1万kmリモートの記事2017.05.25
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私の肩の力を抜いてくれたフランス人のあるひと言
keyword: 1万kmリモート フランス 個人主義 居心地の良さ 楽しむ
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2017.05.25 文章 / 味志佳那子
ただ楽しむだけじゃない?
出典:Pexels
"Kanako, profiter bien!"
横にいた同居人に解説を頼むと「楽しんでという意味ではあるけど、ちょっと違うニュアンスが含まれている。日本語に直訳するのは難しい。」とのこと。学生時代、韓国語を勉強していた時にも日本語に訳しづらい言葉にたくさん出会いましたが、私はこうした言葉にこそその国らしさが詰まっていると思っているので、その場にいるフランス人も交えて"profiter bien"の解説をしてもらうことにしました。
利益ある時間を、“プロフィテビエン”
そうしてからまた辺りを見渡すと、ワインを片手に討論していたり、ベランダでひとりタバコを吹かしていたり、ソファでぼんやりテレビを見ていたりと、それぞれの時間を楽しむ人たちの姿が。何人かが集まる場所であってもやりたいことをやっているのが大前提。一人ひとりの意志にもとづいて楽しさを生み出している雰囲気が心地よく、新しい感覚だなと思ったのでした。
パリで働く同級生にも"profiter bien"について聞いてみると、パーティ中や旅行に行く人に向かって「楽しんで」という意味で使うことはもちろん、インターン採用が決まった人や課題に取組む人にも「(辛いことがあるかもしれないけど)このチャンスを満喫して」という意味で使うのだそう。
どんな出来事もチャンスであり、楽しかった気持ちを持ち帰れるかどうかは自分次第。一見突き放しているように見えても、実際に言われてみると「あぁそうか、私が楽しむんだよな」とスイッチが入るというか……背中を押される気持ちがするんです。
相手の意志を“察する”ことが美徳とされる日本では、自分の意志だけを押し通すことは難しいもの。特に集団行動ならなおさらです。でも「何か手伝った方がいいのでは?」「申し訳なくてなんとなく座っていられない……」なんて言う日本人に、きっとフランス人なら「君が手伝いたいならどうぞ」「腰でも痛めたの?それなら立っていたほうが良いかもね」と言う、かもしれません。

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味志佳那子
“楽しかった”という気持ちが自分の利益になる、言われてみれば当たり前のことなのですが、ついつい周りの状況を見て行動を決めてしまう性格もあって、ハッとさせられた瞬間でした。一人ひとりの心地良さを集めて楽しい時間が作られていく、日本語に訳しづらい素敵な言葉シリーズがまた増えました。
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