フリーランスの記事2015.10.02
フリーランス未払い賃金と戦う!
キャンペーン運動のワケとは?
keyword: フリーランス 業務委託 労務管理 雇用 働き方
2015.10.02 文章 / 白川達朗
キャンペーン運動in ニューヨーク
フリーランサーが直面する問題の多くは、「賃金の未払い」において起こります。そこで、個人事業主(フリーランサー)コミュニティのサポートや彼らの労働環境・地位の向上に努める米国の団体「フリーランサーズユニオン(Freelancers Union)」は、9月21日よりニューヨーク市の地下鉄に広告を張り出し、個人事業主への賃金未払いや支払い遅れに対するキャンペーン運動を開始しました。

積極的に社会に働きかけるフリーランス
フリーランサーズユニオンの代表、サラ・ロホヴィッツ氏によれば、米国内のフリーランサーの77%以上が賃金支払い期限の30日以内に賃金を受け取れず、平均して一年間で6400ドルもの損を出しているとの調査報告が出されているそうです。加えて、彼女は賃金未払いは支払い主のモラルの問題であると指摘しています。こうした状況の打開、また社会的な認知を高めるためにフリーランサーズユニオンは、ニューヨーク市の地下鉄に広告を張り出すという運動を始めたと言うことです。
このような賃金の未払いや、支払い遅れは規模を問わず一般企業でも起こりうることですが、こと個人事業主にしてみれば、明日の生活のためには報酬の支払い遅れでさえ死活問題です。複数のフリーランス業務をこなしている筆者も、とある業務の報酬の支払いが遅れたために貯蓄用の銀行口座から生活費用の口座にわざわざお金を移して家賃や光熱費の支払いに充てたことがあります。
セルフ労務管理では難しい

毎月決まった日に給料が振り込まれる会社員とは違い、業務委託等に関する契約から、請求書の発行、報酬の振り込み確認や、場合によっては振り込みの催促まですべてを自分1人で何とかしないといけないのがフリーランサー。しかし、こうした報酬・賃金の管理は本来の業務ではないため、時間をとって確認作業などを行うことができないこともしばしばあります。賃金未払いや、支払いの遅れが生じても、泣く泣く我慢しなければならないなんてことも。
フリーランサーズユニオンの代表サラ・ロホヴィッツ氏の指摘する通り、フリーランサーに仕事を頼む側の人間が、モラルをもって対応するのは当然のこと。それでも、万が一の時のために、このようなトラブルに対処する機関などを事前に確認しておくことも大事かもしれません。
参考
▼ “Freelancers Union launches subway ad campaign to combat wage theft" (amNEWYORK, 2015/9/20) http://www.amny.com/news
▼ Freelancers Union https://www.freelancersunion.org
▼ Brokelyn.com http://brokelyn.com

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フリーランス未払い賃金と戦う!
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フリーランス未払い賃金と戦う!
WRITER
ライター
白川達朗
フリーランスの仕事をしていると、請求書をまとめたり、入金を確認したりということが意外と面倒。月に何本も小さい案件をこなしていると合計の報酬に各々の業務の報酬がきちんと計算されているのか分からなくなる時があります。会社員の時には、天引きされている税金や、諸費用が気になってもわざわざ調べてみようとは思いませんでしたからね。