コミュニケーションの記事2016.11.16
会話ベタのお悩み解消!
バランスの良い会話は反面教師で学ぶべし|『会話のしくじり』
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2016.11.16 文章 / 平原学
「気の利いた言葉を言うべき」という危ない思いこみは捨てる!
出典:Pixabay
芝居がかり過ぎているからよくないのか。じゃあもっと自然に言えるよう、ドラマを見て演技を学んで……などと考えてしまうと、より深みにはまるだけ。「何を勘違いしているんだろう、この人。自分のことをキムタクだとでも思いこんでいるのかな」と、ますます距離を置かれてしまいます。
そもそも「気の利いた言葉」を言おうとしている時点で、すでにしくじっていると本書は唱えています。
“なぜなら、カッコいい言葉を言おう、言おうとしている人は、相手のことが目に入っていないからです。完全に自分都合で、自分が気持ち良くなることしか考えていません。”
面接などでもよくありがち。「今のセリフ、キマった!」と自分では思っても、その後で面接官をよく見ると、一見ウケているようで目の奥は笑っていない。「はっはっは……ダメだな、不採用」などと思われているかもしれません。
初対面では特に、自分がどう見られたいかより、相手が何を求めているかを探ることが大切です。「あ、その仕事は得意です。そういうケースでなら、私がお力になれると思います」など相手をよく見て発言し、「なるほど、この人だったらウチのことをちゃんと考えて仕事してくれそうだな」と思わせることがうまい会話のやり方なのです。
「言い訳」から入るのは、実はただのわがままな気持ちの表れ
出典:Pixabay
「あのう、世間的にはそれってよく知られてるものだと思うんですけど、私って趣味が偏ってて。もちろん、ちょっと耳にしたことぐらいはあるんですけど、間違って覚えてるとよくないので、要するに、それって何ですか?」
こんなに長々と喋ってしまうのも、相手の気持ちを考えず、馬鹿で世間知らずだと見られたくないと、自分のことだけを考えて取り繕ってしまうから。
相手も長々と言い訳をされているうちに、「この人、何が言いたいんだろう?」と困惑するばかり。しかも「言い訳」されている間は、会話の流れを止められ、ストレスを募らせてしまいます。せっかく新しい仕事の話だったとしても、「もういい、君より別の人に頼んだ方が早そうだな」と、話を切られてしまうでしょう。
“会話はキャッチボールと言われるように、「相手に一つ投げたら、次は相手の球を待つ」という「バランスのいいやりとり」ができたとき、会話が弾むと言います。”
もし「それって何ですか?」の後に「え、知らないの!」と言われたら、「いや、もちろん聞いたことぐらいはありますよ」と続ければよい話。最初から予防線を張り巡らせるような話し方をしていては、「なんだか面倒くさいひとだな」と呆れられるだけです。
丁寧なのに傲慢に聞こえる「よろしかったでしょうか」
出典:Pixabay
“丁寧な物言いに聞こえますが、不用意に連発していると「自分はこう考えているけど、それでいいよね」と押しつけがましく聞こえます。”
と、本書。なぜそう聞こえてしまうのか、過去形で聞いてしまっていることがその理由です。すでにこちらでは判断を済ませており、相手には事後承諾を得ようとしているような印象を与えてしまうからです。
確認したいならば「よろしいでしょうか」と現在形で使うこと。また、飲食店の場合だと「追加でポテトはよろしかったでしょうか」のように、もはや確認ではなく店の都合をただ押しつけるような誤った使い方もあります。「ポテトはいかがですか」と勧めるならともかく、注文することが前提であるような言い方をしないこと。
以上、よろしいでしょうか?
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会話ベタのお悩み解消!
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会話ベタのお悩み解消!
WRITER
コラムニスト、ライター
平原学
「スピーチが得意な人はいても、会話がうまい人というのはいないのだ」と、ある方に聞いたことがあります。会話は自分と相手がいて初めて成り立つもので、相手が自分の声に耳を傾けてくれなければ、どんなに自分だけ雄弁に語っても続かないからです。とは言え、会話こそが仕事の基本。本書から何が「しくじり」だったかを反省し、次に繋げていきましょう。