学童説明会の記事2017.12.26
学童で過ごす日常とは
入所前個人面談から始まる学童の世界
小1の壁、やってます。/目次 はコチラ
2017.12.26 文章 / 和田由紀恵
学童の初めは、個人面談から
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▼ いざ聞かれるとうまく答えられない「うちの子ってどんな子? 」
面談の冒頭に、子ども本人の個性について聞かれました。具体的には、どんな遊び(体を動かす/屋内で手先を使う、など)が好きなのか、どんな性格か、アレルギーはどうかなど、けっこう細かいことにまで及びます。我が子のことはわかっているつもりでしたが、改めて聞かれると「外で遊ぶのが好きで、あっ、でも部屋の中で細かい工作も得意で……」という、何とも微妙な回答をしてしまいました。きちんと把握できているパパ・ママは多いと思いますが、この機会に「うちの子ってどんな子? 」というテーマについて、夫婦ですりあわせておくのもいいかもしれません。
▼ 面談で初めて知った「重要な事実」
和やかな面談の中で、突然知った衝撃の事実。それは「通常の学童では中抜けができない」ということです。「中抜け」とは、下校して学童に来た子どもが、ランドセルを置いて習い事に行き、終わると学童に戻って、親のお迎えもしくは帰宅時間まで待機することを言います。
「そんなこと、学童申込のための手引きにはどこにも書いてなかったよ……」と思いつつも、この学童だけは中抜けも可としていると聞いて、まずは胸をなで下ろしました。
仮に中抜けができないとなれば、我が家はどうなるのでしょうか。平日週2日ある習い事には、私の帰宅時間(18時頃)にちょうど習い事が終わるように、時間を見計らって通うことになります。ランドセルなど全ての荷物を持って移動することになり、習い事が早く終わっても、保育園に通う妹を連れて迎えに来る私を、じっと待っていなければなりません。秋~冬の季節には、すっかりあたりが暗くなる中を子ども一人で歩かせる、というかなり不安な事態になります。そうかと言って、鍵を持たせて家で留守番をさせるのも心配です。実際、他の学童に決まったママ友は、習い事の時間調整に苦労しているようでした。
習い事にどう対処するか検討する時間があれば、地域の大人の手を借りるなど、何らかの解決策を練ることもできるはず。「中抜けができるかどうか」は、学童の申込時に確認しておきたい重要なポイントです。
学童生活ってどんなもの
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ほぼ毎月のように、何かしらイベントが企画されています。大きな行事では、夏休みの合宿や遠足、ハロウィーン、クリスマス会などがあります。その他、クッキングが定期的に開催されたり、3時のおやつに駄菓子屋さんコーナーが出てみたりと、さまざまな工夫が凝らされています。「子どもたちが学童での生活に魅力を感じられるように」という運営する指導員の方々の思いがにじんでいます。
▼ みんなが毎日登所してくるわけではない
我が家は週5日の利用が前提ですが、全員が毎日来るわけではありません。週2日は民間学童に行く子や、親の都合がつくのでこの曜日だけは自宅へ帰るという子も。ある曜日だけは学校の校庭開放で過ごす子もいます。また、習い事に行くからと中抜けしたり、早めに習い事に行ってそのまま自宅に帰る子もいます。つまりは毎日同じ子と遊ぶ環境ではなく、その日のメンバーによって遊びも変わったり、上級生グループに混ぜてもらったりすることになります。子どもにとっては、こうした環境に慣れるまでに、多少ストレスがかかるかもしれません。
▼ お迎えは必ずするものではない
それぞれの学童によってルールは違うでしょうが、息子が通う学童では「18時までの帰宅は子どもだけでも可」としています。保育園のように「必ず大人がお迎えに行く」必要はありません。高学年や中高生の兄姉が、弟妹を迎えに来る姿も見受けられます。息子は「一人で帰宅」に憧れている様子。一人でお留守番するのはイヤなのに「一人で帰ってみたい」と言うようになりました。
