副業の記事2016.08.30
副業スタート前チェックリスト
副業1年生になる前にやっておくべき8つのこと
2016.08.30 文章 / Ruaha 裕子
事業を始めるための「カタチとココロ」を整える
出典:pixabay
副業/本業、法人/個人事業、事業の規模や内容などでも多少の違いはあるものの、一般的によく言われるのは、
「新規起業してから、1年ごとに四分の一ずつ消えていく」
という事実です。1年目で75%が残り、2年目、3年目と残った中から更に25%ずつ廃業や休業に向かいます。4年目以降も生き残る事業は、スタートしたうちのわずか4割強になってしまうそう。
しかし一方で、3年目を過ぎれば事業が安定してくるのも事実で、その後は廃業する可能性が低くなっていくと言われています。
なぜ、そうなるのか? 一番大きな原因は「準備不足」です。準備の中には「認識」の問題も含まれます。サラリーマン時代と違って、起業後は「会社という後ろ盾がない」「生活費と運転資金を全て稼がなければならない」「毎月の収入は不安定」と、これまでになかった状況に立たされます。これを乗り切るのには、儲けと費用のバランス感覚と、自己資金が重要になってきます。
そこで、まずは起業前に「会社と事業の違いを疑似体験しておく」ステップを挟むことが望ましいでしょう。
① 起業に関わる本やWebマガジンを読んで「起業の流れ」を学んでおく
② 起業に関わるワークショップや学習会に参加する
これらの方法が現実的です。副業としての起業であっても、資金難にならない保証はありませんし、基礎知識は大切です。
②については、商工会議所などが行っているものを利用すると受講費用が無料~安価で、地元特有の商習慣や人脈、各種の公的な支援制度へのアクセスが良く、メリットが大きいのでオススメです。
サイフは分ける!公私の資金区別と緊急資金を確保
出典:pixabay
スタートさせる前に、真っ先に知っておきたいこと。それは「シゴトのサイフと、生活のサイフは別」ということです。プライベートと仕事をゴチャゴチャにしてしまうと、不安定収入しか入ってこない最初の3年間は、よっぽど資金が潤沢でないとどこかでつまづく可能性が高くなります。
独立起業では安定的な収入が保証できないことや、「会社の名前」がないことの社会的信用で困るのが、クレジットカードなどの融資関連です。
これらをカバーする目的で、起業する前に
③ 事業用クレジットカードを作っておく
と言われます。副業であればむしろ経費管理の手間を軽減させるために利用するのがオススメです。
クレジットカードは会社ごとにマイレージサービスや、ポイントバックなどの付帯サービスがついています。仕事でよく使いそうなものを検討して、2枚くらい準備しておくと良いでしょう。事業用の物品購入や支払いを事業用クレジットカードに集中させることで、経費管理も一緒に済ませられるメリットがあります。
これと一緒に、事業用現金の専用サイフも作り、現金で支払いをしたら、レシートや領収証を事業用財布で保管する癖をつけましょう。
次に大事なのが「緊急用資金」の準備です。
給与所得者として生活していると、”給料”と事業で手にする”売上”の性質上の違いを認識しづらい傾向があります。けれど、副業も個人事業の一つです。事業のもうけは給料と違って「受け取ったお金の全部が儲け」ではありません。
さらに事業で入ってくる報酬は、給与と違って締日から入金までの期間が長くなりやすい特長があります。給与ならば締日から支払いまで2週間も空くことはありませんが、報酬となると2か月空きなんていうのはザラ。金額も一定ではありません。その上源泉徴収税額が給与よりも高く、手元に入金される金額の目減りが大きくなります。
これらの点から本気で生活に困った時のため用に、
④ 半年分の生活費相当の貯金を、プールしておく
と、とても安心です。
もしもの時に備える対策は?保険チェックと費用や利用できる制度の確認を
⑥ 国民健康保険、国民年金の保険料シュミレーション
⑦ 退職後の失業保険の利用期間と払われる失業手当
についても、忘れずに行っておく方が良いでしょう。
特に、失業手当を利用したいと思っているのであれば、2年間は仕事を続けないと貰える金額が少なくなります。できればボーナスや昇給のタイミングも検討して、少しでも手持ち資金を維持できるような時期を検討しましょう。
奨学金など借入の返済があるときは、
⑧ 借入金返済方法と金額のシュミレーション
も、行っておく必要があります。奨学金などでは経済状況や失業などの収入の減少に応じて、一時的に返済を猶予してくれる制度もあります。開業して始めのうちは収入減で生活が苦しくなることが考えられますから、手持ち資金を減らさないためにも、借金はなるべく完済しておくようにするのが望ましいでしょう。
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最後に、8つのチェックポイントをおさらいしましょう。
① 起業関連の本やWeb記事から起業の流れを学ぶ
② 起業に関わるワークショップなどに参加する
③ 事業用クレジットカードを作っておく
④ 半年分の生活費相当の貯金を、プールしておく
⑥ 国保や国民年金の保険料シュミレーション
⑦ 退職後の失業保険利用期間と失業手当の金額
⑧ 借入金返済方法と金額のシュミレーション
準備をしすぎて損することはありません。事業の成功のためにも、念入りなチェックをしてみてくださいね。

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WRITER
ライター
Ruaha 裕子
事業を始める時に、最初に目標にすべきことは「3年以上は続ける」という見通しです。これを実現するためには何よりも準備が大切であることは間違いないところでしょう。「とりあえず始めてしまえば何とかなる!」は、実際にはまったく「何ともならない」結果を迎える原因となってしまうようです。副業・正業関係なく、長く続けられるためにしっかりとした足場固めを意識して、開業準備をするのが成功につながります。