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雨音が心地よく遠ざかっていく本

出典:PARAFT

断片的なものの社会学の記事

めくれバ! : 1位 > 大したことのない日常に倦んだらぜひ!|断片的なものの社会学:r000017002938 | PARAFT [パラフト]

2017.06.20

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断片的なものの社会学の記事2017.06.20

人の語りを聞くということ

大したことのない日常に倦んだらぜひ!|断片的なものの社会学

keyword: 断片的なものの社会学 岸政彦 めくれバ 雨音が心地よく遠ざかる本 語り

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何度となく読み返す本、どんなときも手元に置いておきたい本、そんな存在の本、家に数冊ありませんか。こういった友達のような本に出会えること、私は少なくなりました。特に時間に追われる最近では、目先の実利になりそうな本、話題性のある本しか手にとらなくなっていたり。でも、この本は少し読んだだけで、久々に出会えた”友”であることを確信しました。新しい事実が書かれているわけでも、ドラマチックな展開があるわけでもないのに、何だか心を揺さぶられます。大したことのない自分の日常を、肯定できるような気がしてきます。手に取れば、あなたもきっとそばに置いておきたくなるはず。『断片的なものの社会学』(岸政彦著、朝日出版社、2015年』は、そんな希少な一冊です。【めくれバ!/雨音が心地よく遠ざかっていく本】

2017.06.20 文章 / 和田由紀恵

タイトルは固いのに、強烈な引力を持つ本

正直、社会学とは無縁に生きてきました。学生時代には小説を読み、社会人になってからはビジネス書を読む読書生活。社会学、縁遠いジャンルのはずなのに。
連休に、大型書店の人文・社会学の書棚付近をフラフラしていた私は、この本の静かな佇まいに惹かれて思わず手に取ってしまいました。本のタイトルは『断片的なものの社会学』と、固い表現でしかも社会学!手に取ったものの、目次をちょっと見て書棚に戻すつもりだった私。ページを繰ってみると、目次が何だか美しい!ちなみに目次はこんな感じです。

「目次
イントロダクション-分析されざるものたち
人生は、断片的なものが集まってできている
誰にも隠されていないが、誰の目にも触れない
土偶と植木鉢
物語の外から」(部分抜粋)
などなど……

試しにこの本の真ん中あたりを開いてみると

「ヤクザとなって逮捕され、そのまま異国の刑務所で十年を過ごす、ということがどのようなことなのかを、ときおり思い出しては考えている。この十年という時間の長さは、どのようにすれば理解できるだろうか。時間の長さを理解する、ということは、どういうことだろうか。

私たちは孤独である。脳の中では、私たちは特に孤独だ。どんなに愛し合っている恋人でも、どんなに仲の良い友人でも、脳の中までは遊びにきてくれない。」(本文より引用)
とありました。
しつこいようですが、この本は小説ではなく、社会学をタイトルに掲げる本なのです。にも関わらず、たった一文がこんなにも印象深いとは!?本の真ん中を少しだけ読んだだけで湧き上がる、読み進めたくなる衝動を抑えつつ、私は本を書棚に戻しました。それは”社会学”の本でしょ?と思ったから。部分的にとても美しかったとしても、やはり”社会学”は遠い存在のような気がして、私は一旦その場を離れました。そして、書店の中を歩き回りながら逡巡すること30分強。実際のところ、ソフトカバーの本書は特別に安いわけでもありません(定価1,560円です。)。他にも読みたい本があるし、読む時間は限られている!迷いつつも、最終的にこの本をレジへ持っていってしまったのは、書籍としての佇まいも文章も圧倒的に美しい、この本が持つ強烈な引力に抗えなかったためでした。

ひどい話に接して笑う自由

社会学者である著者は、沖縄・被差別部落・生活史をテーマに研究をしているそう。研究に必要な調査は、ある歴史的なできごとを体験した当事者個人の生活史の語りを、一人ずつ聞き取っていくスタイルをとっているとのこと。そんな蓄積された語りの中で、研究の本筋とは全く無縁なのに印象深い、無意味な”断片”のエピソードと、そこから派生して著者が思うことが、本書の中で淡々と綴られています。
”断片”のエピソードそのものは、元ヤクザの話だったり、路上ライブをやっている元タクシー運転手のおじいちゃんの語りだったり、大阪のおばちゃんが柴犬に約束を破ったことを叱ることだったりと、日常から非日常まで様々で、いずれも特にオチはなく、何か深い示唆が得られるようなものでもありません。でも、そのエピソードの語り口や著者が感じていることもひっくるめて読み進めると、それぞれのエピソードが拾い集めたキレイな小石のコレクションのように感じられてきます。

どの章にも、著者の温かな眼差しが感じられる印象深い記述があるのですが、とりわけ印象に残ったのは、「ひどい話を聞いて笑う癖が抜けない」(本文より引用)というクダリです。ひどい話、時には目も耳も覆いたくなるような話に接することは、時々あります。例えば、飲酒運転のドライバーに車をぶつけられて子どもを目の前で失った話とか、ひどい家庭内暴力の話とか。そんな話に接したとき、どう反応するのが本当なのか、私はいつも戸惑いながら深刻な表情を作ります。一種の仮面、ポーズとして。聞く用意はあるけれど、ひどい話が発する衝撃から自分の身を守るために。
著者は、こう綴っています。
「私は、他人が苦しんでいる話を聞いたとき、それがひどい話であるほど、安易に泣いたり怒ったりしたくない。だから、ひどい話を聞いて揺さぶられた感情が、出口を探して、笑いになって出てくるのかもしれない。-中略-どうしても逃れられない運命のただ中でふと漏らされる、不謹慎な笑いは、人間の自由というものの、ひとつの象徴的なあらわれである。そしてそういう自由は、被害者の苦しみのなかにも、抵抗する者の勇気ある闘いのなかにも存在する。」(本文より引用)
何が正解とか間違っているとかではなく、語られることにひたすら誠実であろうとする著者に、背中を押されるような気がしました。

無意味なことの蓄積が放つ美しさ。それを語らずにいられない著者。ドラマチックでもないし、教訓が得られるわけでもないけれど、綴られる無名の日常に向けられた温かな視線は、自分自身の存在の無意味さを肯定できる力を与えてくれます。古い友人に久しぶりに会って、特に大した成果もない日常を語り合って、お互いの存在を肯定する、そんなしみじみと温かい読後感のある一冊です。

『断片的なものの社会学』の書籍情報

書名:『断片的なものの社会学』
著者: 岸 政彦
初版発行: 2015/5/30
出版社: 朝日出版社
価格: 1,685円(税込)
サイズ: 18.8 x 13 cm
頁数:224ページ
ジャンル:エッセイ
読了目安: 2時間
ISBN: 978-4255008516

WRITER

編集者・ライター

和田由紀恵

心を静かに揺さぶる本。そうした本は、音もなく静かに積もる雪のように心に残ります。いずれ雪がとけても水となって染み込み、日常の何気ない瞬間に、ハッと記憶が呼び覚まされる。読んだことが自分の一部になっていることに気づく。『断片的なものの社会学』は、そんな得難い豊かな一冊です。

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