相槌の記事2018.06.13
相槌 が重要なわけ
評価がアップする! 上手な相槌の打ち方とは【ビジネス電話】
2018.06.13 文章 / PARAFT編集部
相槌で印象をコントロールしよう
・通話相手との会話がしっくりこない
・「聴いているの?」「大丈夫?」と確認される
・通話相手がなぜか不機嫌になったり、ひどいときは怒ってしまう
・電話応対を横で聴いていた先輩社員からダメ出しをされる
・これら上記の原因に思い当たるふしがない
そんな事態が起きているのなら、電話応対をしているときの「相槌」を見直してみましょう。
ビジネス電話では、用件を承るときの正確さが求められます。「用件を正確に理解している、受け取っている」ということを伝え、相手に安心して話をしてもらうことが相槌の目的です。
相槌を失敗すると、いくら電話応対のマナーや手順を守っていても、電話応対そのものがうまくいかないのです。相槌を改善すれば、通話相手との関係や、先輩から評価も良くなります。
相槌は電話応対の成否を分けるもののひとつです。その理由をひとつひとつ確認していきましょう。まずは、電話の特性まで立ち返ってみます。
▼電話は声が目立つツール
電話は、受話器越しに聞こえてくる声だけでメッセージをやりとりするため、声の比重が大きくなるツールです。耳に聞こえてくる音や言葉ひとつひとつが耳につきます。
用件を正確にやりとりすることばかりに意識がいってしまい、相槌を打つという部分にまで意識が届いていないということがあるのではないのでしょうか。
相槌とは受け身のコミュニケーションであり、発話も短いものです。そのため相槌を打つほうは無意識のうちに済ませてしまうのです。
何気ない相槌でも、その相槌を聞いた方が違和感を覚えると、強く印象に残ってしまうのです。
▼相槌は「理解しています」というメッセージになる
実際に顔を合わせた上でするコミュニケーションは、言葉のやりとりだけでなく身振りや表情、仕草も含めて総合的にメッセージを汲み取ります。「理解した」という意味の言葉がなくても、視界から入る情報によっても「理解した」というメッセージを受けとることが可能なのです。
一方、電話では、言葉がメッセージのすべてになります。受話器の向こう側にいる相手は、こちらの何気ない相槌を、ひとつの重要なメッセージとして受け止めてしまいます。
用件を話しているほうの人は「自分が話していることが、相手に理解してもらっているか」ということを相槌を通して判断します。
用件を話す方にとって「話を理解してもらったのか」ということがわからないと、話を次のへ展開していいのかどうかもわかりません。相槌がなかったり、うまくいっていないと会話が進まず、ストレスが溜まるのです。
つまり、相槌とは受け身のメッセージではありますが、「話を理解しています」ということを発信し、会話を成り立たせるための大切なメッセージでもあります。
タイミングと感情がフィットすると上手な相槌になる
相槌とは話をきちんと聞いているので安心して話してほしいという気遣いそのものです。その姿勢がないと、相槌はうまくなりません。
また、上手な相槌は相手の心を開きます。「聞いてもらっている」ということが伝われば、相手の緊張もほぐれ、心を通わせながら話を次へ展開していってくれます。
話を促す上手な相槌とは以下の2点が揃っているものです。
① 適切なタイミング
話の腰を折らないようにしましょう。相手の話がひとつずつ展開していくたびに相槌を打つと「ここまで理解しています」というメッセージになり、話を促していきます。
② ふさわしい感情
話を受けて、その内容に心から同感しましょう。共感、了承、肯定といった相手に寄り添う気持ちを相槌で表現します。
●「うん」「はい」「ええ」「左様ですか」
【どのように聞こえる?】
「聞いていてくれる」とうい安心感がある。話の先を促す。
●「同感です」「さすがですね」「驚きです!」
【どのように聞こえる?】
話を聞いて、感情が動かされているのがわかる。関心を持って自分に向き合ってくれる姿が想像できる。
●「~ということですね」「~ですか」(相手の言った言葉を繰り返す)
【どのように聞こえる?】
言葉を繰り返すことで、その話題を共有していこうという意思が伝わる。
上手な相槌を打つためのポイントとは
タイミングと感情がフィットした上手な相槌を打つために大切なことを紹介します。
Point① 慇懃無礼にならないように心をひらく
相手のほうが心をオープンにして、カジュアルなムードの会話を好むようであれば、こちらも同様に心を開きましょう。くだけた相槌を打つのではなく、少しだけ親しみを込めた言葉遣いにして相槌を打つようにします。相手がビジネスライクなやりとりをするようであれば、こちらも同じようなテンションに抑えます。しかし、過度な敬語の使い方は、かえって失礼に聞こえます。相手との心の距離を測りながら相槌を打ちます。
