ゼロ秒思考の記事2018.05.15
時間をかけないという選択
決められない自分にさようなら!|ゼロ秒思考
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2018.05.15 文章 / 味志佳那子
調べすぎると決められない
その後私はまったく別の業界へ転職して、入社早々、会社から1台のノートパソコンを支給されることになる。ちゃんと、インターネットにつながるやつを。
それから何日と経たないうちに「仕事中にインターネット検索し放題ってこんなに便利なのぉ!」と驚かされたことは言うまでもない。
でもある日ふと気づく。ただ調べものをしているだけなのに時間はどんどん過ぎていき、1日は「あっ!」という間に終わっていく。分からないことをちょっとだけ調べるつもりがいつしか深みにハマり、TwitterはじめSNSを見ているわけでもないのに、最終的に何が分からなかったのかを見失ってしまったことも何度かあった。
まったくどうして私は“ずっと調べてしまう”のだろうと、その理由を振り返ってみると「調べることそのものが目的になっていた」からだろうという答えに行き着いた。「調べる」ことには不思議な力があって、仕事にまつわりそうなことについてインターネット検索しているだけで、仕事をしている錯覚に陥るのだ。本当は調べたその先にあるものが大事なのに。
「問題は、大半の人が調べすぎてしまうことにある。インターネットで検索したり、業界イベントに行ったり、本を読んだり、ああでもないこうでもないと結論のない議論をしたり、その上でまたネット上のディスカッショングループを過去ログまでくまなく読んだり、何週間も延々と調べる。それ自体はもちろん良いことだが、時間がかかるばかりで判断・決断を延ばしがちだ。」(本文より引用)
こう指摘するのは『ゼロ秒思考』の著者である赤羽氏。マッキンゼー出身の彼は「時間をかければ考えが深まるとは限らない」と本書で明言する。何かを決断すること、ゴーサインを出すことに苦手意識を持つ人は少なくないが、決められる人と決められない人には一体どんな違いがあるのだろうか?
キーワードは「仮説」
赤羽氏はこんな私の心の内を見透かすように、こうアドバイスする。
「『もっと情報がほしい、今のままだと不完全だ』と言いたい気持ちをこらえて、大胆に仮説を出す癖をつけることだ。」(本文より引用)
あの時、私の中にぼんやりとでも結果のイメージが湧いていただろうか(いや、ない)。最終的にどういう決定をするかは“調べてから”考えればいいと思っていたし、何が分からなくてどんな情報を得ればいいのかの目処がついていなかったことが、今になったらよく理解できる。
一方で、即断即決できる「ゼロ秒思考」タイプは企業経営者たちの中に多いそうで、彼らの特徴について本書ではこんなふうに触れている。
「ゼロ秒とは、すなわち、瞬時に現状を認識をし、瞬時に課題を整理し、瞬時に解決策を考え、瞬時にどう動くべきか意思決定できることだ。迷っている時間はゼロ、思い悩んでいる時間はゼロとなる。」(本文より引用)
普段から頭の中をすっきり整理しておくために効果的なのが、本書のメインテーマとなる「メモ書き」だ。1つのテーマにつきA4用紙1枚で、1枚あたり1分で書き切るのがポイントだが……続きはぜひ本書で。ノートや日記でなくあえてA4用紙に書く“戦略的メモ”、周りにちょっと差をつけるビジネス習慣になること間違いなし。
『ゼロ秒思考』の書籍情報
著者: 赤羽 雄二
初版発行: 2013/12/20
出版社: ダイヤモンド社
価格: 1,512円(税込)
サイズ: 18.8 x 12.8 x 1 cm
頁数:216ページ
ジャンル: ビジネス ビジネス教養
読了目安: 1時間
ISBN: 978-4478020999
WRITER

編集者・ライター
味志佳那子
『ゼロ秒思考 頭がよくなる世界一シンプルなトレーニング』は、日頃から考え込んでしまいやすい人におすすめ。仮説を立て、検証し、見直すー。即断即決の力はトレーニングによって養えるという言葉が心強く響くはずです。
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