トリレンマの記事2016.05.23
キーワードは自助努力
『トリレンマ』世代、これからのライフスタイルを考える|第2弾
keyword: トリレンマ キャリアアップ 介護 子育て 貯金
2016.05.23 文章 / 吉次茜
『トリレンマ世代』が考える、老後と資産のイメージ
ある調査(※)によると、このトリレンマ世代は年齢的には35歳ごろを境に、退職後のライフスタイルを具体的に考えたり、投資などで資産運用を明確化するなどの行動が顕著になると言われています。もっとも変化をもたらす行動の中には、結婚も含まれます。
具体的に見てみると以下のような結果が出ているのだとか。
① 女性の退職後イメージが現実的になる
② 投資に対する明るいイメージが後退するなど。
また、結婚という大きなイベントを経て、次のような変化が現れるそうです。
① 男性の退職後生活へのイメージが明るくなる
② 退職後必要資金の総額が増える
③ 退職金・企業年金への依存度が上がる
一方で30歳代は<退職後の生活資金の準備が0>という属性が50%を超えているという、驚きの結果もあります。老後に必要な資金は一般的に、3,000万円が一つの指針と言われていますが、30代でまだこの状態だと、「公的年金以外に必要な退職後の生活費」を用意することは、非常に困難と言わざるをえません。
(※)フィデリティ退職・投資教育研究所レポート、2011年2月発行
これからの資産運用と負担軽減の対策とは?
上述の調査では、「退職後の生活に関する認識とその準備の状況を探る」というテーマで、サラリーマン1万人にアンケートを実施しました。そこから約3,000名の30歳代のトリレンマ世代に、退職に対するイメージやその準備に対する考え方を聞いたものですが、退職後の生活に対するイメージは「のんびり・マイペース」という回答が、男性女性とも過半数以を締め、自分たちのペースで過ごしたいという意向が見て取れます。ここから、実際の資産の有無に限らず、自分たちの老後とそれに必要な施策に関しては、多くのトリレンマ世代が前向きな意見を持っているようです。
そうとはいえイメージを具体化していくための施策として資産運用を考えると、まず子供の教育費は奨学金や学費ローンなどを活用することを考えましょう。海外では自分の学費は自分で稼いでいく、という考え方が一般的です。まずは費用負担を、家族の一員である子供にも求めていくことも、考え方の一つとしてあります。
“できる人ができることを” 親・自分・子供 ― それぞれの自助努力
親世代は、まだ年金が潤沢とまでは言わないにしても現役世代よりは多く、資産も持っている年代です。万一介護が必要になった場合でも、なるべく自分たちで資産をまかなえるように、これも早めに家族で話し合っておきたいところです。
自分の老後資金も早めに準備をする必要があります。これには貯蓄プラス投資などを活用して、時間をかけて大きな金額に育てていくことを考えましょう。他にも、生活費の抜本的な見直しとして、生活基盤を変える、たとえば、地方都市への移住なども検討できるかもしれません。
これからの社会は、それぞれの世代がそれぞれの立場で、できることをやっていくことが求められます。まず “自助努力”。トリレンマ世代が、自分たちが望むライフスタイルを実現するために、まずはこれが必要不可欠なキーワードと言えるでしょう。

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WRITER
ライター
吉次茜
不透明な社会情勢や年金など既存制度が持つ問題点など、自分のこれからは、何よりも自分で何とかしないと、いうのは、昔からの私の持論です。今回のテーマをまとめる中で、さらにこの考えを深めました。皆さんもぜひ、これからの自分のライフスタイルをどうしておきたいか、ご家族で今一度しっかりと話し合ってみてはいかがでしょうか。必要な貯蓄や投資活動などを活発化させておくことは、自分の未来を動かす一つの手段になるかも