ナレッジとテクノロジーの両輪で課題を解決する

アタラはデジタルマーケティングの会社、と話す清水さん
――アタラ合同会社といえばメンバーが執筆された記事が『MarkeZine(マーケジン)』で取り上げられるなど、Web広告運用のエキスパート集団、という印象があります。どんなサービスを提供されているのでしょうか。
清水:アタラは、デジタルマーケティングを中心としたコンサルティングを提供する会社です。デジタルマーケ領域の中でも、Google、Yahoo!、Facebook、Amazonといった、いま勢いのあるメディアでいかに効果的にマーケティングをするか、というニーズに応えた結果、広告運用に関わるコンサルティングの比重が増えています。
鹿毛:日本のWeb広告の8割が今や運用型広告なんです。運用型広告は、運用する人のスキルや知識量で結果が全く違ってくる。入札やキーワード選定や入稿、ターゲットを変えるなど、僕らが実際に広告運用をすることで貯めてきたナレッジをベースに、アタラは広告運用の手法のコンサルをしています。
――アタラは広告運用そのものも請けているのでしょうか。
清水:いえ、広告運用そのものを請ける広告代理店という立場ではなく、あくまでもコンサルティングがメインです。ただしクライアントの課題解決をしたいという強い想いから、広告運用も主体的に行っています。
――広告運用のデータを整えるツール・『glu』も提供していますね。
清水:広告運用を含め、デジタルマーケティングで戦略を練るには、データの活用が欠かせません。Web広告から取れるさまざまなデータをどんなふうに整えるか、という観点で『glu』をはじめとするソリューションを提供し、導入や活用のサポートをしています。
鹿毛:運用型広告というのは手作業の部分も多く、現場の負担が大きいんです。作業の部分を自動化できたら、広告運用に携わる人たちはもっと本質的な業務に集中できて、無理なく働ける。『glu』はそうした手作業を自動化するためのツールです。
――広告運用のナレッジと、ツールを中心としたテクノロジー。両方のアプローチを持つのが、アタラのWebマーケティングコンサルタントなんですね。
清水:そうです。Web広告運用のノウハウやトレンドなどの知識をベースに、Webマーケティングに欠かせないデータ関連のツールの導入や活用などを提案するコンサルティングや、メディアやイベントでの情報発信をするのが、Webマーケティングコンサルタントの仕事です。
アタラでは便宜上、ナレッジコンサルチームとテクノロジーコンサルチーム、2つのチームにコンサルタントが分かれていますが、互いに補完し合ってデジタルマーケティング・ソリューションを提供しています。
テクノロジーで運用現場の生産性を高める

