保護主義政策の記事2017.03.14
雇用増減のカギ握る保護主義政策
トランプ大統領が推進する「保護主義政策」の意図とは?
keyword: 保護主義政策 トランプ大統領 関税 貿易関税 アメリカ国内産業
2017.03.14 文章 / PARAFT編集部
トランプ政権に見る保護主義政策
① TPP(環太平洋パートナーシップ協定)からの離脱
② 北米自由貿易協定(NAFTA)の再交渉
③ メキシコなどからの不法移民に対する規制の強化
④ アメリカ国内への企業進出の促進と雇用拡大
これら保護主義的な色合いが強いと言われている各種 政策は、すべてアメリカ第一主義の下に発想されており、アメリカに不利益をもたらす貿易関税の見直しやアメリカ国内産業の発展に重点を置いていることがよくわかります。
保護主義政策を採用することによるメリットとは?
保護主義の対をなすのは自由主義です。例えば貿易においては、自由貿易の推進によってグローバル化が進むと、モノの値段が下がり実質的な生活が豊かになると言われてきました。しかしより安価な生産コストを求めた結果、現在各国は生産拠点が発展途上国へ移り自国の雇用が失われるという事態に直面しています。モノは安くなったものの、自国の消費者は失業などにより購買力が低下、国内全体の需要が縮小していく悪循環を呼んでいます。
この行き過ぎた自由貿易を是正するために、トランプ大統領が掲げた政策こそ「保護主義政策」であり、自国内の産業を育成し雇用を生み出すこと、及び輸入品に対し高い関税を設け貿易赤字を解消することなどにより、国内の経済を好転させるというメリットがあるとされています。
保護主義政策を採用することによるデメリットとは?
まず、国内需要を生み出すために企業の先行投資が必要となり、投資資金を確保するためにさらなるコストカットが想定されること。また、途上国の生産拠点が高コスト化することにより途上国が再び経済危機に見舞われ、世界全体の経済が失速してしまうことが挙げられます。今や企業は国内生産国内消費だけで成り立っているわけではありません。途上国の消費力が向上することによる恩恵もあるため、保護主義が企業業績に与える影響は大きいと言えます。
また、自国の雇用が増加することにより、モノの生産コストも上昇します。賃金の上昇が物価の上昇に追い付かない場合、経済は急速に失速します。そのため、保護主義をどこまで推し進めるかのさじ加減が焦点となることでしょう。

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雇用増減のカギ握る保護主義政策
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雇用増減のカギ握る保護主義政策
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編集部チーム
PARAFT編集部
混同されがちですが、保護主義政策とは決して民族や国家の自尊心をあおる排外主義的でナショナリスティックな政策ではありません。日本としてもトランプ大統領の掲げる保護主義政策が国の経済に大きな影響を与えるため、注意深く見守っていく必要がありますね。