クレーム電話の記事2018.12.25
クレーム電話の解決の要点
クレーム電話の解決が誰でも簡単にできる例文集
keyword: クレーム電話 ビジネス電話 不満 解決 満足
2018.12.25 文章 / PARAFT編集部
クレーム電話の解決のために必要な姿勢とは
▼【心構え1】「自分が怒られているわけではない」ことを自覚する
クレーム電話の嫌なところは、電話をかけてきた相手の怒りをぶつけられることです。そのためクレーム電話の応対にあたると精神的な負担を感じるでしょう。
しかしそのクレームは、あなた自身に向けた苦情ではありません。起きてしまったトラブルや不備に対してクレームが向けられているのです。
クレーム電話はお客様の要望や困っていることを知るチャンスでもあります。ひとつの意見として受け取り、今後の仕事に活かせるよう建設的な姿勢で取り組みましょう。
▼【心構え2】クレームの種類を知っておく
クレーム電話にはどんな種類があるのかあらかじめ知っておきましょう。お客様の主張はどういったものか、それは正当であるか、理不尽な要求をする悪質なクレーマーではないか判断しましょう。
(A)商品やサービスから発生するクレーム
商品に不良品があったり、サービスに不備があったりした場合、クレームとして電話がかかってきます。買った商品が壊れていたり、サービスが思うように使えないときにお客様は不便な思いをします。「せっかく買ったのに期待はずれだった」という気持ちが怒りとなり、クレームが発生します。
(B)接客対応、人から発生するクレーム
お客様の対応にあたった人の態度に満足できず、クレームになるケースです。「自分が悪いわけじゃないのに・・・」と理不尽に思うかもしれません。しかしたまたま電話に出たあなたはお客様から見ると同じ会社の人です。クレームを発生させた本人でなくても、本人と同じ立場として耳を傾ける必要があります。
(A)も(B)もお客様によっては「ただ話を聞いてほしい」ということでクレームとして電話をかけてくる場合があります。お客様が何を求めているのかを探りましょう。
(C)悪質なクレーム
電話をかけてきた相手が不当な要求を押し付けてくるのであれば、悪質なクレーマーである可能性があります。
要求が不当であるかどうかを判断するために「客観的な事実」を知る必要があります。
(例)
「恐れ入りますが、具体的にどのようなところがお気に障ったのかお伺いできますでしょうか」
悪質なクレーマーは「誠意がない」「不快な思いをした」「教育ができていない」「わかっていない」などとポイントのはっきりしない主張を押し通します。裁判に訴えると言ってきたり、悪評が立つといって脅してきたり、金品を要求してくることもあります。
悪質なクレーマーは客観的で具体的な事実をなかなか話そうとしません。事実に対して過大な要求をしていることが顕になるのを避けているのです。
電話をかけてきた人が悪質クレーマーであると判断できる場合、必ず先輩社員や上司に相談して対応するようにしましょう。
▼【心構え3】商品やサービスの知識、対処法を頭に入れておく
クレーム電話がかかってきたら、どのような処理方法があるか把握しておくと冷静に対処できます。そのためには自社の商品やサービスの内容を理解しておくことが必要です。予備知識があると、クレームの電話を受けながら適切な対応を示すことができます。
②クレーム電話を聞くポイント3つ
▼【聞くポイント1】事実を正確に把握する
「何が起きたのか」を聞き取ります。「お客様が思ったこと」という主観的な事実と「何が起きたのか」という客観的な事実は明確に区別して把握しましょう。お客様のクレームに対しどういった対処をするのか判断するために事実を聞き出してください。
▼【聞くポイント2】クレーム内容のメモをとる
電話応対においてメモは必須です。クレーム応対の場合、相手の主張を正確に聞き取り、記録しなくてはなりません。担当者に取り次ぐ場合、メモをもとにかかってきた電話の内容を正確に伝えましょう。
▼【聞くポイント3】気持ちに寄り添って共感する
相手の怒りは「自分の気持ちを理解してくれている」とわかれば落ち着きます。クレームにつながった客観的事実を把握する一方で「お客様がどう思ったのか」という主観にしっかり目を向けましょう。「不快な思いをした」ということに対して共感する姿勢を見せるのが大切です。
③「申し訳ない気持ち」を伝えるコツ3つ
▼【「申し訳ない気持ち」の伝え方1】深い相槌を打つ
相槌は大切なメッセージです。「あなたの気持ちに共感して、申し訳なく思っている」相槌を打つ必要があります。クレーム電話の場合、明るく元気に「はいッ!」と相槌を打つより、深く「はい」と相槌を打つほうがふさわしいです。相手の気持ちを理解して受け止めていることを相槌に乗せてください。クレーム電話では相手の気持ちに同調しながら相槌を打ちましょう。
▼【「申し訳ない気持ち」の伝え方2】オウム返しで理解していることを示す
相手の言葉を繰り返すオウム返しは、クレーム電話応対で使えるテクニックです。オウム返しをすることで相手の話を聴いていることを示します。
またオウム返しは、話をまとめて整理する効果があるので、話を一歩前へ進めるステップの役目も果たします。
(例)
相手:最新のカメラを買ったけれど、使い方が難しくてよくわからないんだよね
自分:最新のカメラは使い方が難しいですよね。製品の使い方を案内するホームページはご覧になりましたでしょうか・・・。
(例)
相手:注文したサイズと違うものが届いたんだけど、どういうこと?