広告運用の現場にいた頃を振り返る、鹿毛さん
――シニアWebマーケティングコンサルタントは、ナレッジかテクノロジー、どちらかの分野の専任となるのでしょうか。
清水:どちらかのチームに属していただきますが、両方できるのが理想です。そういう意味でも、どちらに属するかは、ご本人のキャリア志向に応じて柔軟に決めています。
鹿毛:僕は2018年の1月にアタラへ入社したんですが、広告代理店で運用業務に携わった経験もあり、かれこれ10年以上ナレッジを貯めてきました。培ったナレッジをベースに、いまはテクノロジーコンサルをしています。
――テクノロジーで運用型広告の現場の負担を軽くする、という点をもう少し教えてください。
鹿毛:Web広告運用の黎明期、リスティング広告が出てきた15年くらい前に、Google広告が爆発的に売れたんです。腕の立つコンサルタントなら、成果数を数ヶ月で3倍4倍にできる状況でした。
運用型広告に対する需要と期待が膨れ上がる一方で、現場ではレポート作成の作業が大量に発生していました。結果、長時間労働が当たり前に。
運用型広告は上手くやれば大きな成果が出るので、クライアントに喜ばれますし、仕事のやりがいや手応えは十分にあったんです。でもレポート作成に追われる日々は、本当に大変でしたね(笑)。その当時に『glu』があったら、どれだけ助かっただろうと思いますよ。
――『glu』があると、レポート作成が楽になるのでしょうか。
鹿毛:『glu』は広告運用レポートを自動で生成してくれますし、Excelであればどんなフォーマットでも柔軟に出力できます。「A部長に提出するレポートはこの項目で出したい」といった要望に合わせて、細かくカスタマイズできるのが特長なんです。
――やはりデジタルマーケティングといえば、海外、特にアメリカがツールやノウハウをけん引しているかと思いますが、あえて『glu』を開発したのはなぜなのでしょうか。
鹿毛:もちろん海外ではさまざまなツールが開発されていますが、「こういう仕様だから、この項目で確認して」というスタンスが普通なんです。一方『glu』は、日本の現場を意識して“ツールを業務に合わせられる”ように作っています。おかげさまでたくさんの広告代理店・企業にご導入いただいています。
――なるほど。日本仕様でレポート作成をする、というほかに、広告運用の現場で解決すべき課題はあるのでしょうか。
鹿毛:広告運用のレポートはExcelがメインですが、実は海外では”脱Excel”が加速しているんです。
――”脱Excel”というのは、どういうことでしょうか。
鹿毛:Excelで見るデータというのは、作成した瞬間のデータに過ぎません。ところがWebの実際のデータは刻々と変化しています。そこでExcelをやめて、ダッシュボードでデータを確認する流れが強まっています。
アタラは『glu』を接続できるダッシュボードソリューションもいち早く提供しています。
ダッシュボードなら、オンタイムのデータを切り口を変えながら確認できます。ダッシュボード・ソリューションへの需要は、今後さらに加速していきます。ダッシュボードが活用できる現場は、もっと大きな成果を出せるようになる。
広告運用そのものがもっと活性すれば、私たちはもっと便利な生活を送れるようになるかもしれません。ダッシュボードの活用を広告運用現場に新しいメンバーと一緒に広めることで、デジタルマーケの可能性を追求していきたいですね。
新しいカルチャーに合ったバリューを

アタラが掲げるミッション/ビジョン/バリュー
――鹿毛さんがアタラに入社されたキッカケは何だったのでしょう。
鹿毛:アタラに入社する前の4年間は、フリーランスとして活動していました。
広告運用業界では、ビジネス寄りとエンジニア寄りの二種類の人材が共同作業をすることで、成果を出しています。僕はビジネス寄りで仕事をしてきましたが、データをつなぎあわせる統合マーケティングをしようとすると、エンジニア寄りの人と組まなければクライアントのニーズに応えられません。
そこでエンジニア寄りの人と一緒に仕事をするんですが、同じ組織に属していないがゆえに、どうしてもコアな部分で足並みが乱れてしまい、思うような成果が得られないこともありました。
コアな部分を共有できる仲間と、もっと高いレベルの価値を生み出したい。そう思うようになって、アタラへの入社を考えました。
もともと清水や代表の杉原と一緒に仕事をしたこともあって、アタラのことは昔からよく知っていたんです。
清水:鹿毛のことはよく知っていて、実力も人柄も素晴らしいとわかっていましたから、とんとん拍子に入社が決まりましたね。
鹿毛は、豊富な経験に裏付けられたビジネス思考でコンサルしています。その存在感が、他のメンバーにいい影響を与えていると感じますね。コンサルタントはユニットを組んで案件に取り組んでいますが、一緒に仕事をしながら「こんな視点も有効だよ」と若いメンバーに伝えてもらっています。
――実際に入社されて、感じたことはありますか。
鹿毛:社内がものすごくフラットなのには驚きましたね。ヒエラルキーがないんです。代表自らも現場の仕事をやっていますし、役割は一応あるんですが、お互いの肩書も知りません(笑)。
清水:実は2018年の初めに、アタラが掲げるバリューを変えたんです。
アタラの新しいカルチャーを理念に取り込もうと、全社員で議論して5つのバリューを決めました。
[アタラの5つのバリュー]
・チャレンジ精神を持ちつづけよう
・チームワークでパフォーマンスを最大化しよう
・正しいと思ったことを正しいと言える環境であろう
・お客様に寄り添い、良きビジネスパートナーになろう
・Be Professional !!
中でも3つ目が個人的に気に入っています。「正しいと思ったことを正しいと言える環境であろう」という一文。非常に”アタラらしい”なと。この一文のとおり、アタラには忖度や上下関係がまるでありません。
鹿毛:外から見ていて、以前のアタラは職人の集まりという印象が強かったんですが、いまはずいぶん変わりましたね。個々で完結するというよりは、チームの空気が出てきました。あくまでもプロフェッショナルなんですが、そのプロたちがユニットを組んでプロジェクトを完遂しています。
清水:「集まることでより力を発揮しよう」ということを2018年は特に意識的にやってきました。足し算ではなく掛け算で価値を提供していこうという。
鹿毛:そんな環境だからこそ、自分の武器を磨くモチベーションも高まります。
僕の武器はコンサル。とりわけ具体の広告運用と経営視点をミックスさせて、プロジェクトを俯瞰できるのを強みとしています。
ユニットはプロジェクトごとに組み変わるので、いろんなメンバーと組めるんです。自分の武器を磨きつつも、他のことを知らないと仕事ができないので、一緒に組むメンバーに助けてもらいながらゴールを目指します。自然と弱い分野の知見を身に着けられるのはメリットですね。
アウトプットを続けてプレゼンスを高める

