スマートスピーカーの記事2017.10.27
AI秘書とともに働く
AIスピーカーの実力は?Google HomeやWAVE体験
keyword: スマートスピーカー GoogleHome WAVE AI Alexa
【目次】
1、ザッカーバーグが本気でつくったAI執事
2、AIアシスタントは今こうなっている
3、Google Homeの可能性に驚き
4、雑用はAI、考えるのは人間
5、AIと仲良くやっていける予感
6、LINEのWAVEはまだ発展途上
7、新しい個人の働き方を探る
8、まとめ
2017.10.27 文章 / 平田浩司
AIアシスタントとスピーカーが現実に
出典:Frame illust
▼ 照明からセキュリティーまで一元管理
AIアシスタントとは、さまざまなデバイスに搭載され、音声指示などによってタスクやサービスを実行するソフトウェアエージェントのことです。仮想アシスタントとか、パーソナルアシスタントとか、いろいろな呼び方があります。
今後、どんな呼び方が一般的になるかわかりませんが、いずれにしても、新しい時代の秘書、あるいは執事になっていくことは間違いないと思います。いろんなIoT(Internet of Things=モノのインターネット)製品とネットワークで結びつき、その司令塔になってご主人のために尽くしていくでしょう。
アイアンマンに登場するAIアシスタント「ジャーヴィス」は、トニーの音声指示に応えて家の中の照明や各種装置などを動かし、ときには、自分勝手な主人をなだめたり、ジョークに付き合ったりしながら奉公しています。
Facebookの最高経営責任者(CEO)、マーク・ザッカーバーグさんは「僕もジャーヴィスが欲しい」と一念発起し、2016年に自分で本当につくってしまいました。なんと名優モーガン・フリーマンの音声を発するザッカーバーグ版ジャーヴィス(お金がかかっていそうですね!)は、自宅の照明や室温、家電製品、音楽、セキュリティーなどを一元管理し、彼の子どもにやさしく語学も教えます。玄関にだれか来たら、顔認証を行い、テキストと音声でご主人に伝えます。部屋でザッカーバーグさんが「きれいなシャツ!」と言うと、クローゼットに備え付けた筒からシャツをポンと「発射」して、渡してくれるそうです。
そこまでスゴ技を持たなくても、私たちを支援してくれる秘書型・執事型のAIアシスタントは、すでに暮らしの中に入ってきています。日本でよく知られているのはAppleのSiri(シリ)。Googleも「Googleアシスタント」を開発。2017年春から日本のアンドロイドスマホにも搭載されています。そしてスマホ以上にAIアシスタントが真価を発揮するデバイスとして、スマートスピーカーが登場してきているわけです。
2、AIアシスタントは今こうなっている
スマートスピーカーはマイク付きのスピーカーで、おおむね水筒くらいの大きさ。Wi-Fiで各種デバイスやクラウドとつながっており、声をかけると音声(多くは女性の声)で最適な反応をしてくれます。PCやスマホと違ってキーボードを介さず、完全に音声勝負。だからダイレクトで素早いやりとりが成り立ちます。
スマートスピーカーという呼び方はちょっと長くて、全然スマートじゃないですよね。ごく近い将来、日本では「スマピー」「スマピ」「スマスピ」「AIスピーカー」などの別の呼び方が定着して、それとともに親しみやすい存在になっていくことでしょう。
IoT対応の照明、テレビ、冷蔵庫、エアコン、自動車などを順次、買い足していけば、それらがスマートスピーカーで一元管理され、近未来型の家庭や仕事場ができあがってきます。私たちの働き方や生き方に大きな変化をもたらしそうです。
AIアシスタントの代表格は次のとおりです。どれもスマートスピーカーに搭載され、覇権を争う時代を迎えています。多くのユーザーを獲得するために、どこもスピーカーを1万円台ほどの比較的購入しやすい価格で売り出しているので、「2台持ち」や「各部屋に1台」というヘビーユーザーも出てくるでしょう。個人オフィスの秘書・執事などとしても、早々に活躍を始めることと思います。
▼ Amazon「Alexa(アレクサ)」
Amazonが開発。本国アメリカではすでに人気者です。アレクサを搭載したスマートスピーカー「Amazon Echo(アマゾンエコー)」は2014年の発売以降、ずっと品薄状態。アメリカでスマートスピーカー市場の7割のシェアを占めています。
