パラレルキャリアの記事2016.08.22
二枚目の名刺夏フェス【後編】
未来を担う子供たちのための「2枚目の名刺」とは?
keyword: パラレルキャリア 二枚目の名刺 複業 働く女性 育休
2016.08.22 文章 / 小野修平
さまざまな立場から立体的に「2枚目の名刺」を見つめる時間
出典:PARAFT編集部
▶︎ 第一部:2枚目の名刺をめぐる最新トレンド
①「企業が注目する、2枚目の名刺の人材育成価値」法政大学大学院 石山恒貴教授
②「自治体が注目する、地域プロジェクト」日野市 地域戦略室 中平健二朗氏/デロイトトーマツコサルティング 高柳良和氏
③「ミドルにも広がる2枚目の名刺」株式会社電通人事局/NPO法人 二枚目の名刺 酒井章氏
企業と行政が一体となり取り組む「サポートプロジェクト(※)」の紹介を通じ、学者や公務員、大手企業社員、すでに2枚目の名刺をもつ社会人など、さまざまな立場の人たちが2枚目の名刺を持つこと、活動に参加することで得られる学びや意義について、具体的な実践事例も交えてセッションは進んでいきました。
※サポートプロジェクトとは:様々な背景を持った社会人がチームを組み、新しい社会を創ることを目指す団体(NPO等)と共に、団体の事業推進に取り組む有期のプロジェクト。 (二枚目の名刺Webサイトより引用)
▶︎ 第二部:二枚目の名刺のこれから
4名の登壇者とともに、”2枚目の名刺の未来図を探る”パネルディスカッションが行われました。
・有馬 嘉男 氏 (NHKキャスター)
・志水 静香 氏 (ギャップジャパン株式会社 人事部シニアディレクター)
・中野 円佳 氏 (『「育休世代」のジレンマ』著者、女性活用ジャーナリスト/研究者)
・廣 優樹氏 (NPO法人二枚目の名刺 代表)
女性はすでに「2枚目の名刺」を持っている?
出典:PARAFT編集部
実際にこれまで忙しく働いていた女性がママになると、社会との関わり方が変わっていくものだといいます。育休中は子どもと2人っきりで過ごすことが増えるため、社会との接点が減る感覚や疎外感を感じ、心が折れそうになるケースはPARAFTで取材をする中でもよく耳にする話です。また周囲の助けを得て復職した後も、負担や制限が多く、目の前の今やっていることが必ずしも自分がやりたかった仕事ではないことも多々あるそう。
そんな時に、自分の価値観を表現できる場として効果的なのが「2枚目の名刺」です。志水さんと中野さんも「もっと気軽に参加できるものになってほしい」と口を揃えて話してくれました。
時間に対する意識が非常に強く、隙間時間で高いパフォーマンスを発揮できるワーキングママのために、プロジェクト設計自体をに変えていく必要があるのではという女性陣の提言に対し、二枚目の名刺代表の廣さんも「その通り!」と納得の様子で、まさしく会場全体で「2枚目の名刺の未来図」を描く時間となりました。
その後、2枚目の名刺の活動を広める手段の1つに挙げられた「子どもたちから得る学び」は興味深いものでした。失敗を恐れ始める前からできない理由を先に挙げる大人と違い、子どもは既成概念にとらわれない自由な発想を持っています。何気ないことに疑問や問題意識を持つ子どもたちの姿勢を大人が学ぶ場があってもいいのではないのでは、とのことでした。
また、これからAIが発達すればするほど合理的なシステムによって判断ができるようになり、より失敗経験がしにくい世の中になるのではないかと言われています。既存の枠組みに疑問を投げかけること、そしてトライアンドエラーを日々繰り返して、どんどん学びを得ていくこと。それこそが、大人が子どもたちから学ぶべきことなのではないでしょうか。
2枚目の名刺が「社会との接点を増やす」
加えてもう一つ、「複業」「パラレルワーク」、そして「2枚目の名刺」を行う目的として非常に大切なことがあります。それは「社会との接点を増やす」ということ。自分が持っている価値を、本業だけでなくもう一つ別の場所で発揮することによって、より多くの関わりを持てるようになる− そんな効果もあるのではないでしょうか。今いる場所から一歩踏み出して、自分の力を還元できる場所を持つことは本人にとっても、周囲にとっても嬉しいことであるはずです。
今よりもう少し世の中を良くしたい、自分にできること何かないだろうか……『二枚目の名刺夏フェス2016』には、そんな思いを持った人たちが集まってきていました。みなさんも、今よりちょっとだけ外に目を向けて、2枚目の名刺を持つ準備を始めてみてはいかがでしょうか。

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二枚目の名刺夏フェス【後編】
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二枚目の名刺夏フェス【後編】
WRITER
編集者・マーケター
小野修平
働き方の選択肢の1つとしての「2枚目の名刺」。来ている方とお話をしてみても、どこか現状に問題意識を持ち、行動を起こそうとしている方が多く、刺激を受けました。トークセッションの最後で、NPO法人二枚目の名刺代表の廣さんが仰っていたように「ここでの経験を外で発信する、それぞれが考えるきっかけを作る」ことが大切なのかもしれませんね。