物流の記事2017.03.18
便利の裏に運送業の苛酷労働
ヤマトがついに値上げ!物流・運送会社にも働き方改革が
2017.03.18 文章 / PARAFT編集部
物流とは? 具体的にはどんな仕事をしている?
出典:Pexels
▼ 保管
荷物を保管する業務
▼ 荷役
荷物の積み下ろしや倉庫への入庫・出庫
▼ 流通加工
倉庫や物流センターで値札やラベルを貼ったり、商品のセットを行う
▼ 包装
精密機器などの傷を防止するために、保護用の梱包材などで包む
▼ 輸配送
船や鉄道、航空機、自動車を使って物を運ぶこと
▼ 情報管理
輸送中の品物が現在どこにあるのか、温度や湿度などの輸送状況の確認を行う、データ管理
荒天や天災などで道路が不通になると物流が止まってしまい、私たちの日常生活に大きな影響が出てしまいます。物流は、生産者と消費者との間をつないでいる重要な事業なのです。
ネット通販の利用増大による影響
出典:Pexels
発送側の倉庫内でのピッキング作業は、工夫次第でかなり早くできるようになっていますが、配達の段階では、急激に増えた荷物への対応はかなり難しい問題です。道路事情がすぐに変わるわけではないですし、車両や人員の増加が都合よくできるわけではないため、ドライバーへのしわ寄せが相当なものになっています。
マンションの中には、不在時に荷物が受け取れるよう、宅配BOXが設置されているところもありますが、荷物の数が多すぎてキャパシティを超え、持ち帰らざるを得ない状況も発生しています。また、日時指定しているにもかかわらず不在というケースもあり、これも持ち帰り。再配達のサービスが当たり前のようになったいまでは、1個の荷物を運ぶのに過分な時間と労力を要するのが日常茶飯事の状態です。宅配ドライバーの残業は増える一方なのです。
ヤマト運輸は、アマゾンを含む大型契約の法人とも値上げ交渉に入ったと報じられています。また、再配達が集中する夜間配達時間の区分を、現状の20時~21時から19時~21時に拡大するなど、宅配ドライバーの働き方を改善する施策も次々と本格検討中です。
労働環境が改善される可能性は?
出典:Pixabay
平成26年、厚生労働省労働基準局は『トラック運転者の労働時間等の改善基準のポイント』として、トラック運転者の労働状況改善基準を策定しています。これによると、連続休息期間8時間、週休2日となっていますが、年間の拘束時間の上限は3,516時間と多めの設定となっています。それでも増え続ける荷物量に人員の対応が追い付かず、サービス残業が増えるなど、改善に向かっているとは言えない状況です。
政府は、2017年2月の働き方改革実現会議において、過重労働による過労死や自殺防止のためとして、すべての業種において、時間外労働の上限を定めるとしていますが、上限の数値が過労死ラインの月80時間を超えた100時間であること、トラック運転手や建設作業員などは影響が大きいため施行時期を遅らせることを検討しているなど、政府主導での労働環境の改善を期待するより、企業各社の取り組みに注目が集まっているのです。
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小倉会長の「サービスが先、利益は後」の名言で知られたヤマトですが、そのサービスよりも社員が先、人なくしてはサービスもないと新たな道を歩み始めました。