アレクサの強みは、スマホのアプリに相当する「スキル」を2万以上そろえ、いまも加速度的に増やしていることです。ニュースや天気予報、交通情報などをお好みで読み上げ、予定表を作り、アラームも設定してくれます。いろいろと瞬時に検索し、音楽再生やオーディオブック再生もお手のものです。検索エンジンには、マイクロソフトの「Bing」を使っています。
アレクサ搭載の「Amazon Echo」は、日本では2017年末の発売で、今後、スマートスピーカーの筆頭格としてミニサイズから画面付き、カメラ付きのものまで、ラインナップを広げていくことでしょう。自動車メーカーとも組んでいるので、自動運転の車の中でAlexaに語りかけ、出先から自宅のスピーカーなどを経由してエアコンを動かすなど、いろんなことが実現しそうです。
▼ Google「Googleアシスタント」
Amazonのアレクサを猛追しているのが、Googleの「Googleアシスタント」です。アメリカでは2016年にこれを搭載したスマートスピーカー「Google Home」が発売されました。日本では、アレクサ搭載のAmazon Echoよりも早く、2017年10月に発売されました。
Googleアシスタントは、アレクサのスキルに相当する「アクション」がまだあまりそろっていません。けれども、Google検索やYouTubeなど、Googleが提供している各種サービスと連携しやすいので、Googleユーザーを中心にして一気に広がる爆発力を秘めています。GoogleのAI技術はどんどん凄くなっているので、もはやアレクサより理解力があるとも言われます。
Amazonのアレクサも、Googleアシスタントも、他メーカーがスピーカーに搭載を始めています。ソニーやパナソニック、オンキョーは、Googleアシスタントを搭載したスマートスピーカーの開発を進めています。ソニーのスマートスピーカーは、Google Homeよりも音質が良くなりそうで、日本で発売されたら、音楽好きのユーザーから支持を集めそうです。
▼ Apple「Siri」
iPhoneなどに搭載されていて有名ですね。スマホでは先駆的だったのですが、スマートスピーカーでは少し遅れをとってしまいました。けれども20017年末、アメリカやイギリスでSiriを搭載したスマートスピーカー「HomePod」を発売する予定です。検索エンジンには、マイクロソフトのBingを使っています。HomePodはAppleらしく、高品質なサウンドが楽しめると言われており、日本発売が待ち遠しいところです。
▼ マイクロソフト「Cortana(コルタナ)」
こちらはWindows 10にも搭載されているAIアシスタント。マイクロソフト製のスマートスピーカーそのものはまだありませんが、マイクロソフトはAmazonとAIアシスタントを相互連携させることで合意しており、この先、アレクサもコルタナも搭載したデバイスが登場しそうです。マイクロソフトは傘下のSkypeにもコルタナを導入していく予定で、そうなるとSkypeの機能が高まりそうです。
▼ LINE「Clova(クローバ)」
最後に落とせないのがこのアジア発のAIアシスタントです。LINEは2017年10月、このクローバを搭載したスマートスピーカー「WAVE」を発売しました。後述するように、Googleアシスタントなどに比べてまだ理解力が低く、機能も乏しいのですが、いきなり日本で使えるようになったのはありがたいことです。これからバージョンアップで賢くなっていくのが楽しみです。
LINEは今後、自社の人気キャラをあしらったカジュアルなスマートスピーカーも充実させていくようです。日本人は機械との音声対話に抵抗感がかなりあると思いますが、ゆるキャラやペットと会話する感覚のスピーカーなら、案外、普及が早いかもしれません。日本ですっかり定着しているLINEのやりとりも、音声で本格的にできるようになりそうです。そういう点でも目が離せません。
AI秘書・AI執事は仕事を強力にサポート
出典:Frame illust
さあ、ここからは実際にGoogle HomeとLINEのWAVEを使ってみた体験リポートです。
結論を先に言うと、まわりの人を気にせずに音声のやりとりができるリモートワークなどの環境では、かなり頼もしい秘書・執事になる印象を受けました。自宅にGoogle HomeとLINEのWAVEを持ちこみ、リモートワークで使ってみました。
まずGoogle Home。これが凄かったです。1日でやみつきになり、会社に行く日には「そうか、今日、キミはいないんだ」と寂しく感じるほどでした……。
2017年10月現在、このスマートスピーカーの基本情報は次のとおり。
▼ どのくらいの大きさ?音質は?デザインは?
