世界標準の子育ての記事2017.11.14
ガラパゴスな教育してない?
生き残れる子を育てる!頭を切り替えよう|世界標準の子育て
keyword: 世界標準の子育て 船津徹 めくれば 知恵本キタコレ! 教育
2017.11.14 文章 / 平田浩司
明治以来の古い子育て観から抜け出そう
船津さんからすると、日本国内の子どもの教育は、グローバル時代に合っていなくて、ちょっと危なっかしく見えるようです。
明治維新から現在まで、日本の敎育観は変わっていません。6歳までは家庭で「しつけ」を伝え、小学校からは教科学習を通して「学力を身につける」というシンプルなものです。しかし時代が大きく変わりました。(本書より引用)
しつけによって、集団のなかで周りに迷惑をかけずにやっていく基本姿勢を養い、その後、コツコツと学力をつけていくのが日本流。これは西洋の先進国を目標にして、国を挙げてキャッチアップしていくときには、ぴったりの敎育だったのかもしれません。
けれども、いまはインターネットや人工知能などが登場して、先がとても見えにくい変化の時代です。さらに、国境を越えて経済戦争が熾烈なグローバル時代です。この状況のなかで生き残っていくためには、もうちょっと違う敎育が求められるというのが著者の見方です。
どんな状況に置かれても負けない強い人間を育てるためには、日本のガラパゴスな敎育を見直し、「世界標準の子育て」を実践していくことが大切と提唱しています。
3つのステージで望ましい子育てを
船津さんは、本書のなかで、韓国や中国、インド、アメリカ、スウェーデンなどのさまざまな国の教育を紹介しています。それぞれの特徴を俯瞰(ふかん)し、見習うべき点をピックアップしていきます。そして、良い点を集約したハイブリッド型の教育法を、世界標準の子育てとして体系立てています。
その中身はかなり具体的です。ステージ1(ゼロ歳~6歳)、ステージ2(7歳~12歳)、ステージ3(13歳~18歳)の3つの時期に分けて、それぞれどんなところに注意し、どんな習慣を採り入れたらいいのかアドバイスしています。たとえば、7歳からのステージ2の時期には、勉強以外でその子の強みを発揮できる習い事(スポーツなど)に取り組ませ、自信をつけさせるのが大事だと指摘します。
詳しくは本書をご覧いただきたいのですが、アドバイスが具体的なので、わりと実践しやすいように思えました。
本書を読んでいちばん印象的だったのは、個々の教科でいかに成績を上げるかという点については、ほとんど触れていないことです。その代わりに、どんな状況でも生き抜いていけるよう、自信を持ち、自分で考え、多くの人とコミュニケーションをとっていける資質を養おうと力説しています。
細かいところでは個人的に意見の異なる部分もありましたが、読み終えると、なんだか旧来の子育ての発想からちょっぴり解放された印象を持ちました。そこが良かったです。
日本の行く末について考えると、子どもたちの人生は波乱万丈になるかもしれない、とも思ってしまいます。そんな波高き前途に立ち向かえるように、世界標準と胸を晴れる敎育を模索したいものです。
『世界標準の子育て』の書籍情報
著者:船津 徹
初版発行:2017/7/6
出版社:ダイヤモンド社
価格:1,620円(税込)
サイズ:単行本
頁数:304ページ
ジャンル:教育
読了目安:5時間
ISBN:978-4478102794
WRITER

編集者・ライター
平田浩司
本書は、韓国や中国などの子育てにも、いろいろと問題があることをわかりやすく説明しています。子育てで悩みが多いのは日本だけではないのだと感じさせられます。それぞれの子育ての良いところを学び合い、子どもたちが少しでも幸せな人生を歩んでいってくれるように工夫していきたいです。
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