アマゾンが描く2022年の世界の記事2018.04.10
アマゾンされるって何?
巨人アマゾンが創る近未来!アジアの王者アリババとの激突も描く
keyword: アマゾンが描く2022年の世界 田中道昭 めくれば 春、一番に読みたい本 Amazon
2018.04.10 文章 / 平田浩司
あらゆる世界が「アマゾンされる」?
本書は冒頭で、きわめて具体的に、すぐそこまで近づいてきている近未来を描き出しています。
そこに登場するのは、コンビニチェーンであり、カフェであり、シェアオフィスやクラウドソーシングも手がけていて、ついでにメガネも作り、アパレル大手なんかもやっている化け物みたいな会社、アマゾンです。
アマゾンはAIとビッグデータの覇者として、本書に出てくる佐藤一郎さん(仮名)だけでなく、あなたの好みや購買行動も熟知していて、あなたがいちばん欲しい商品やサービスを次々に提供してくれます。
この近未来にいたるまでに、もしかしたらコンビニも、カフェも、アパレル大手も、宅配業者も「アマゾンされる」状況が生まれているのかもしれません。
本書からは、そんな不気味さがプンプンと漂ってきます。
著者の田中道昭さんは、立教大学のビジネススクール教授。経営コンサルタントとしても活躍していて、これまでに収集してきたアマゾンの情報を整理し、わかりやすく伝えています。アマゾンがどう変貌していくのか俯瞰していて、読みごたえがあります。
巨人はアマゾンだけではなかった!
ところが読みすすめていくと、
なんと!なんと!
巨人はアマゾンだけではありませんでした。
著者はアマゾンの特徴をあぶり出すために、比較材料として、中国の通販サイト大手アリババについても詳しく紹介しています。
この展開には意表を突かれました。タイトルにはアリババの「ア」の字さえなかったのに、途中から、アマゾンを上回るスピードで膨張していく巨人として、アリババが全面に出てくるのです。
アマゾン経済圏はアメリカを起点に欧州、日本、そしてアジアへと広がっていくわけですが、アジアの王者アリババの経済圏は、中国から出発してアジア、日本、そして欧米へと、逆のベクトルで急拡大していくのだそうです。
QRコードを使ったスマホ決済システム「アリペイ」はすでに日本にも上陸しており、2018年には日本でもアリババの影響力が一気に強まる見通しのようです。
アマゾン VS アリババ。
巨人同士の激突は、世界中にいろんな波乱を巻き起こしそうです。
本書を読んでいると、少々スケールが大きすぎて、日本経済などはまるでケシ粒のように見えてきます。
もしかしたら、それが近未来の実相なのかもしれません。
本書はアマゾンの解説書でありながら、アマゾンだけにとどまらず、近未来の巨人たちについて活写しています。そこが面白いです。
それと同時に、さまざまな大企業が「アマゾンされる」、さらに「アリババされる」「グーグルされる」世界まで想像がついてしまい、空恐ろしいです。
『アマゾンが描く2022年の世界』の書籍情報
著者:田中道昭
初版発行:2017/11/18
出版社:PHP研究所
価格:983円(税込)
サイズ:新書
頁数:301ページ
ジャンル:ビジネス
読了目安:3時間
ISBN:978-4569837338
WRITER

編集者・ライター
平田浩司
本書では、アマゾンがいろんな新しいサービスを始めている2022年を描いていますが、2022年って、もう4年後ですよね。時代が恐ろしい速さで動いていくのだと感じさせられます。そんな環境のなかでどう生きていけばいいのか、どう働いていけばいいのか、考えてしまいますね。
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