休む理由の記事2019.08.13
有給休暇取得の理由は必要?
有給休暇に理由は不要!転職活動に役立つ有休の基本と疑問の解決
keyword: 休む理由 転職活動 有給休暇 取得理由 時季変更権
1.理由がないと有給休暇は取れないのか?
2.代職者がいないから有給申請を会社から拒否された、違法では?
3.転職活動のために有休取得、嘘がバレたら罰せられる?
2019.08.13 文章 / PARAFT編集部
有給休暇を取る理由、本当は必要ない
→ 答えはNO
有給休暇は、6ヶ月勤務&出勤率が8割以上のすべての労働者が取得できる権利。この条件さえクリアしていれば、誰でも有給休暇を取れます。
【有給休暇を取るときに、言い訳は必要ない】
意外と知られていないのですが、有給休暇を取るときに「なんて言い訳するか」を考える必要はないのです。
過去に、最高裁は「年休自由利用の原則」を認めています。取得する休暇をどのように使うかは、使用者(=会社)の干渉を許さない労働者の自由だとされているのです。
【申請書類に「取得理由」があるのはなぜ?】
原則はそうなっているとはいえ、実際には申請書類に「取得理由」を詳しく書く欄があったり、上司からどこで何をするの聞かれたりする慣習が残る会社もあります。
どうして会社ごとに対応がバラバラなのでしょうか。
それは、労働基準法が定める基本ルールにのっとった上で有給休暇をいつ取得するのかは会社側が変更することができるからです。
【有給休暇の基本ルール】
・条件を満たす労働者には年次有給休暇を与えること
・理由によって休暇申請を拒否してはいけない
・ただし「事業の正常な運営を妨げる場合」には、会社が労働者に取得タイミングの変更を打診できる (※2で詳しく説明します)
【有給休暇のルールで注目すべきポイント】
注目したいのは2つ目の「理由によって休暇申請を拒否してはいけない」ですね。
理由を聞いてはいけないのではなく、理由によって休暇取得を許可するかどうか判断してはいけないのです。
なぜ理由によって許可を判断していけないのかというと、これも判例があります。
使用者(=会社)は労働者に正当に発生した休暇を取る権利を妨害してはいけません。
だから休暇の取得目的を冠婚葬祭や病気などに限ることは、労働者の年休取得の権利を萎縮させる行為なのです。(※判例:甲商事事件 東京地判平27.2.18)
もし取得理由欄が設けられていれば、「私用のため」と記入すれば十分です。
それでも業務上のリスクを考えて、例えば海外に旅行に行くなど、休みを取る目的をこちら側から周囲に伝えておくのはスマートですね。(あくまでも義務ではないことは、お忘れなく!)
2.代職者がいないからと休暇申請を拒否され、会社から代わりの日時を提案された。これって違法ですよね?
→ 答えはNO
前述の通り、「事業の正常な運営を妨げる場合」には会社側から労働者側へ休むタイミングを変えるよう打診する権利があり、これを時季変更権と呼びます。
例えば休暇申請した人が複数名いて、業務を代わりに担当してくれる従業員が見つからない場合などです。どうしても事業に支障が出るという判断のもと、労働者に休暇取得タイミングの変更を打診すること自体は違法ではありません。
【時季変更権のポイント】
ただし時季変更権を使うときには、会社側は労働者の希望する月日に休暇が取れるよう「配慮」したかどうかを問われます。
本当に代職者が見つからないのか、事業への影響がどれほどか詳しく検討せず、「忙しいのは君も分かるでしょ」といって休暇取得を却下するのはNGなのです。
有給休暇を嘘の理由で取得し、転職活動していたのがバレたらどうなる?
→ 答えはNO
年次有給休暇として与えられている範囲内であれば、どんな理由で休んだかを問われることはありませんから、面接へ受けたことを隠したからといって罰せられることはありません。
ただし、法律で罰せられなくても会社の規則によっては、噓がバレたときに処分される可能性があります。
有給休暇を利用するなら、なるべく嘘はつかず、「私用のため」とだけ申請しておくのがおすすめです。
【有給休暇の取得で人事評価が下がるのはNG】
なお、有給休暇を取得したからと人事評価を減点したり減給することは不利益取扱いの禁止として労働基準法でも禁じられています。
【 休暇制度で気を付けるべきこととは?】
ただし労働基準法で定められている「生理休暇」や、会社が独自に設けている「バースデー休暇」等のように、特定の目的のために設けられた休暇制度の場合には、目的と異なる理由で休んだことで罰せられる可能性は高まります。こうした休暇制度の悪用は、会社とあなたの信頼関係に関わることをしっかり意識しましょう。
有給休暇は嘘の理由をつかず申請し、周囲への配慮も欠かさないようにする
有給休暇を利用して転職活動をする際は、理由を正直に言うのは気が引けるもの。
かといって嘘をついて有給休暇を取得すれば、もしバレたときに就業規則により、処分される可能性もあります。
そのため有給休暇を取得して転職活動をするなら嘘はつかず、「私用」で押しとおすようにしましょう。それでも切り抜けられない場合は、「個人的なことなので……」などと濁してみるのも手です。そして、そこまで追求してくる会社はブラック。潔く転職しましょう!
▼ 休暇取得には信頼が大事
ここまで有休取得が“労働者の権利”だとご紹介してきましたが、「権利だから!」とやみくもに休暇を取ることはおすすめできません。
複数の人とチームになって働くわけですから、信頼関係は何より大事です。
繁忙期に休まなければならない事情があったり、代わりに業務を引き受けたことで負担がかかった経験がある人もいるかもしれませんが、自分が休暇を取るときには快く送り出してもらいたいもの。
相手が休暇を取る際にも「お互いさま」の気持ちで送り出せると、休暇を取得しやすい職場の雰囲気ができていくのではないでしょうか。
職場の人との信頼関係を築いていれば、転職活動中の有給休暇の取得もしやすくなりますよ。
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有給休暇の申請に理由が必要ないことは、基本知識でありながら意外と知られていないものです。転職活動等の私的な理由で取得するときには無理に隠そうとせず、職場との信頼関係も大切にしていきましょう。
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