働き方の記事2015.09.07
「地域 × 働く」現場のホンネ
9/12(土)は東京ビッグサイトへ!【地域仕掛け人市】仕掛け人に聞く
2015.09.07 文章 / 味志佳那子

出典 地域仕掛け人市
自身の故郷ではない地域へ、足を踏み入れた「きっかけ」とは?
東京にお住まいだったお二人が、地域に足を踏み入れたきっかけは何だったのでしょう? お話を伺うと、それぞれの違った背景が見えてきました。
山﨑さん:「自分が社長をやるしかない」
ご両親が商売をされていたこともあり、将来的に独立を考えていた山﨑さんは、大学卒業後、東京にある大手コンサルティング会社に入社します。業績も好調で、独立に向け着実に経験を積んでいましたが、4〜5年が経つと「ストレスがまったく無くなってしまった」そうで、さらには「このままではチャレンジできなくなってしまう」という危機感さえあったと言います。
そんな折、クライアントとして取引のあった、とある温浴施設に投資する会社から事業の相談を持ちかけられます。そのときに山﨑さんは、「自分が社長をやるしかないと思います。」と、そう答えたそうです。そして、2011年に会社を設立し、同年3月から事業の運営を引き継ぐことになりました。事業として採算がとれる見込みがあったからこその決意ではあっても、その勇気には驚きです。

出典 地域仕掛け人市
平田さん:仕事に迷い、「離島」の求人を探し始めた
一方で、現在は沖縄県で暮らす平田さんのきっかけは、また少し違ったものがありました。「もともと離島に惹かれていた」という平田さんは、在学中も半年に一回のペースで奄美諸島に通い、卒業研究のテーマも「離島」にしたという、大の離島好き。しかし、大学卒業後に入社したのは、東京にある情報サービス系の会社でした。そんな中、仕事を始めて4年が経つ頃に、平田さんの心境に変化が現れたと言います。
平田さんが実際に、仕事がうまくいかなかった時に思い浮かんだのは、「自分は何のために仕事をしているんだろう」ということ。そして「そもそも自分は何をやりたかったのかな」と思い起こし探し始めたのが、その「離島の求人」と出会った時だそうです。その後、いくつかの地域での勤務経験を経て、縁あって沖縄にある株式会社ルーツに就職されたわけです。
平田さんを突き動かす「離島」に対する想いの深さが伺えますね。
「地域で働く」こと、その魅力とは?
互いに異なる業種、職種に就いているお二人にとって、「地域における仕事の魅力」とは一体何なのでしょうか?実際経験されているお二人には、都心部で働くこととの様々な「違い」も感じているようです。 平田さん:寄り添いながらチャレンジする、地方におけるイノベーション

出典 地域仕掛け人市
「地域によっての特性が全然違うこと」平田さんは沖縄の魅力についてこう語ります。"リゾート"であったり、"バカンス"といったイメージが強い沖縄ですが、実は「一つ一つの地域におけるアイデンティティが強く、(中略) 地域ごとの差がはっきり出ているところがおもしろい」という特徴があるようです。さらには、「そのおもしろさって地元の人が気づいていないことが多い」「互いの立場や背景、意見にしっかりと耳を傾け、理解した上で行動に移すことが何よりも大切だ」と、平田さんは考えています。
山﨑さん:都心部で得たスキルを、仲間とともに「地域で活かす」
山﨑さんは、東京で得たコンサルタントとしての勤務経験を生かし、ときがわ町に経営者として飛び込んだわけですが、「外部から関わるよりも、自分でやったほうが圧倒的におもしろい」と言い切ります。若いときに都心で経験を積むことはもちろん大切ですが、地域を中心に活動する人がいることも大切だと感じているようです。今、都心部に住んでいる人が、いきなり拠点を移すのは当然難しいこと。そこで山﨑さんは、すでにその地域で活動している人や、一緒になってチャレンジしてくれる人の力を借りて、地域に入っていくことを勧めています。
また、東京や都心部との大きな違いは、「言葉を選ばずに言えば、ビジネスレベルは東京ほど高くない」とのこと。そのため、日々新しい情報を得る努力をすることが大事であるということを教えてくれましたが、実体験に基づいた説得力のあるメッセージだと改めて感じました。

出典 地域仕掛け人市
今後の展望と、来場者へのメッセージ
山﨑さん:地域経済の活性化と地域を元気にする人材育成
「今後は、まず会社として地域経済を回るようにし、現在住んでいる人はもちろん、新しく関わってくれた人たちが移住してきてくれるような場所にしたい」と、山﨑さんは話します。また、東京から車で約1時間ほどの「程よい田舎感」があるので、「二拠点居住のプラットホームも作っていきたい」と、さらなる意欲を見せます。
また、これからは地域を活性化してくれる人材育成にも力を注ぎたいという思いもあり、「うちで修行してもらった後は、どこの地域に入ってもらってもいいと思っている。温泉はどこでもあるので。」と言う、山﨑さんならではの懐の大きさも伺えました。
平田さん:「自分には何ができそうか」という軸
地域で働くにあたり必要なのは、「自分に何ができるか」をしっかり考えることだと、平田さんは言います。一見、楽しさや自由さばかりが取り上げられますが、「誰かが助けてくれるわけではないので、自分で自分を助けられる何かが必要」だという厳しい言葉も。地域で働くということにせっかく興味を持っていただいたのなら、周りの人の手も借りながら、詳しく調べて自分が飛び込む地域を決めてください、というメッセージをいただきました。
当日のイベントで、一体どんな話が聞けるのか、楽しみですね!
● お二人が登壇する「日本仕掛け人市」【開催概要】●
【日 時】 2015年9月12日(土)16:00-17:00
【場 所】 東京ビッグサイトTFTホール ホール300 東京都江東区有明3丁目4-10 TFTビル西館2F http://www.tokyo-bigsight.co.jp/tft/hall/
【参加費】1,000円(学生無料)
【参加申込み】 以下のサイトよりお申込み下さい http://challenge-community.jp/shikakenin/ ※このイベントページの参加ボタンでは受付完了しておりません。ご注意ください。 ※本事業は、中小企業庁「平成27年度UIJターン人材拠点事業」として実施しています。
(※1) Iターンとはー 生まれ育った故郷以外の地域に就職・移住すること。主に都心で育った人が地方の企業に就職する場合に使うことが多い。( ハローワーク東京より引用)
【お知らせ】イベント当日、PARAFTの登壇決定!
「地域仕掛け人市」当日に、PARAFTも出展することが決まりました! テーマは『未来の職業図鑑(予定)』。今はまだない、新しい職業を考えるワークショップです。みなさんのアイデアを、ぜひ会場でお聞かせください! なお、本記事は日本全国!地域仕掛け人市WEBコンテンツページより引用しました。 http://shikakenin2015.tumblr.com/

![9/12(土)は東京ビッグサイトへ!【地域仕掛け人市】仕掛け人に聞く:r000015000019 | PARAFT [パラフト]](/files/alias_m1/000015000019/45_0.jpg)
「地域 × 働く」現場のホンネ
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「地域 × 働く」現場のホンネ
WRITER
編集者・ライター
味志佳那子
お二人のお話には、地域で働くことのデメリットや苦しさも表れていて、「地域で働く」ということをより深く考えさせられました。改めてお二人の勇気と努力に驚かされます。