21世紀のキャリア論の記事2017.09.12
想定外変化に立ち向かう術
変化の時代に合ったキャリア戦略を学ぼう|21世紀のキャリア論
keyword: 21世紀のキャリア論 高橋俊介 めくれば ちょっと差がつく読書の秋 変化の時代
2017.09.12 文章 / 平田浩司
21世紀型のキャリア形成でないと危ない!
20世紀のキャリアと、21世紀のキャリアはどんな違いがあるのでしょうか。それは20世紀にはビジネス環境に大きな変化があまりなかったのに対して、21世紀には想定外の変化が次々と襲ってきているという点にあります。
かつては就職後、同じ会社の上司や先輩が歩んだ道を、自分もそのまま追従していけばエラくなっていくことができました。ネット化の波も、グローバル化の波もまだ来ていなかったので、ビジネス環境に変化はあまりなく、だからこそ、先輩たちと同じように与えられた仕事に励んでいれば、キャリアを形成することができたのです。このため20世紀型のキャリア形成は「山登り」にたとえられることがありました。めざす方向がはっきり固まっていて、ステップアップしていく道筋も定まっていたからです。
ところが21世紀に入り、日本にもネット化、グローバル化の波が一気にやってきました。さらに人工知能などの新しい波も迫ってきています。これらの変化の波に敏速に対応していかないと、あっという間にライバルに仕事を持っていかれ、会社倒産やリストラの憂き目にあいます。上司や先輩と同じことをしていたら危ないかもしれません。新しい変化に迅速に対応していくことが重要で、このため21世紀型のキャリア形成は、激流でうまくかじ取りする「激流下り」にたとえられることも出てきています。
本書『21世紀のキャリア論』はこうした取り巻くビジネス環境の変化をおさえ、どのようにビジネスの実力をつけていくべきかを考えさせてくれる良書です。読みこめば、あなたの頭のなかに刷りこまれているかもしれない古いキャリア論を払しょくすることができると思います。しっかり21世紀型の思考回路に切り替えていきましょう。
専門分野を深めるときの注意点とは
これは高橋さんも指摘しているのですが、とても大変な時代ということです。何しろ、20世紀とちがって、21世紀には担当する専門分野がどんどん変わっていく可能性があります。ひとつの狭い専門分野を深く掘り下げろといわれても、もしその専門分野が時代遅れになってしまったら、深く掘り下げた専門能力が役に立たなくなるのです。これでは掘り下げるモチベーションが上がりません。
この事態にどう対応していけばいいのか。くわしくは本書を読んでいただきたいわけなのですが、しっかりした専門分野の学び方を身につけることが大切なようです。専門分野をうわべだけ学んでいるようでは、変化に対応して新しい専門分野を担当するようになったとき、また最初から学習するしかありません。けれども、どんな領域でも自分でよく理解して制覇していれば、ほかの専門分野でも共通する部分を見出し、前職を生かして深めていけるというのです。
このあたりの指摘は、正直言って、本書をよく読みこまなければ理解しにくいかもしれません。じっくりと向き合うことをおすすめしたいです。
本書を読めば、最近のキャリア論の本や自己啓発本を読むときの基本的な目線を養うことができると思います。時間はとられますが、読むだけの価値はありますので、ぜひ読破し、21世紀の目線を自分のものにしていっていただきたいと思います。
『21世紀のキャリア論』の書籍情報
著者:高橋俊介
初版発行:2012/4/13
出版社:東洋経済新報社
価格:2,700円(税込)
サイズ:単行本
頁数:260ページ
ジャンル:自己啓発
読了目安:10時間
ISBN:978-4492533116
WRITER

編集者・ライター
平田浩司
現在、大学などではいまだに上述の「山登り」を前提にしたキャリア論を教えているところもあります。もちろん20世紀型のキャリア論が変わらず通用する部分もありますが、時代が大きく変わってきていることを認識し、自分なりに時代にマッチしたキャリア戦略を編み出していきましょう。
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