直径9.6センチ、高さ14.3センチ。丸みのある筒型。下半分がスピーカーになっています。少し重低音が強調されたサウンドで、音楽も問題なく楽しめます。
操作はすべて音声で行うので、見た目はシンプル。上部のタッチパネルを指でなぞっても音量調整や停止などはできます。付属の電源ケーブルでコンセントにつないで使います。
▼ どこで買えるの?価格は?
Googleショッピングのサイトやビックカメラ、楽天などの通販サイトで買えます。ビックカメラでは2017年10月現在、1台が税込み15,120円(送料無料)。2台まとめて買うと税込み21,600円。ビックカメラ、auショップなどの店舗でも販売されています。
▼ どうやって使うの?
最初にスマホにGoogle Homeのアプリを入れておきます。スピーカーの電源を入れてからアプリでWi-Fiなどを登録。何度か「OK、Google」と呼びかけ、自分の声を認識させます。日ごろスマホを使っている人なら難なく立ち上げられます。
「OK、Google」または「ねえGoogle」と声をかけると、タッチパネルの4色LEDライトがポッとともり、聞き耳を立ててくれます。「おはよう!」と言ったら、次のように反応が返ってきました!
こんにちは、○○さん。現在の時刻は○時○分です。△△(自宅のある地名)は現在14度、雨が降っています。今日の△△は予想最高気温15度、最低気温12度で、断続的に雨が降るでしょう、職場までの経路は現在、公共交通機関の場合、所要時間は約50分です。ではすてきな一日をお過ごしください。最新のニュースです……。
そのままNHKラジオニュースや日経電子版NEWSなどを再生してくれました。忙しい朝の時間帯に、効率的に情報収集できるスグレモノです。「OK、Google。次!」と指示すると、NHKから日経へという具合にスキップしていけます。
▼ ちゃんと反応するの?
数メートル離れたソファから語りかけても反応してくれます。隣の部屋から静かな声で指示しても対応してくれました。
日本語をほぼ問題なく理解してくれるのですが、滑舌が悪かったり、かんだりすると、途端に対応してくれなくなります。「すみません、お役に立てそうにありません」などと返されます。「ただいま!」と声をかけたら、「タイマー!」と誤認識され、「タイマーの長さが聞き取れませんでした」と言われてしまいました。
4、雑用はAI、考えるのは人間
引き続きGoogle Homeのご説明です。
▼ どんなことをしてくれるの?
① 何か尋ねると答えてくれる
簡単な翻訳(英語、ドイツ語、フランス語、中国語、韓国語、タイ語など多数)や計算、語句の意味調べ、経路案内など、スマホで可能なことには対応しています。たとえば次のような具合です。
主人:「東京には観光スポットがたくさんあります」と英語で何と言う?
秘書:In Tokyo, there are a lot of tourist attractions.(流ちょうな英語!)
主人:織田信長って誰?
