スマート・ビルディングの記事2017.03.16
未来のオフィス最前線
IT技術を駆使したオフィス空間設計が仕事の質と働き方を変える
keyword: スマート・ビルディング IoT Apple IBM Watson 職場
2017.03.16 文章 / Shivani Gopalkrishna
働き方の変革は、「オフィス空間」にも広がっている
出典:freepik
また、オフィスや施設など「ビル管理」に関しても、環境に配慮し自然災害にも対応する新しい手法や考え方が導入され始めています。これがいわば、人工知能・AIやIoTを活用した「スマート・ビルディング」。建物全体の運用効率を高め、省エネや光熱費削減を目指したもので、企業だけなく、多くの公共施設や大学などの公共機関で実用化されています。
ジョブズ最後の作品 『Apple Park』にみるオフィス空間の再定義
175エーカー、明治神宮とほぼ同じサイズの広大な“キャンパス”の特筆すべき点は、世界でもトップクラスのエネルギー効率設備が設けられている、ということ。建物の屋根には、世界最大級といわれる17メガワットを発電するソーラーパネルを設置。キャンパス内で必要となるエネルギーのほぼすべてを、再生可能エネルギーでまかなうというから驚きです。また、最新の自然喚起システムを導入したことで、1年のうち9カ月間はエアコン無しで過ごせるほどの快適さも担保されていると聞けば、人体にやさしいオフィス環境だということが想像に難くないでしょう。
敷地の中央をはじめ、多くの場所に池や樹木など緑地帯を設けたほか、ジョギングコースやフィットネスセンター、カフェなど、仕事をする社員が心地よく過ごせる、大人のための新しいワーク型公園に仕上がっています。
テクノロジー界に変革をもたらし続け、私たちの行動様式さえも変えてきたAppleが次に目指すもの。それは、「オフィス空間の再定義」であり、それは私たちの働き方に影響をもたらすものであるといえるのではないでしょうか。
IoTの活用で利便性が高まるスマート・ビルディング
出典:freepik
ISSは、自分たちが管理しているおよそ25,000の世界中のビルに、IBMのWatsonを活用したIoTの新システムを導入しています。オフィスのドアや家具、窓など各所にセンサーを設置し、リアルタイムに社員の行動データを収集。機械学習のアルゴリズムを活用して「人がオフィスの中で施設設備をどう利用しているのか」の行動パターンを分析し、さまざまな企業にサービスを提供しています。利用企業は、英国のロールスロイス社や、スイスの大手製薬・バイオテクノロジー企業のノバルティス社など。
このシステムを導入することで、たとえば、「オフィスにいる人の数」ではなく、「実際にカフェテリアを利用している人の数」に合わせた食事の提供が可能になり、カフェテリアの運用効率も利用者にとっての利便性も高まりました。あるいは、利用状況をリアルタイムに反映した予約システムを実現することで、会議室利用の利便性が高まりました。

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Shivani Gopalkrishna
未来のオフィスは、単なる仕事場の域を超えた価値を提供する空間になるでしょう。閃きを生み、モチベーションを向上させ、一企業のコスト削減のみならず地球環境にも配慮された、「働くヒトのプラットフォーム」なのです。