないんです。だからこそ問題の所在を見極める力は不可欠ですね。これは内部の不具合だから開発へ対応を依頼するのか、こちらで操作方法を案内すれば済むのか、といった判断をする局面がよくあります。
今いるメンバーはカスタマーサポートの経歴を持つ人が多いのですが、お客様にgluをもっとご活用いただける提案をするには、システムや広告運用の知識をさらに深める必要があると感じています。そこで社内の他の部門の方を講師に招いて、システムやWeb広告のトレンドなど、みんなでときどき勉強会を開いています。
とりわけgluのデータ処理の過程は、外部にはお伝えしていない部分もあります。システムに明るいバックグラウンドを持つ方の、もっと踏み込んだ対応に期待しています。お客様と直に接する仕事にやりがいを感じる、エンジニアなどシステムに携わった経験のある方に、ぜひ来ていただきたいですね。
――仕事をする上で、工夫していることはありますか。
松澤:お客様によって、システムの理解度には幅があります。どのように伝えればシステムに不慣れな方にもご理解いただけるか、ある程度システムに慣れている方にはどんな説明が効率的か、など伝え方を常にブラッシュアップしています。
それに、仕事のやり方、時間、場所など、すべてにおいて、アタラでは個人の裁量が大きいんです。だからこそあえて「働きすぎないように」していますね。
緊急性がそれほど高くない問い合わせならば、サポート時間内で対応を収められるように意識していますね。例えば説明がお客様に上手く伝わらないとき。時間を延長してでも何とか伝えようとするのではなく、「急ぎではないし、翌日に持ち越してもしっかり伝われば問題ない」ことをお客様にも確認するなど、自分で状況を判断して、仕事をコントロールしています。もちろん、緊急性が高いときには時間外に対応することもありますよ。他の部門と連絡を取り合って、お客様に進捗を細かく報告するなど、必要な対応を自分で判断して行っています。
個々の働き方を尊重しながら、連携でパフォーマンスを上げる

「アタラは働きやすい」と話す松澤さん
――サポートチームは子育て中の方が多いと伺いました。
松澤:そうですね。チーム7名のうち6名が女性で、子育て中の方は多いですね。私が入社した4年前は男性ばかりだったんです。今では女性がずいぶん増えましたが、当時、子育て中の女性は私が初めてでした。でもすごく働きやすかった。
――子育て中でも働きやすかったんですね?
松澤:勤務時間が決められている従来型の働き方をしていた頃は、タイムカードを押すために走ることもありました。自分は元気でも、子どもが病気になれば遅刻したり休みをとったりしなければならず、仕事と家庭の両立に葛藤することもありました。
ところがアタラでは初めから「時間と場所に縛られない働き方」が自然に存在していたんです。外資系企業出身の創立メンバーたちにとっては、それが普通の働き方だったんですね。カレンダーにWFH(ワークフロムホームの略)と書いてあって、それを見た人が「ああ今日は自宅勤務なんだね」って知るというような。それでも仕事はちゃんとできています。各々の働き方を周囲がとがめることもなく「この人はこういう働き方をしているんだ」と受け止める風土があることに、入社当時は驚きました。
――問い合わせをリモートで対応されることもあるんでしょうか。
松澤:他の部門と連携の多い仕事柄か、サポートチームはオフィスで仕事をする人が多いですけどね。問い合わせ対応は、タスク管理ツールを使ったメールのやりとりがほとんどですから、自宅で対応することもできます。問い合わせの対応時間は平日10時から18時までとなっていますが、保育園に通うお子さんがいる方は16時半に帰ったりとか、それぞれが働ける時間で働いています。みんなが働く時間がバラバラだったりするのは、あまり気になりませんね。
――18時までの問い合わせ時間なのに、先に帰ってしまう人がいると、残ったメンバーにそのしわ寄せが行くことはないんでしょうか。
松澤:ないですね。お客様ごとに担当が決まっているので、自分の担当先から問い合わせが来たら対応する仕組みになっています。お客様1企業に対して2、3人のサポートメンバーが担当するので、そのメンバーの中で融通しあって対応しています。例えばシステム系の問い合わせにはエンジニア出身のメンバーが対応するなど、それぞれが得意分野を活かし、そのとき対応できる人が対応しています。一人で抱え込むと負担になりがちだし、大きな問題が発生したときに業務が回らなくなることもあります。そうした事態にならないように工夫を重ねて、今の体制ができあがりました。
子育てしながら働くのは本当に大変なので、アタラのような柔軟で働きやすい会社が増えて、一人でも多くのママ・パパが働けるといいなあと思っています。
どうすればいいか話し合っていこう、考えていこう

