キャリアの記事2016.05.19
3つの悩みを抱える世代?
『トリレンマ』世代、これからのライフスタイルを考える
2016.05.19 文章 / 吉次茜
「晩婚」「晩産」「少子高齢化」… 変わりゆく日本のライフスタイル
ここで一つ、厚生労働省のある統計を例にとり、(※1「母の年齢(5歳階級)・ 出生順位別にみた出生数」)晩産化と少子化の傾向を参照してみます。母親の平均出産年齢では、30年前の1985年(26.7歳)から、2012年(30.3歳)ではそれほど大きな違いは見受けられませんが、『新生児の母親が35歳以上だった比率』では、85年の7.1%が、2012年には25.9%と、この30年で3倍以上、現在ではおよそ4分の1以上の世帯が、35歳以上での出産経験あり、という結果が出ています。
つまり、現在の団塊ジュニア世代と呼ばれる30〜40代は、次のような年代だと言えそうです。
① 一般的な退職年代である60歳時点で、
② 就学中の子供を持っている可能性が高く、
③ またその時点で両親は介護が必要な年齢に到達している。
30代~40代に増加する『トリレンマ世代』とは?
従来は、「サンドイッチ世代」と言う、現役世代のうちに子供の教育と親の介護という2つの負担に挟まれた世代を称するワードの方が、特に海外のメディアでは有名で頻出していたのでそちらをご存じの方は多いのではないでしょうか。
昨今では、中国やシンガポールといったアジア諸国でもこの現象は指摘されていますが、それ以上の深刻な世代間問題として最近の日本では、自分の退職も重なる「トリレンマ世代」へとさらに移行していると言われています。
『トリレンマ世代』における 未来の“課題”
これから結婚・出産を考えている20代の中にも、のちのち「トリレンマ世帯」のような形をとるケースも多くいることを考えると、これからはどの属性・年代でも、子供の教育と家族の介護、また自分のワークスタイルに関して、対策を考えておく必要があります。
実際に、私の友人でもこの『トリレンマ』世帯は非常に多いのですが、その典型的な形は「夫婦共働きで30代後半。子供は30代前半と後半でそれぞれ1人ずつ出産し、両親(60代)はまだ健在で就労していたりもする」というもの。
この場合、彼らが現在の一般的でいうところの、「退職」を60歳で迎えた時点でも、子供たちはまだ大学などに在学中、修士課程まで就学するとなればさらに教育費がかかることになります。あわせて、そのころ80代になっている両親の存在も気になるところ……。こういった家族の問題はどの世代・国でも起こることですが、トリレンマ世代に関しては、それらが同じ時期に集中してくるところと、その絶対数が多い、というところが喫緊の問題と言えます。

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3つの悩みを抱える世代?
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3つの悩みを抱える世代?
WRITER
ライター
吉次茜
かくいう私も、年代でいうとこの『トリレンマ世代』 にあたります。今までは比較的、家族の健康や経済状態で大きな問題がなかった…とはいえ、両親や兄弟、また自分のこれからを考えると、全く自分ごとのテーマだと感じています。次回はさらに、このトリレンマ世代がこれからの課題にどう自分たちのライフスタイルを対応させていくべきなのか、というところを掘り下げてみたいと思います。