イクメンの記事2018.02.01
もし妻が育休後に復帰したら
子育てを始めた夫が知っておきたい大切なこと【育休後】
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2018.02.01 文章 / PARAFT編集部
子どもが生まれたら父親になる覚悟を持って
子どもが生まれたら、男性はどんなことを心がけるのが望ましいでしょうか。パパたちにアドバイスをお願いします。
男性の皆さんには、父親になる覚悟を持ってほしいですね。父親になる覚悟というのは、働き方を変える覚悟のことです。
女性は子どもがお腹の中にいることを認識した時点で、本能的に働き方を変えます。
たとえば混雑を避けるために通勤時間をずらしたり、立ち仕事を座り仕事に変えてもらったり、重いものを持つ仕事から外してもらったり、それから着るものも変わりますよね。普通のビジネスの服ではなくて、ちょっとお腹がゆったりした服にしたり、マタニティー制服がある会社だったらそれに変えたりします。それからハイヒールを履くのをやめて、ローヒールに変えますね。
お母さんは誰に言われることもなく、何を調べるわけでもなく、妊娠イコール働き方を変える、ということでつながっているんですよ。だから女性に働き方を変えるということを意識してもらう必要はないのです。
ところがお父さんは自分の体に直接関係してこないから、パートナーが妊娠していても、切迫流産があったり、世話が必要な上の子がいたりしない限り、変わるきっかけがないのです。
▼ 妻の職場復帰のタイミングで変える
妻が出産した後にお休みを取る男性も増えていますが、それは結構、期間限定で、自分の職場に復帰したら元の働き方に戻ってしまう人が少なくないです。そうではなくて、子育てをしている期間中は、まずお父さんも働き方を変えなければいけないという覚悟をしてほしいです。それは妻が専業主婦であっても同じです。
妻が働いている人の場合は、妻が育休から復帰するときが重要です。そこから共働きの子育て生活が始まるので、そのタイミングで働き方を変える。もちろん早い人は妻が妊娠中から変わっているはずですけど、遅い人でもパートナーが育休から復帰するタイミングからは変えてほしいですね。
パパが呼び出し電話を受けるのが理想的
具体的にどう変えていけばいいのでしょうか。
まず保育園の送り迎えを分担することですね。1日のうちで送りか迎えか、どちらかをお父さんにもやってほしい。もしくは両方をできるようにしてほしいですね。
それから、保育園からの呼び出し対応も、できれば妻と半々にしてほしいのだけれど、どちらが保育園に近いかという問題もあるので、必ずしも半々にしなくてもいいのです。たとえば、連絡を受けても自分では迎えにいけないという人は、じゃあ電話はまず受ける。実際にお迎えに行くのはママなのだけれど、電話はパパのところにかかってくる。そういうふうにしたらどうでしょうか。
そのことで何がいいかというと、まず呼び出し電話というものがどれだけ頻繁にかかってくるかということがよくわかります。それに、少なくともお母さんは、呼び出し電話の恐怖におびえなくていいということですよね。
お父さんが、呼び出し電話を受けてすぐに帰れなかったとしても、もし明日も子どもが保育園に行けなかった場合には、明日はお母さんと交代して自分が休む。呼び出し電話を受けていれば、その手はずができるわけです。だれか同僚に仕事を代わってもらうなど、明日の準備を整えてから帰れます。そのことを妻に言えば、妻は翌日には安心して仕事に戻れます。
▼ 子どもに何かあったら交代で休む
あとは、子どもが何日か連続で熱を出したり、伝染病で休んだりするときに、妻と交代で休んでほしいです。妻ひとりで休んでいると、有給休暇がなくなってしまいますので、ふたりのスケジュールを付き合わせて、休めるほうが休むようにしてほしいと思います。
夫婦で半日ずつ休んで、午前と午後で分担し合うという人もいます。「子の看護休暇」という法律で定められた休暇も半日単位で使えます。
妻が両立を続けるための夫の役割として大事なのは、妻の仕事の時間を確保すること、妻が会社を休む回数を減らすことにできるだけ協力することです。そのために、男性も働き方を変える覚悟をしてほしいですね。
夜の育児も分担し、ときには妻を解放する
夫も働き方を変えていかないと、妻の負担がとても大きくなりますからね。
特に子どもが小さいときは、夜が大変なんです。保育園にお迎えに行って家に帰って、それからご飯を用意して食べさせて、お風呂に入れて寝かせる。そこまでを、だいたい3~4時間でしないといけないわけですよね。
まだ小さくて、言って聞かせることができない子は、たとえば機嫌が悪いとずっと泣いていることがあります。それでも置いておいて家事をしなければいけない。ご飯も食べさせなければいけない。お風呂にも入れなければいけない。そうなると、もう絶望的な気持ちになるんです。
だから、そこを妻ひとりに任せない。夜の育児をワンオペ(ひとりだけですべての仕事をまわす状態)にしないということを、ぜひお願いしたいです。
お迎えに間に合うように帰れなくても、たとえば毎日7時半とか8時とかに帰ってくるようにしてくれれば、お風呂に入れることはできるじゃないですか。ぜひ夜の育児・家事をふたりでやってほしいと思います。
もしどうしてもワンオペになってしまうというご家庭だったら、1週間で勤務が5日あるうちの、1日か2日だけ自分がワンオペをやって、妻を解放する。どっちでもいいですよ。毎日ふたりでやるのもいいし、1週間のうち、日を分けてワンオペでやりきるということでもいいと思います。
▼ お父さんも帰る時間を決めて働こう
もしかしたら毎日、きょうは何時に帰ると決めて仕事をしているお父さんはあまりいないのではないでしょうか。私自身も、子どもが生まれる前は、きょうは何時に帰ると決めて仕事をしたことはほとんどありませんでした。けれども、子どもが生まれて保育園にお迎えに行くということになったとたんに、毎日絶対にこの時間に帰らなければいけないという前提で仕事をせざるを得ないわけですよね。それをぜひ男性にもやってもらいたいです。
決まった時間に帰るようにすると相当、仕事の効率が上がります。少なくとも、朝会社でとりあえずゆったりとコーヒーを飲みながら新聞でも読もうかという仕事のしかたではなくなります。
育休から復帰した直後のゼロ歳児や1歳児くらいのときには、毎日規則正しい生活をするのが子どもにとって大事なので、親も合わせていかないといけないのですよね。それでママは時間に縛られた毎日になるわけですけど、パパも一緒に時間を守るということをやってくれると、すごくありがたいと思います。

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編集部チーム
PARAFT編集部
保育園からの呼び出し電話をお父さんが受けるという山口さんの提案は、実践的でなるほどと思いました。自分で受ければ、少なくとも保育園への対応を奥さんに任せきりにせず、ジブンゴト(自分の問題)にして考えられますね。いろんな工夫を採り入れて、パートナーの過度の負担をなくしていきましょう。
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