▼ 学校が休校でも、学童は受け入れてくれる
インフルエンザ流行で学級閉鎖、台風が直撃で休校……。当日に突然、休みとなることもあるのが、小学校です。本人が元気でも、大人が送り迎えできても、休校となれば学校に行くわけにはいきません。ところが学童では、「休校だと連絡してもらえれば、朝から開所して子どもたちを受け入れますよ」とのこと。もちろん状況によっては開所できない場合もあるでしょうが、学校がお休みでも子どもを受け入れてくれるという学童の体制は、本当に心強いものです。(※息子が通う学童の場合)
▼ 地域の小学校と連携している
学童に在籍する子どもたちは、学区を越えて集まっています。息子が通う学童では、隣り合う3つの小学校から子どもたちが通っており、子どもたちを安全に育成するために、学童ではそれぞれの小学校と密に連携をとっています。学校公開(授業参観)や運動会などの学校行事では、学童の職員が手分けして子どもたちの様子を見に来ています。行事や時程といった学校からの情報も把握できているので、子どもの安全管理も万全です。「あれ、この時間にはあの子は学童に来るはずなのに……」ということがあれば、学校に直接問い合わせして、来ない子どもの安否確認をしています。こうした細かい配慮が、子どもたちが安全に過ごす土台となっているようです。
児童館併設の学童のメリット・デメリット
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児童館の行事には学童の子どもたちも参加できるので、参加できる行事は倍増します。1年生の子どもたちに向けたプログラムや、夏祭り、クリスマスなどの季節イベント、折り紙教室・工作教室・クッキングに映画上映など、さまざまなプログラムがあります。「これだけ行事があると、参加するのがちょっと億劫になったりしないのかな」とコッソリ思っていた私ですが、実際に参加する息子をみていると、そんなことは全くないようです。気に入ったプログラムを何日も前から楽しみにしていて、参加するために宿題を早めに仕上げるなど、良い循環になっているようです。
▼ 「自由来館」のお友達とも遊べる
「自由来館」とは、学童などに通わない子どもが、下校後いったん帰宅してから児童館に遊びに来ることを言います。私たち大人が子どもだった頃に比べ、子どもたちだけで自由に遊べる場所は、今はほとんどありません。児童公園が随所に整備されているものの、子どもの誘拐やトラブルを恐れ、大人の目が届かないところで子どもを遊ばせる親は少なくなりました。そんな環境の今、児童館は子どもがのびのびと遊べる貴重な場所なのです。
安全に遊べる場所を求めてやって来る、帰宅組のクラスメイトとも遊べるのが、児童館学童のメリットです。ただし、そこには思わぬ落とし穴も。「自由来館」の子どもたちは、好きな時間に好きなように遊んで暗くなる前に帰ります。自宅からお菓子やおもちゃを持ってきて、友だちと一緒に楽しむこともあります。そんな彼らに比べ、「学童」の子どもはある程度動きが決められていて、自宅から好きなものを持ってくることもできません。おやつも学童が用意したものを食べます。友だちが楽しそうに遊ぶ横で、「宿題をする時間だから、宿題してくるね」と言わなければならない場面もあります。
「僕も自由来館、やりたいな」と思いながら、学童の子どもたちは今日も健気にがんばっています。

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学童で過ごす日常とは
WRITER
編集者・ライター
和田由紀恵
専業主婦の家庭に育った私にとって、学童保育がどんなところなのか、全く未知の世界でした。「学童」と一口に言っても、勉強に注力していたり、本格的なプログラムが充実していたりするところもあれば、地域の指導員が見守る家庭の延長のようなところもあります。いずれにしても、学校以外に子どもの居場所があるというのは、本当にありがたいもの! 親や先生以外の大人が子どものことをよく知っていてくれる、というのは、親にとって本当に心強いものです。みなさんも、学童保育と良い出会いがありますように。