キャリアアップの記事2016.03.07
お金とキャリアについて考える
「配偶者は年間103万円以下で働く」は本当?
keyword: キャリアアップ 配偶者扶養控除 フリーランス パート 給与
2016.03.07 文章 / ねこあさ
控除と手当?似て非なるそれぞれの用語の解説

配偶者控除、配偶者特別控除、扶養控除、扶養手当……。種類が多く、名前も似ていてよく分かりませんよね。そもそも配偶者の定義があいまいな方もいるのではないでしょうか。それぞれを解説いたします。
税法上の配偶者控除と、会社からもえらえる扶養手当の違い

控除と手当の中で特に違いを理解しておきたいのは、配偶者控除と扶養手当です。配偶者控除とは、税法上の控除のこと。例えば、会社員である夫の妻が年収103万円を超えて働くと、配偶者控除から外れます。妻の収入は増えますが、夫の払う税金が増えるというイメージです。
いきなりまとまった金額が課税されてしまわないために、段階的に課税していく措置として配偶者特別控除が用意されています。
一方、扶養手当(家族手当)とは会社から支払われる給与の一部です。高度成長期の産物で、終身雇用が約束されていた時代に、“社員の生活の質が維持されることは会社にとっても利益を生む"という考えで作られたとされています。配偶者がしっかり働いていて収入があり、扶養家族分の負担を補わなくてもいいという状態なら、会社からの扶養手当はなくなるといったものです。
扶養手当が支払われる条件は、配偶者の年収が103万円以上か、130万円以上の会社が多いようです。扶養手当は月額3,000~10,000円ほど支給される会社が多いので、扶養手当がもらえなくなっても、働くことはいいことなのかを確認しましょう。
本当に働くほど損?自分のキャリアを考慮して壁を飛び越えてみても

配偶者は、働けば働くほど夫が課税されて手当がもらえなくなる、という現実に直面します。「じゃあ働き損じゃないか、このまま103万円以内に収めておこう。」と考えるかもしれません。
でも、ちょっとまってください。確かにこの1年のことを考えたら103万円以内に収めたほうがお得かもしれません。しかし、配偶者自身のキャリアを考えたら103万円の壁を飛び越えたほうがいい、という考えもあるようです。
特に、フリーランスで働いている人は、仕事量やクライアントさんとの関係が命です。103万円の壁を意識するあまり、仕事量を制限して、信頼関係構築や技術力向上のチャンスがしぼめられてしまってはもったいないです。
生涯103万円以内で働くならいいかもしれませんが、子育てが落ち着いて再度社会で思いっきり働きたい時に、仕事をくださるクライアント様がいなければ活躍の場所がふさがれています。未来への自分への投資も考えて、その壁を越えて働いてみるのもいいかもしれませんよ。

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WRITER
ライター
ねこあさ
用語が似ていて理解しにくいものの中でも、今回は配偶者控除と扶養手当について紹介しました。控除や手当の条件を確認して、家計にとって最適な形で働きつつ、ご自身のキャリアも大切にでいるといいですね。