自分:ご注文されたサイズと違うものが届いたということですね。注文記録を確認しますので・・・。
▼【「申し訳ない気持ち」の伝え方3】 ややスローテンポで深刻なムードをつくる
クレーム電話の応対にあたるときは、ややゆっくりと話すよう心がけましょう。早口で話すと事態を軽く見ていると思われてしまいます。間合いをとって相槌を打ってみてください。話を受け止めて、誠実に対応している姿勢が伝わります。
クレーム電話解決のための手順と注意点
① クレームの内容を最後まで聴く
② 「不快な気持ちにさせて」をポイントに謝罪
③ クレームの内容を確認・復唱する
④ クレームの解決策を示す
⑤ 相手の言い分を聴いて更に説明をする
⑥ 相手の言い分を聴き説明を繰り返し、お互いに納得する
⑦ 感謝の気持ちを述べる、電話を切る
▼ 各手順の注意点
① クレームの内容を最後まで聴く
相手の主張を最後まで聞きます。話を途中まで聞いて解決策がわかったり、担当者に取り次ぐべき話だと判断できても、相手の話を遮ってはいけません。相手に余計なストレスを与えることになり、「話を聞いているのか」というさらなるクレームにつながってしまいます。
モヤモヤした気持ちや怒りの気持ちがあったとき、聞いてもらうだけでも心が楽になるものです。最後まで話をすると相手の気持ちがすっきりしてクレームの怒りの程度が軽くなります。
② 「不快な気持ちにさせてしまったことを」ポイントにして謝罪する
相手の主張を聞き、不快な気持ちにさせてしまったことに対して謝罪するようにしましょう。
(例)
「この度は、不快な思いをさせてしまい申し訳ございません」
「ご不便をおかけしてしまい申し訳ございません」
「不愉快な思いをさせてしまいまして申し訳ございません」
この段階ではひとまず話を聞いているという姿勢を示し、相手の感情を鎮めるために謝罪をします。
「すべての非がこちらにある」「すべての責任をこちらが持つ」という全面的な謝罪にならないように気をつけましょう。「全面的に悪いと言ったじゃないか」というトラブルに発展するのを避けるためです。
謝罪の範囲を「不快な思いをした相手の気持ち」に限定することが大切です。
③ クレームの内容を確認・復唱する
②の謝罪のあと、相手の気持ちが落ち着いた頃を見計らってどんな事実があったのかを聞き出します。
例えば「商品が使えない」というクレームであれば「商品そのものが不良品であった」のか、「商品の使い方がわからない」のか「商品が届かない」のか・・・。「使えない」というクレームに至ってしまった過程や商品の様子を聞きます。
「店員の教育がなっていない」のであれば「店員の笑顔がない」のか「挨拶がなかった」のか「返事がなかった」のか「店員の商品知識が不足しているのか」・・・。「教育がなっていない」というのは、あくまでお客様から見た主観です。「店員の教育がなっていない」と思う理由や店員の様子を聞きましょう。
どんな出来事があったのかを聞き、事実を掴んだら必ず復唱して、クレームの内容を確認をします。また、疑問点があれば聞いておきます。「恐れ入りますがどんな機能で不具合が生じたのでしょうか」「恐縮ではございますが、そのときの店員の様子をお伺いできますでしょうか」というように詳細を聞き出してください。クレームの内容を把握できたら、解決に向けて話を進めていきます。
④ クレームの解決策を示す
クレームにつながった事実に対する解決策を提案します。その場で解決できるクレームでは、その場で対処しましょう。
商品が不良品であるというのであれば、商品を手にとってもらい順を追って操作してもらいます。どこで不具合が起きるのか順を追って確認します。思い当たる原因があれば伝えましょう。
商品の使い方がわからないのであれば、説明書を開いてもらい、一緒に動かしながら説明をします。商品が届かないのであれば、商品が今どこにあるのか状況を確認し、到着する日時を伝えます。
担当部署につながないといけない場合は転送します。お客様に同じことを2度言わせないように、クレーム内容を担当者に伝えたあと電話に出てもらうようにしましょう。
⑤ 相手の言い分を聞いて更に説明をする
相手のほうにさらなる言い分や疑問点がある場合、ひとつひとつ聞きながら説明していきます。
⑥ 説明を繰り返し、お互いに納得する
相手の言いたいことや質問をしたいことがなくなるまでクレームを聞き取り、解決策を示します。お互いに納得できるところまで話します。こちらが一方的にクレームを解決したと思い込まないようにしましょう。
(例)
「ご質問はございますでしょうか」
「他に不明点などございますでしょうか」
「他に気になる部分などございますでしょうか」
「これ以上言いたいことはない」というところまでもっていきましょう。
⑦ 感謝の気持ちを述べて、電話を切る
クレーム電話はお客様の意見して捉えます。お客様の意見が改善のきっかけになることもあるので、感謝を伝え締めの言葉とします。
(例)
「このたびは、貴重なご意見をありがとうございました」
「ご意見をありがとうございました。今後は〇〇なことがないよう精進してまいります」
「ご指摘いただきありがとうございました。今後ともよろしくお願いいたします」
「頂いたご意見を参考に社内教育を徹底いたします。ありがとうございました」
相手が受話器を置いたのを確認してから電話を切ります。
クレーム解決の対応中のコツと具体策、やってはいけないNGポイント
▼【ピンチ1】とにかく怒っている!
