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出典:PARAFT

キャリアの記事

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2017.09.14

キャリアの記事2017.09.14

それぞれの成長の仕方

「誰かと自分を比べる生き方」は 自分を成長させるのか?

keyword: キャリア 黒田真行 成長 相対 絶対

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同期の中でトップを目指すことにモチベーションを感じ、意欲を燃やす人がいる一方で、仕事を通じて自分の得意なことが磨かれていくことに喜びを感じる人もいます。仕事をするモチベーションを何に感じるかは、人それぞれ。それに伴い、キャリアにおける成長の仕方も人それぞれです。ミドル層の転職を支援する、ルーセントドアーズ代表の黒田さんに、キャリアにおける成長の軸について伺いました。

2017.09.14 文章 / 黒田真行

「同期のライバルに負けたくない」「ナンバー1を目指したい」

仕事のモチベーションはどこからやってくるのか?
もちろん、それは人それぞれ異なります。同じ人でも、タイミングや置かれた状況で変わることもあります。
しかし「何のために働くのか?」「仕事を頑張ろうと思えるエネルギーの源泉は何なのか?」
という考え方には“その人らしさ”がもっとも現れるので、キャリア相談などの冒頭にインタビューする際には、その人を理解するためにいつも必ず聞くようにしています。

若くても会社から評価されている人、周囲より突出した成果を上げている人に多いような気がするのですが、

「同期のライバルには絶対に負けたくない」
「部署で一番の業績を生み出してMVPを獲りたい」・・・

というように“同世代との比較”をエネルギーにするモチベーション型が一定数存在します。
努力をして金メダルを目指すスポーツのような健全な競争心で、これによって成長が促進されているという人は意外と多いのではないかと思います。
健全な競争心で、自分が鼓舞され、成長できることはとても素晴らしいことだと思います。

一方で、「同期が自分より高い業績を出してMVPが取れなかった」とか「デキる同僚がまた大きな成果を出して上司から褒められていた」「1年下の後輩が自分より先に主任に昇格した」という悪循環に入ってしまうと、自信喪失と自己否定で、底知れない落ち込みや不安に巻き取られてしまう人もいます。

誰かと競い合うモチベーションは、自分が成長するためのモノサシとしては有効そうですが、モノサシの使い方によっては逆に自信喪失につながるリスクがあるということかもしれません。
ただ、どうしても何かと比べることでリアルに目標を感じ取りたいという場合は、他者との比較ではなく、過去の自分自身と競い合うという方法もあります。
「昨日の自分をいかに超えるか」というテーマと戦っているぶんには、あからさまな勝ち負けで一喜一憂することもありません。

「学歴が高いヤツより稼ぎたい」「厳しかった先輩を見返してやりたい」

誰かと比較する、勝ち負けで判断する、という方法ではあるのですが、さらにそこに自分のコンプレックスや過去に感じた怒りを載せて、マグマのように激しくモチベーションを駆り立てるという人もいます。

「学歴がないことでなめられたくない。だから誰よりも目立つことがしたい」
「新人時代にしごかれた先輩を見返してやりたい」・・・

なんらかのハンディキャップを背負っているという自覚が強く、そこからくるコンプレックスを燃料に一心不乱に何かに打ち込んで成長をしていくパターンです。
私自身、求人メディアの編集長の仕事を20年近くやってきたおかげで、経営者インタビューという形式でこれまで1000人を超える経営者にインタビューをしてきましたが、好業績を挙げて成長する中小企業やベンチャー企業の社長に意外に多かったのがこのタイプでした。

劣等感や怒りという生々しい思いが乗っかっているので、超高温のエネルギーが出ることと、中途半端なことでは消えない粘着性、持続性があるのが特徴かもしれません。
燃料としての効率は高いのですが、あえて課題があるとすると、手段としてのモチベーション燃料というより、負の解消への挑戦そのものが目的になってしまうリスクや、怒りや憎しみを抱き続けることで、モノの見方に偏りが生まれやすいという弱点があります。

マイナスの感情はうまく制御しながら利用すると効率はいいのですが、制御できずに暴走すると、常に憎しみや怒りに常に支配された人生になってしまうこともあります。

ただ、そのカタルシスはとても引力が強いものでもあり、人それぞれの志向性によるので、
コンプレックス起点のモチベーションは絶対避けたほうがいいというつもりはありません。
自分にフィットするのであれば、十分に「あり」だと思います。

自分にしかできない価値を磨く絶対軸の強さについて

社会人をスタートしたばかりのタイミングや、経験や知識が足りない時代に、心の中のライバルや、ひっくり返したいコンプレックスを持つことはとても自然なことだと思います。相対的な目標を持つことでモノサシが明確、リアルになり、励みになることも多いと思います。

ただ、仕事人生は長いので、どこかのタイミングで、相対軸から絶対軸(自分の中で決めた単独の目標)に切り替えていくのも、自然な流れなのかもしれません。
自分ならではの絶対軸を持つことで、「急にライバルがいなくなって、目標を失って失速する」というように周囲の環境に揺さぶられない状況はできると思います。
目の前に比較できるモノサシがあるわけではないので、孤独ではありますが、だからこそ自分に強くなれるというメリットもあります。

できれば自分の長所を生かし、それを伸ばし、磨き上げることに軸を設定できる人は、伸び伸びと自由に成長をしていけるようです。
自分の持ち味を生かし、誰かに必要とされる機会を増やしていくことで、自信も再生産されてふくらんでいきます。

成長の仕方は人それぞれ。どんな山をどんなペースで登るかを決めるのも自分自身。果てしなく自由です。他の誰とも違う自分の中のオリジナルな能力を磨いていくことを目指していただければと思います。

WRITER

ルーセントドアーズ株式会社 代表取締役

黒田真行

ルーセントドアーズ株式会社・代表取締役。求人非公開企業の経営者12, 000人に「経験・スキル」を人工知能を活用して直接打診することで、転職サイトでは見つからない出会いを広げる転職支援サービスを運営。

 ▶ 職歴打診型の転職支援サービス「Career Release40

<略歴>1965年 兵庫県出身。1989年株式会社リクルート入社。 2006年~2013年まで転職サイト「リクナビNEXT」編集長。 2013年 リクルートドクターズキャリア取締役・リクルートエージェント企画責任者などを歴任。
近著:『転職に向いている人 転職してはいけない人』(日本経済新聞出版社)

[他の連載]
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