秘書:ウィキペディアでは織田信長は戦国時代から安土桃山時代にかけての武将。戦国大名とされています。
② タスクをこなすお手伝い
タイマーセットや目覚ましのセット、さらにスケジュール確認もしてくれます。次のような具合でした。
主人:5分後に起こして。
秘書:15時2分にアラームをセットしました(そして定時に電子音で起こしてくれました)。
③ ニュースの再生
現在、再生可能なのは、NHKラジオニュース、日経電子版NEWS、TBSラジオニュース、朝日新聞アルキキ、毎日新聞などです。今後、グッと増えてくるでしょう。
④ 音楽の再生
「何かジャズを聴かせて」などと指示すれば、Google Play Music や Spotify から再生してくれます(別途有料登録が必要)。
⑤ YouTube、Netflixなどの再生
テレビのHDMI端子につなぐ小さなデバイスChromecast(クロームキャスト、Googleが別売)があれば、連携してテレビにYouTubeの動画や、Netflixなどの映画・ドラマを再生してくれます。これは便利でした。
主人:YouTubeでエッフェル塔の動画を見せて。
テレビ画面に瞬時に、該当する動画が流れ始めました。「次!」と指示すると、次の動画に切り替わります。「早送り!」と言えば、早く進めてくれます。
テレビ画面の映像が、声だけで切り替わっていくのは非常に新鮮でした。映画『アイアンマン』の主人公トニーになったような気分で、いろんな動画を見ました。フリーハンドで、思いついた要望を声にするだけで次々に動画情報を閲覧し、考えることができるわけです。スマホでYouTubeを見るときもたいして操作をしていませんが、それでも完全なフリーハンドになると、もっと深く考えたり感じたりすることに集中できる。そう痛感しました。動画で調べ物などをする機会が増えそうです。
操作や雑用はAIに委ねて、人間は、その先に残る「考える」「理解する」に集中する。AI時代の分業のかたちを少しだけ体感できました。
5、AIと仲良くやっていける予感
Google Homeはコミュニケーションロボットの側面も持っているようです。
⑥ 話し相手になってくれる
たわいもないことですが、たとえば、こんな音声のやりとりをしました。
主人:ひまなんだ。
秘書:私はいろんな音を効かせることができます。動物の音、楽器の音、聞いてみたいものはありますか。
主人:眠い。
秘書:いま寝ても大丈夫なのでしたら少しお休みになったらいかがですか。寝たらマズい状況でしたらとりあえず顔を洗ってみるのはいかがですか。
秘書:私は24時間働けますが、人間は眠らないと体を壊しちゃいますよ。
いろんな答え方をしてくれます! 続いて次の声かけにも……。
主人:ただいま。
秘書:お帰りなさい。お風呂にしますか、それともご飯にしますか。これ、一度言ってみたかったんです。
秘書:お帰りなさい。またお会いできて、うれしいです。
主人:なにか面白いこと言って。
秘書:こんなのはどうでしょう。飛行機のなかでいちばんおしゃれなのはだれだか知ってますか。だれかって副操縦士です。服装、重視だから(大笑いの効果音)。
このほか、前述のとおり、IoT対応の照明やエアコン、冷蔵庫などが家にあれば、音声指示で操作してくれます。
▼ 楽しみな語学学習
音声会話を続けていて俄然、期待が膨らんできたのは語学学習です。やりとりを外国語ですれば、実践的な学習になります。
スマホアプリで「アシスタントの言語」を英語に変更。「グッモーニン!」と話しかけたら、流暢な英語で返してきてくれました。これなら、家で何かしながらでも語学が学べます。
Google Homeは1台で最大6人を識別し、個別対応するそうです。ただ自宅で息子2人が話しかけると、ともに「こんにちは、○○さん」と、私と間違えられました。家族は声が似てますよね。音声だけで識別しきれるのか、セキュリティーも含めて疑問が残りました。
リモートワークなどで良きペースメーカーに
出典:Frame illust
次にLINEのWAVEの体験リポートです。前述のとおり、LINEは独自のAIアシスタント「Clova(クローバ)」を開発し、これを搭載したスマートスピーカー、WAVEを2017年10月に発売しました。WAVEを試してみたところ、残念ながら2017月10月時点では、まだGoogle Homeほどの理解力がなく、発展途上という印象を強く受けました。
WAVEの基本情報は次の通り。
▼ どのくらいの大きさ?音質は?デザインは?