【NG例】
●「うん」
【どのように聞こえる?】
社外の人や目上の人には使わない言葉なので失礼に聞こえる。
●「はい?」「はーい」「はぁ」
【どのように聞こえる?】
だらしなく聞こえる。敬意を感じない。話を受け取ることを拒否しているように聞こえる。
●「はいはい」「はいはいはいはい」
【どのように聞こえる?】
軽々しく聞こえ、馬鹿にされているように響く。
Point②会話のリズムを合わせる
相槌は相手のテンポに合わせて打ちます。相手が急いでいるようならば、テキパキと、相手が言葉を選びながら慎重に話す様子ならば、こちらもゆったりと受け止めて相槌を打つようにして合わせます。相手のテンポに合わせ、同調しながら相槌を打つことで会話のリズムを一緒につくっていくことができます。
【NG例】
●相手の発言が終わらないうちに食い気味で「はい」
【どのように聞こえる?】
理解していないのに返事をしているように聞こえる、急かされているように感じ自分勝手な人柄を想像させる。
●相手の発言が終わっているのに間があいてから「……はい」
【どのように聞こえる?】
話を理解できないだけでなく、理解することを拒否しているように聞こえる。
Point③言葉に対して反応を見せる
距離感やリズム感がフィットしても、同じワードを連呼していると、一昔前の機械のような相槌になってしまい、会話に違和感を与えます。同じフレーズの相槌が続くようであれば、バリエーションを付けて変化させてみましょう。相手の話を聞いて、影響を受け、出力表現を変えていくイメージです。
例えば、「はい」の場合、クッション言葉を続けてみましょう。「はい。かしこまりました」「はい。恐れ入ります」というように言葉を変えるとコミュニケーションに変化が付きます。
また、「はい」は「左様ですか」「左様でございますか」と言い換えることもできます。肯定するだけでなく、丁寧に言葉を受け取る表現でもあるので、相手は安心して話をしてくれます。
【NG例】
●「はい...、はい...、はい...、はい...、はい...、はい...、はい」(単調)
【どのように聞こえる?】
古いロボットのように聞こえる。面倒がっているように聞こえる。
●「あぁ」「あっ」「えー」「えっ」「まぁ」(曖昧な言葉で濁す)
【どのように聞こえる?】
面倒がって受け流しているように聞こえる。話をしたくないように聞こえる。
●「……(発言に耳をすましている)」(聞いていても無反応)
【どのように聞こえる?】
聞いているのか? 聞いていないのか? 電話機の不調か? 不安が膨らむ。無視されていると感じる。
▼上手な相槌に必要なものとは?
上手な相槌とはどのような相槌なのでしょうか。ビジネス電話では、用件を承るときの正確さが求められます。「用件を正確に理解している、受け取っている」ということを伝え、相手に安心して話をしてもらうことが相槌の目的です。
この目的を達成するためには、相手がどのような状況から電話をかけてきているのか、そのときの背景や心理、こちらの反応に対する心の動きまで細やかに汲み取る必要があるのです。
上手な相槌のためには、まず相手を理解しようと寄り添うことが必須なのです。
▼安心感をベースに信頼関係をつくる
同じような心の距離、心地よい会話のリズム、表情がわかって安心できる反応。これらを相槌で演出できると、相手に好感を持ってもらえます。通話相手から好感を持ってもらって相槌で良い関係をつくれるようになれば、電話応対もうまくいくように
なります。
▼相槌に不和があると「理解してもらえてない」と判断される
もともと、声に頼ったコミュニケーションである電話は、「お互いに相手の話を理解しているかどうか」という点を常に気にかけた状態で会話をする必要があります。そして、返ってくる相槌に違和感を覚えると、「話を理解してもらえていないのではないか」という不安がすぐによぎってしまうツールなのです。
話を理解できないということが問題なのではありません。ここで重要なのは、話を理解しようとしてくれているかどうかが重要なのです。
話を理解しようとしない態度は、相手を尊重しないことと同じです。その態度を相槌から読み取られて問われてしまっているのです。
そのため、相槌のひとつひとつまで細かく気を配る必要があるのです。

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PARAFT編集部
相槌が上手な人は相手の心を開かせ、どんどん話を引き出します。電話応対の手順を追うことに手一杯にならず、相槌までしっかりコントロールができるようになって、通話相手と良い関係が築けるようになると、「上手な電話応対ができる」として評判もアップするでしょう。