転職の記事2015.12.17
市場価値に負けない
「不完全キャリアチェンジ」のススメ
2015.12.17 文章 / 味志佳那子
限られたコミュニティの価値に依存することへの焦り

今年6月、私は2年4ヶ月勤めた会社を辞めました。年末となった今振り返ってみても「今年の決断ベスト3」に入るくらいの最もスマートな決断だったと思います。それはなぜか? 答えはシンプル、「自分の本当の市場価値を体感できたから」です。
前職の会社に入社し1年が経つころにはもう「転職」を考えていました。良い先輩に恵まれていたので嫌な思いをすることはほぼありませんでしたが、常につきまとったのは「時代に乗り遅れる感覚」でした。1社のやり方しか知らないまま長い会社員生活を送ることで井の中の蛙になってしまう、そのことが私を最も焦らせていたと思います。
そうして私は「100%異業種転職」、業界も職種も異なるキャリチェンジを決意します。周囲はもちろん大反対、目標が曖昧だとかそんなスキルじゃ就ける仕事は何もないという言葉を、何度耳にしたかわかりません。それでも思い込んだら一直線(≒向こう見ず)な私は、ひとまず会社を辞めることから始めました。今考えればそんな無謀なこともないですけどね。
人生を変えるのは「万全の準備」ではなく「小さな一歩」である

そうして紆余曲折を経てたどり着いたのは、希望がほぼ叶ったかたちの編集職。経験もない私のキャリアを大きく変えたのは、私がSNSにアップした「ある日記」でした。
物書きをずっと続けられたら幸せだろうなあと考えていた私は、ライター職の求人とにらめっこする日々。どんなことが得意でどんなものを書くと世の中の人の役に立てるのかは分からないけれど、ひとまず何かを書いてみよう、そしてたくさんの人の目に晒してみよう!と思い立ち初めて長い文章をSNSにアップしたのです。
そんなきっかけを経て新しい仕事にチャレンジできるようになるまでには、書類選考が通らず面接もしてもらえない、最終面接で落選するなどいろいろなことがありました。
それでも「今の自分ではちょっと足りないけれど本当にやってみたいこと」の端っこに手を伸ばすこと、その小さな一歩が私の人生を大きく変えていきました。 今もし1年前の自分に何か声を掛けてあげるとしたら、こんな言葉を投げかけると思います。「準備が完全に整うことはない」と。
判断基準が曖昧な市場価値は、複数の基準がクロスされてやっとはじき出されるもの。縛られすぎずにまずは自分の心に正直に「小さな一歩」から始めてみることをオススメします。

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市場価値に負けない
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市場価値に負けない
WRITER
編集者・ライター
味志佳那子
チャレンジしたいことがあるけれど諦めかけている人がいれば、まずはリスクを負わず、無理せずできるところから始めてみると良いかもしれませんね。