普段の執務風景
――アタラのメンバーは自律して働いているんですね。入社当時、業務はどうやってキャッチアップされたんでしょうか。
松澤:その頃、サポート業務のドキュメントは整っていませんでした。まわりのメンバーは忙しそうで、質問することもままならず……。そこで勉強会を開催する提案をしたんです。週に1度勉強会を開き、開発のメンバーに講師をしてもらって基礎的な知識を学びながら、時間をかけて少しずつドキュメントを整備していきました。
今ではドキュメントも確立していますし、メンバーが増えたので、わからないことがあれば周りに教えてもらえます。社内勉強会で知識を得ることもできます。以前に比べ、新しいメンバーがキャッチアップしやすい環境になりました。
それでもやはり、自分からキャッチアップしようという姿勢は欠かせません。サポート業務に必要な知識は、最小限に絞ってもかなりボリュームがありますし、まだまだ整えたいところもあります。足りないところに気づいた人が先導して、どうすれば良くなるかを考え、どんどん整えていってほしいですね。
――アタラではみんながオフィスに揃うことはあまりないようですね。社内のコミュニケーションはどうされているんでしょうか。
松澤:普段からSlackを使ってコミュニケーションをとっていますね。開発チームとサポートチームは席も近く、出社していることも多いので、顔を合わせて話すこともよくあります。それ以外にも、社内ミーティングは毎週行っていますし、年始の合宿やイヤーエンドパーティー(忘年会)などの行事もあります。最近は新メンバーの歓迎会も多いですね。
――年始の合宿やイヤーエンドパーティーは“夜”もありますよね。子育て中の方も参加されるのでしょうか。
松澤:イヤーエンドパーティーは子どもを連れてきてもいいんです。昨年は長女が高校生になったので、「大人の忘年会を見においで」と誘って連れてきました。イベントの企画もあって、趣向の凝らされた楽しいパーティーなんですよ。普段あまり触れることのない、大人たちが楽しんでいる雰囲気に、長女は良い刺激を受けたようです。
半年に一回ある泊りがけの合宿には、私は末っ子を連れていきました。昼から夕方までの会議中も、子どもを見てくださる方がいて安心でしたね。
――子連れに寛容なんですね!何か理由があるのでしょうか。
松澤:「子どもを預けられないから欠席、となるのなら、どうすれば出席できるのか話し合っていこう、考えていこう」、つまり「何か問題があっても一緒に話し合って考えよう」というのがアタラのスタンスなんです。
社長との面談は年1回、チーム内の面談が月に1回、それぞれ実施されています。各自が何か問題を抱えていてもしっかり対処できるよう、まとまったコミュニケーションをとるのが目的です。もちろん面談以外でも、いつでも提案や相談をしやすい環境ですね。
アタラはコミュニケーションを大事にしていますが、プライベートは無論、仕事上もお互いに干渉することはありません。その上、アタラにはいわゆる”ルール”がありません。ルールがない、縛るものがないからこそ力を伸ばしていけると考えるのが私たちです。そんな環境でこそ力を発揮したいという意欲のある方を歓迎しています。
仕事をする姿を見せる、子育てとのバランス

お子さんについて、嬉しそうにお話しされる松澤さん
――松澤さんのお子さんたちは、ママが働くことについて、何か話していますか。
松澤:長男が小4の頃、自宅でパソコンを開いて作業をしていたら、「ママはこんな仕事をしているんだねえ」と言って、肩を揉んでくれたことがありました。嬉しかったですね。大人が仕事をがんばっている姿を見せることで、何か伝わっていたらいいなと思いますね。
――お嬢さまは高1と、将来を考える年頃ですが、仕事の話をすることもあるんでしょうか。
松澤:大学進学に向けて進路を決めていく時期でもあり、仕事について話すことはありますね。娘が将来、子育てしながらでも仕事を続けられるようになっていてくれたらいいな、と思っています。
組織で活躍している女性もいるし、独立して働く女性もいる。いろんな働き方があるんだよって伝えたい。それから「家でも働けるといいよね」って話しています。夫は自宅では仕事ができない職業なので、子どもに何かあっても対応するのが難しい。「夫と妻、どちらか一方だけでも時間と場所に融通のきく働き方をしていれば、子どものことに対応できる」と思えるのは心強いですね。
――子育てと仕事のバランスを上手くとっているんですね。
松澤:仕事をしようと思えばいつでも仕事にとりかかれてしまうので、区切りはしっかりつけるようにしています。普段は夜と週末を子どもの時間にして、パソコンを広げないようにしています。子どもにしっかり時間を割かないと、家庭に不協和音を生み出しますから(笑)。
それでも少しずつ子育てから手が離れてきたら、技術を深めるためにも、勉強に時間を使っていきたいですね。サポートとしての技術、伝え方の技術は身についていますが、システム関連の知識をもっと充実させて、総合的なサポートの力を高めていきたいと思っています。
運用型広告業界は、今後もますます変化していくでしょう。お客様にとってのベストソリューションは何なのか、知識と伝え方、技術を総動員して追求していきたいですね。