ココ・シャネルの言葉の記事2017.11.28
最高におしゃれな生き方とは
仕事に恋に超弩級の情熱を注いだ女性|ココ・シャネルの言葉
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2017.11.28 文章 / 平田浩司
超過激なキャリアウーマン!ココ・シャネル
誰も私に何ひとつ教えてくれなかった。私はすべてを自分ひとりで覚えた。
仕事のためには、すべてを犠牲にした。恋でさえ犠牲にした。仕事は私の命をむさぼり食った。
本書『ココ・シャネルの言葉』には、ココ・シャネルに詳しい作家の山口路子さんが集めた言葉が80以上載っています。どの言葉にも解説が付されていて、全編を読めば、ココの働き方や生き方が見えてくる構成になっています。
ココが「何ひとつ教えてくれなかった」と語ったのは、彼女が若いころ、ファッションを学べる状況になかったからです。
彼女は母親と死に別れ、行商をしていた父親に捨てられて孤児院や修道院で育ちました。お針子仕事の経験はしたものの、ファッションデザイナーとしてはまったくの自己流で這い上がっていきました。
仕事への打ちこみ方は半端でなかったようです。
とにかく私はスタッフの二倍働いた。
「そこまでやるか」と思うくらいに働いたからこそ、世界的なブランド企業を築くことができたのですね。一心不乱に突っ走った彼女の働き方、生き方には圧倒されます。
▼ 「皆殺しの天使」と呼ばれたココ・シャネル
新しい世紀の児(こ)である私は、新しい世紀を服で表現しようとしたのだ。
ココが一心不乱にどんな仕事をしたかというと、それは19世紀のファッションアイテムの「皆殺し」でした。
ココから見ると、頭に大きな帽子をのせたり、体をコルセットで絞ったり、ずるずると長いドレスを引きずりながら歩いたりする前世紀のファッションは、ひどく不自由なものでした。彼女はそれが大嫌いでした。
そこで古いアイテムを全面否定し、もっとシンプルで身軽なファッションを提案していったのです。シンプルで、着心地がよく、無駄のない服装というのが、彼女の理想でした。
ココほど激しく前世紀を否定したデザイナーはいなかったのでしょう。
彼女が提案したシンプルなシャネル・スーツは、その後のキャリアウーマンの服装に大きな影響を与えています。
映画のような恋、一流の生き方
彼を亡くしたときに私はすべてを失った。
ココ・シャネルの生涯は、これまでに何回も映画になっています。最近ではアメリカの『ココ・シャネル』(シャーリー・マクレーン主演、2008年)や、フランスの『ココ・アヴァン・シャネル』(オドレイ・トトゥ主演、2009年)などがあります。ブロードウェイのミュージカルにもなっています。
そのように光があたるのは、超弩級のキャリアウーマンだっただけでなく、超弩級の恋多き女だったからです。
ココは文字どおり、映画のような恋愛体験をいくつも重ねた人でした。火遊びがしたくて交際したわけではなく、本気も本気。でも、最後に最愛の男性を失ってばかりだったようです。
彼女のファッション界デビューを支えた実業家、アーサー・カペルは、自動車事故で亡くなりました。本書『ココ・シャネルの言葉』では、カペルとシャネルにまつわる大変興味深いエピソードも紹介されています。
20世紀を代表する画家ピカソや、欧州屈指の富豪ウェストミンスター公爵らとの恋の物語も、エスプリが効いていて読まされます。映画のような恋について、彼女がどんな言葉を残したのか、ページをめくっていて楽しいです。
彼女の言葉は、恋愛に悩む人、恋愛で大きな喪失感を受けた人に強く響くことでしょう。
▼ 生き方が一流だったココ・シャネル
かけがえのない人間であるためには、人と違っていなければならない。
ココが生み出したファッションはおしゃれですが、彼女の「シャネル・スーツ」などが、なぜいまも多くの人の心をとらえて離さないかというと、結局、彼女の生き方そのものが最高におしゃれだからです。
彼女は、上の言葉のとおり、いつも人と違った生き方を選択していきました。
本当はもっともっと、彼女のファッションセンスを伝える言葉をここでご紹介したいのですが、実際に本書を手にとって確かめていただければと思います。
醜さは許せるけど、だらしなさは絶対許せない。
ココは、どこまでもとんがった生き方をした女性です。
肩に力が入りすぎという気もしますが、ふだん、ちょっと気が緩みすぎているときなどに、ココの言葉を読み返すと、シャキッとすると思います。ココの言葉をまとって、がんばっていきましょう!
『ココ・シャネルの言葉』の書籍情報
著者:山口路子
初版発行:2017/10/12
出版社:大和書房
価格:734円(税込)
サイズ:文庫
頁数:224ページ
ジャンル:自己啓発
読了目安:2時間
ISBN:978-4479306726
WRITER

編集者・ライター
平田浩司
ココ・シャネルはパリの超高級ホテル、リッツ・カールトンに住んでいました。そんなところも含めて、すべてが映画のヒロインのようです。一般庶民には関係のない人のような気もするのですが、やっぱり人間です。弱音も吐いています。意外と体型を気にして苦労している面もありました。そんな一面をうかがい知ることのできる言葉も載っていて、面白いです。
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