考え方の記事2016.12.26
概念は客観、○○は主観?
概念、理念、観念…「ものの考え方」にまつわる類語まとめ
2016.12.26 文章 / PARAFT編集部
大きな枠組みの軸となる考え「概念」
まずは辞書的意味からあたっていきましょう。
『三省堂大辞林』では「ある事物の概括的で大まかな意味内容」とありますが、いまいちピンときませんね。カギになりそうな概括についても調べてみましょう。同辞書では「特定の分野や専門にこだわらず,おおまかに全体から見たさま。大局的」とあります。
『デジタル大辞泉』では「内容のあらましをまとめること。/論理学で、さまざまな事物に共通する性質を抽象し、その性質を一つの概念にまとめること。一般化。」とあります。
▼ 概念に含まれる他の意味
概念は英語で「concept」と表すことからも、「創造された作品や商品の全体につらぬかれた、骨格となる発想や観点(デジタル大辞泉より)」と言う意味も含まれるでしょう。
▼ 概念は何を指す?
これらのことから、概念とはひとつないしは複数の事柄に共通する“軸”のような観点のことを指すと言えます。主に、Webデザインや文学、ITといった大きな枠組みに使われることが多く、抽象的なものを表すケースがよくみられます。
あるべき姿の根本を表す「理念」
理念と聞くと“企業理念”などが思い浮かぶ方も多いでしょう。概念よりも少し身近に感じられる言葉のような気がしますね。
『三省堂大辞林』によれば「物事のあるべき状態についての基本的な考え」を指します。
『デジタル大辞泉』によれば「ある物事についての、こうあるべきだという根本の考え。」とあります。
▼ 理念は「理想」も含まれる
たとえば企業理念であれば、その企業がこうあるべきと考える本来の姿やそこにある考え方だと言えます。“理想”の理の字が入っていますから、現状を表すものではなく、理想としてこうありたい、あるべきだという理想論を含むことがポイントです。
主観が入る「観念」、概念との違いは?
観念と聞くとまず、ものごとをあきらめ降伏する「観念する」をイメージする方も多いのでは。これまで見てきたものごとの考え方のほかにも、観念にはさまざまな意味があります。
『三省堂大辞林』では「物事について抱く考えや意識/あきらめること。覚悟すること/ 主観としての人間の意識内容」とあります。
『デジタル大辞泉』では「物事に対してもつ考え/あきらめて、状況を受け入れること。覚悟すること/哲学で、人間が意識の対象についてもつ、主観的な像」とあります。
▼ 観念は「主観」がポイント
これまでの「概念」「理念」と異なるのは“主観”というポイント。こうして見てみると、概念は客観的な要素を含む共通の考え、観念は主観的な考え方をさしていることが分かります。これは大きな違いですね。
▼ 正しい日本語を使いこなそう
概念や理念などの言葉以外にも、ビジネスの場面で使われる日本語はたくさんあります。
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概念は客観、○○は主観?
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概念は客観、○○は主観?
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編集部チーム
PARAFT編集部
概念は一般的な共通認識、理念はあるべき姿の根本的な考え方、観念は主観的な考え方。一見よく似ている3つの言葉も、よく調べてみると思わぬ発見がありますね。これら類語もしっかり使い分けて、美しい日本語をマスターしましょう!