フリーランスの記事2015.09.08
サラリーマン経験は必要か?
フリーランス志望者が独立する前に見極めたい「スキル」と「ネットワーク」
keyword: フリーランス 正社員 20代 働き方 独立
2015.09.08 文章 / 白川達朗
フリーランスの年齢層、その意外な実態とは?
まず、調査によると、ITエンジニアやデザイナー、ライター、ジャーナリストといった、自身のスキルを活かした職種のフリーランスが多い という結果が出ていました。これについては皆さんも大きな驚きはないでしょう。

しかし上図のように、フリーランスの年代構成でを見ると、40代以上の従事者が9割近くを占めているという実情が明らかになったのです。
30代後半がタイミング? 会社員からフリーランスへの移行
上述したフリーランスの年齢構成を説明する上で注目したいのが、同調査の「フリーランスになる前の職業」と「フリーランスになる前職の従事期間」という質問です。

図2 出典 中小企業庁「2015年版 小規模企業白書」
この質問への回答者のうち7割近くがフリーランスになる前の職業が企業の役員・正社員であること、また回答者全員の前職の平均従事期間が11年程度であることから、おおよそ30代半ば以降に前職を退職し、フリーランスになった人が多いことが分かります。さらに、「フリーランスとして働いている期間」という質問に対して、ほぼ半数が10年以上と答えていることからも、やはりフリーランス従事者の多くが40代以上であるというのが実状だといえるでしょう(図2)。

図2 出典 中小企業庁「2015年版 小規模企業白書」
フリーランスを意識し始めたきっかけも興味深い質問です。企業での待遇に不満を持ち始めたり、あるいは先行きを不安視し始めたというネガティブな要因と併せ、企業での経験で培ったスキルでチャレンジしてみたい、場所や時間に左右されない働き方をもとめるポジティブな要因があるようです。こうして社員からフリーランスへと移行する転機となるのが、従来だとおよそ30~40歳ごろ、ということだと言えるでしょう。
フリーランス志望者に、サラリーマン期間は必要か?
「いつかは独立したい」と、そう考える方は少なくないでしょう。クラウドソーシングやフリーランスといった、会社や時間・場所にとらわれない働き方が注目されつつあるからです。しかし、実際にフリーランスという生き方は、前出のネガティブな要因を解決してくれる、最善の選択なのでしょうか?
今回の調査によれば、フリーランサーの抱える最大の課題が『顧客確保や集客』 です。他の回答項目とは大きく水をあけており、顧客の確保がフリーランスとして成功するための必要条件であることが下のグラフからもうかがえます。

図2 出典 中小企業庁「2015年版 小規模企業白書」
顧客を獲得するための方法 としては、“既存の顧客からの紹介"や“友人・知人からの紹介"、また“同業の企業・経営者からの紹介"など『人づてにネットワークを築いていく』方法を挙げる人が大多数でした。こうした人的ネットワークの構築という面においても、一定期間の企業経験や、フリーランスとして独立を目指す特定分野での就労経験が非常に重要であるということが分かります。
自分が磨いたスキルや能力を武器に、これから組織を離れてフリーランスとして一旗揚げようと考えている方は、今一度、事業を始めた後のネットワークが整っているか、確認してみる必要があるのではないでしょうか。


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サラリーマン経験は必要か?
WRITER
ライター
白川達朗
私自身もフリーランスに近いことをしていますが、20代のフリーランス従事者が全体の1%程度しかいないということには驚きました。何となく、20〜30代のITスキルを持っている人がマジョリティなのではと思っていたからです。今回の調査結果のまとめから、顧客を確保したり仕事の受託目的などに限らず、情報交換をする上でも、絶えず年代を越えたネットワークを結んでおくことはフリーランスとして成功するうえで欠かせないと再認識することができました。