アタラのメンバーが著した書籍。自社サービス『glu』のウォッチも。
――コンサルタントの皆さんは書籍を出されたり、イベントに登壇されたり、アタラのオウンドメディア『Unyoo.jp』で記事を執筆されたりと、かなり頻繁かつ高度なアウトプットもされていますね。
清水:そうですね。書籍・登壇・記事執筆の3つすべてをやっています。
自分たちのプレゼンスを上げることがセールスにつながっていて、こちらから売り込むことはほとんどないんですよ。クライアント側でアタラに興味を持ってお問い合わせいただくほうが、いいビジネスになることが多いですし。テレアポをかけるよりもスキルアップし続けるほうがずっと大変なんですが、それがアタラの価値だと思っています。
各々が磨き上げたタレントが集まって、その魅力を遺憾なく発揮する場が『Unyoo.jp』を中心としたアウトプットなんです。
――インプットが大変そうですが……。
清水:そうでもないですよ。クライアントとのコミュニケーションや管理画面を触る中で、あるいは企画づくりといった日常業務の中で、自然と学んでいきます。誰かに教わる、というのはほとんどないですね。
コンサルタントチームでは、毎週決まった曜日に「道場」という、みんなで発表したりディスカッションしたりする場を設けていて、そこで気づきを得ることもあります。
プロとして互いを尊敬しあう

オフィス内のフリースペースで談笑する、清水さんと鹿毛さん
――今回、シニアWebマーケティングコンサルタントを募集される背景はどんなところにあるのでしょうか。
清水:現状では、新規の依頼をお断りせざるを得ないケースもあります。一方で、アタラがいまの広告運用業界にフィットしたコンサルを提供する存在ではあるものの、時代に先んじてアタラそのものや提供するソリューションを進化させていかなければいけないと強く感じており、全員で日々取り組んでいます。
進化を遂げるほどアタラへのお引き合いは一層増えるでしょうから、メンバーを増やすのは喫緊の課題なんです。
――どんな方を迎えたいと考えていますか。
清水:デジタルマーケティングの何かしらを自分の手でしっかりとやってきた方。エンジニア、ソーシャル、運営と、歩んできた場所は何だってかまいません。デジタルマーケのある領域が得意で、その領域に磨きをかけながら弱い部分を補完できる組織で働きたい、という人がアタラに集まっているので、そんな方はフィットするのではないでしょうか。
鹿毛:「プロとして尊敬しあえる存在」というメンバーばかりなのがアタラらしいなあ、と感じています。ある領域に長けていて周囲から尊敬される一方で、自分にないタレントを他のメンバーに認めて尊敬する。そんなギブアンドテイクがうまく循環しています。
それにデジタルの世界は、エンジニアとビジネスパーソンの共同作業で成り立っています。どちらかに偏る会社が多い中で、アタラは半々くらいの構成なのも特徴的ですね。
清水:意に反してやらなくてはいけないことというのは、仕事なら必ずついて回ります。でも僕らは正しいと言える環境で働いていたいし、そうあるべきだと定めました。その文化に共感していただける方に来ていただきたいですね。