高さ20.1センチで、接地面の直径が13.9センチ、ヘッドパネルの直径が8.6センチの円筒形。Google Homeよりもひとまわり大きいです。声をかけると、接地面のLEDライトが光るなかなかおしゃれなデザイン。音楽も問題なく聴ける音質です。付属の電源ケーブルでコンセントにつないで使いますが、バッテリーも内蔵しているので持ち運べます。
▼ どこで買えるの?価格は?
LINEのクローバ公式サイト、Amazon、楽天の通信販売で買えます。本体価格が税込み14,000円ですが、12カ月無料でLINE MUSICが聴けるキャンペーンセットも出ており、こちらは本体を含めて税込み12,800円とお得です(2018年1月末まで)。
▼ どうやって使うの?
Google Homeと同じように、スマホにLINE Clovaのアプリを入れて登録を行います。Wi-Fiにつなぎ、WAVE本体の電源を入れたら、しばらくバージョンアップのために待たされました。「クローバ」と声をかけ、あとは音声でやりとりするしくみです。
▼ ちゃんと反応するの?
「クローバ」(もしくは設定を変えて「ジェシカ」)と呼びかければ、反応してくれます。Google Homeの「OK、Google」よりも、ずっとなじみやすい声かけですね。
ただ、残念ながら実際には「クローバ」と声をかけても、無視されることがとても多かったです。これは人によるのかもしれません。よく通る声なら、問題なく、すっと反応するのでしょう。
「クローバ!」「クローバ!!」「クローバー!!!」と、至近距離で叫んでいたら、家にいた息子にドン引きされました(こんなに怒鳴ったのは生まれて初めてかもしれません。まるでクローバを虐待しているようで、自己嫌悪に陥りました)。
何度も大声を張り上げていると、時々、ポッと反応してくれます。そのうちパネルを触ると反応してくれることがわかったので、声かけではなく、パネルタッチで呼び出すようにしました。これ、まだ発展途上と言わざるを得ません。
▼ どんなことをしてくれるの?
やりとりの記録を少しご紹介させていただきますね。ご判断ください(ただ、人によると思います)
主人:おはよう!
秘書:おはようございます。きょうもよろしくお願いします。
主人:今日の天気は?
秘書:本日○日の神奈川県川崎市の天気は雨のち晴れでしょう。最高気温は15度、最低気温は14度の予想です。
主人:渋谷駅までどういけばいい?
秘書:その質問にお答えするのは少し難しいです。
主人:アメリカの大統領はだれ?
秘書:それについて今はわからないんですけど、勉強しておきますね。
主人:ドゥーユースピークイングリッシュ?
秘書:検索するしかないですね。
主人:なにか面白いこと言って
秘書:なにか考えておきますね。
主人:ひまだ~。
秘書:アプリからカレンダー設定をオンにしてください。
主人:眠くなった。
秘書:お疲れなのでしょうか。あまり無理しないでくださいね。
主人:5分後に起こして
秘書:セットしました。アプリでご確認いただけます(定時にクリスタルな電子音で起こしてくれました)。
AIはものすごい勢いで進化していきますから、近い将来、バージョンアップされた秘書さんと一緒にいい仕事ができると信じたいです。
前述のとおり、LINEは今後、自社のキャラをあしらったWAVEも発売するようです。これには個人的に大変関心があります。もしLINEのWAVEがゆるキャラやペットのようなかわいらしい存在になり、しかも賢い秘書に化けていったら、注目されるのではないでしょうか。そのときには、発売直後の珍問答がきっと笑い話になることでしょう。
7、新しい個人の働き方を探る
GoogleのGoogle Homeと、LINEのWAVEを実際に使って感じたのは次のようなことです。
▼ スマートスピーカーの登場は衝撃的
スマートスピーカーの登場は、スマホが出てきたときと同じくらいに衝撃的なことだと感じました。
フリーハンドで聞きたいことを聞き、見たいものを見ていけるのです。キーボードを操作するなどの雑用?から解放され、いつでも純粋にものを考えることができます。
PCから小さなスマホに変わっただけで暮らし方や働き方にかなりの影響が出ました。それと同じで、フリーハンドになったことで、これから暮らし方や働き方にいろんな変化が現れてきそうです。IoT製品との連携が広がれば、さらに変化は大きくなるでしょう。
