ビジネススキルの記事2016.10.19
日本語こそビジネスでは有効!
他人を気遣った日本語の正しい使い方|『大人の言葉の選び方』
keyword: ビジネススキル 日本語 コミュニケーション 欧米 スキル
2016.10.19 文章 / 平原学
相手を張り切らせつつ、仕事を頼む言葉
出典:Pixabay
「この仕事はキミにとってもプラスになると思うよ」
そう言われれば、多少難しい仕事でも「やってみようかな」という気持ちになるもの。また依頼された側が、あなたに対して「よく自分のことを考えてくれている」と感謝してくれることもあるかもしれません。
また頼みづらい上司に対しては、次のような言葉も有効です。
「○○さん以外の適任者はいませんので」
「○○をやらせたら豊島区で右に出るものはいないあなたに」
後者は少し冗談混じりにも聞こえますが、言われた方は決して悪い気はしません。相手にやってもらう以上、「押しつける」のではなく、「おだてる」ことが重要なのです。
相手の依頼を円滑に断る言葉
出典:Pixabay
「いま別の仕事を抱えていて、中途半端になっても申し訳ないので」
相手を気遣いつつ、「今は忙しくてとても引き受けられるような状態ではない」ということを暗に示しておくと、相手もそれ以上は無理を言えません。また、断らずに断るという次のような表現も。
「時間ができたらこちらからご連絡します」
実に日本語らしい表現。外国人相手に使うのは控えましょう。実際、私は海外からのメールに対して「時間ができたら連絡します」と返してしまい、その結果「時間はできたか?」と何度も勧誘メールを送られ続けたことがあります。しつこい相手は、キッパリ断るのも礼儀です。
また、もし依頼された件に関して、自分よりも適任者に心当たりがある場合、次のように提示してあげるのもいいでしょう。
「俺がやるよりも○○さんのほうが適任じゃないの」
大人を示しつつ、相手へ催促する言葉
出典:Pexels
「けっして催促というわけではないのですが」
使える言葉の一例です。「催促ではない」と否定しながら催促以外の何者でもありませんが、言われた側にも「あ、向こうも言い辛いんだな」と気づくしょう。ただ、中には言葉通り「そうか、催促じゃないのか」と受け取る人もいます。本当に急かしたいという気持ちを伝えるには、次のような言葉も効果的。
「そろそろ首の長さがキリンを越えそうです」
ユーモアを交えながらも、「早くしろ」という強い気持ちが込められています。こんなことを言われてしまったら、相手も笑っている場合ではありません。
また、より一般的には、次のような言葉もよく使われます。
「もしかしたら行き違いかもしれませんが」
実際、連絡が行き違うことはあります。こう一言添えておけば、「え、もう済ませましたよ?」と相手に腹を立たせる心配もありません。
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日本語こそビジネスでは有効!
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日本語こそビジネスでは有効!
WRITER
コラムニスト、ライター
平原学
本書で紹介されているような言葉を煩わしいと感じる人も、現代では多いでしょう。「もっと率直に生きるべきだ。他人に対して変な気を遣う時間が勿体ない」と言う人もいるかもしれません。ただ残念ながら、よほど仕事ができる人でなければ、単に率直なだけでは嫌われてしまうのがこの国です。他人に対して気を遣う時間を省くのではなく、できるだけ多くの日本語を身につけ、少しでも短い時間で他人を気遣った言葉が選べる強さを育てましょう。