▼ うまく使えば良きペースメーカーになる
現在のAIアシスタントや、それを搭載するスマートスピーカーは、まだ高度な仕事を代行できるレベルではありません。けれども、自分の暮らし方、働き方に取りこんでいけば良きペースメーカーになって支えてくれるかもしれません。
朝の忙しい時間帯に、朝食を作りながらでも、子どもに服を着せながらでも、交通情報や天気予報、ニュースなどの情報を収集できます。スケジュールを確認し、さらにこれから会う取引先について情報を読み上げてもらうこともできます。
Google Homeの場合、スマホのアプリを開くと、音声でやりとりした履歴を見ることもできます。そこで、たとえば外国から来た取引先と会う場合に、Google Homeにいくつかのその国の会話フレーズを聞いておき、あとで通勤電車の中などでスマホを見て確認し、面会時にスマートに話す!なんてこともできなくないと思います。
リモートワークをしている人であれば、AIが良き話し相手になってくれます。リモートで一日中、ひとりで仕事をしていると、ひと言も声を発しない場合があります。そんな状態の人には心強い相棒になるでしょう。
▼ どんどん取りこめば自分もバージョンアップしていける
AIはさらに進化し、いろんな仕事をサポートしていってくれるでしょう。スマートスピーカーをきっかけに、AIの支援を取りこむ習慣をつけていけば、自分の仕事力をバージョンアップしていけます。雑用をAIに回し、自分は人間的な仕事力を研ぎすませていくのです(ただ、「人間的な仕事力」とは何かが問われているわけですが)。
アメリカでは、たとえばGoogleカレンダーと連携して会合のスケジュール調整を代行するAIも登場しています。相手先との最初のメールのCCにAIが持つアドレスを入れておけば、あとは勝手に日時の候補を割り出して調整し、リマインドまで行ってくれます。こうしたAIの支援を受ける習慣を、まず最初にスマースピーカーで身につけてみたいと思いました。
AIは人間の仕事を奪うとも言われます。それならなおのこと、まずAIを使ってみて、「敵」を知らないといけません。もしかしたら「敵」は案外、心強い味方だったりします。実際にどんなものか、スマートスピーカーは一緒に働くなかでヒントを与えてくれることでしょう。
8、まとめ
・AIアシスタントを搭載した「スマートスピーカー」が日本にも次々と現れています。主なものはAmazonの「Amazon Echo」、Googleの「Google Home」などです。アジア発のLINE「WAVE」も登場しています。
・スマートスピーカーは日本語の問いかけを理解し、検索や経路案内、ニュースや音楽、動画などの再生、スケジュール確認、それにIoT製品の操作などを行ってくれます。
・Google HomeやWAVEを試したところ、とくにGoogle Homeの完成度が高く、YouTubeなどの各種Googleサービスとの連携もよくできていました。
・このスマートスピーカーは私たちの暮らし方や働き方を大きく変える可能性があります。実際に秘書・執事として取りこんでみて、AI搭載型の働き方を探ってみませんか。
WRITER

編集者・ライター
平田浩司
AIアシスタントやそれを搭載したスマートスピーカーについて調べてみて、自分だったら最終的にどのスピーカーを買うかを考えてみました。結論は「3種類くらい欲しい!」。それぞれのAI秘書の「個性」を生かし、優秀なチームづくりをしてみたいと思いました。3種類ほど搭載した最強スピーカーが出てきたら一番いい! スマホに比べて安く買えるので、そんな妄想もわいてきてしまいます。さて、AmazonやGoogleが激突する一方で、中国でも通販サイト大手のアリババが、2017年夏に独自のAIアシスタントを搭載したスマートスピーカー「天猫精霊X1(Tmall Genie X1)」を発表しています。今後、世界の高級ホテルなどに約10万台導入していく計画があるそうです。あちこちにスマートスピーカーが広まっていきそうな気配です。
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