感情的に怒鳴り散らしたり、暴言を吐いたりするクレーム電話がかかってくることがあります。激しい言葉が投げかけられても動揺せず、冷静に。クレームの怒りに巻き込まれてはいけません。
まずは相手の感情を落ち着かせることを優先します。そのままクレーム応対を続けても相手の怒りが静まらないのであれば、一度切ってしまうか上司につなぐようにします。距離と時間を置くことで落ち着いてもらいます。
(例)
「ただいま担当のものに確認いたしますので、少々お待ちいただけますでしょうか」
「お調べしますので、のちほど折り返します。恐れ入りますが、お名前とお電話番号をお伺いできますでしょうか」
▼【ピンチ2】自分ひとりでは解決のしかたがわからない
自分が責任を持ってクレームを解決できないと思ったら、一度電話を保留にします。近くにいる先輩社員か上司に代わってもらいましょう。
クレームの内容を伝えてから取り次ぎます。クレームの電話をかけてきた人が電話を取り次いだ人にまた同じ内容を言わなくてはいけないとなると、クレームがさらに炎上してしまいます。
▼【ピンチ3】担当者が不在
担当者が不在であるからといって、自分で勝手にクレームを解決してはいけません。間違った対応をすると新しいトラブルを招く可能性があります。
解決方法がわかる担当者がいない場合は折返しにします。折り返してもよいかどうか確認しましょう。
(例)
「恐れ入りますが、担当の者に確認しますので、折返してもよろしいでしょうか」
相手の不安が大きくならないように、折り返すまでどれくらい時間がかかるのかを伝えましょう。折返しの許可がおりたら、名前と電話番号、折返しが可能な時間を聞くのを忘れずに。
(例)
「◯分以内に折り返しいたします。恐れ入りますがお名前とお電話番号をお伺いしてもよろしいでしょうか」
② クレームでやってはいけないこと
▼【NG1】気持ちのこもらない態度
クレーム電話はストレスフルなもの。忙しいときにかかってくると、なおさら面倒に感じてしまいます。しかし、不誠実な気持ちは電話越しでも相手に伝わってしまいます。
「きちんと話を聞いてくれない」「適当に扱われている」と思われたら、さらに怒らせてしまいます。相手の気持ちを尊重し、心を込めて対応しましょう。
相手のクレーム内容のすべてに同意ができなくても、部分的に同意する言い回しを覚えておきましょう。
(例)
「~ということについては、おっしゃるとおりです」
「そのような場合ではそうお考えになるのもごもっともです」
「お客様の立場でしたら、まさにそのとおりだと思います」
「お客様のおっしゃるとおり、〇〇であるとしたら申し訳ございません」
▼【NG2】こちらの言い分を主張する
「規則ですので」「こちらも一生懸命やっているので」というようにお客様の言うことに対して言い訳をしたり、こちらの都合を一方的に押し付けるのはNGです。
お客様の話を遮ってこちらの言い分を主張するとクレームの怒りはヒートアップします。論争するのは避けましょう。
▼【NG3】勝手な解決をする
クレームを収めようとして勝手なことを言ってはいけません。解決方法が曖昧なまま「返品して大丈夫だと思います」「返金できると思います」というような発言はご法度です。
あとになって「返品できると言ったじゃないか」「返金できると言ったじゃないか」というように発言の責任を問われてしまうことがあります。
クレームには自分の責任の範囲内で解決できることだけを回答します。解決法がわからなかったら、すみやかに担当者かまわりの先輩社員、上司へ確認しましょう。
▼【NG4】たらい回しにする
担当者や上司にクレーム電話をつなぐ場合「たらい回しにされている」と思われないように注意しましょう。「担当者に変わってもう一度同じことを言わされる」「電話をまわしてもまわしても解決しない」「保留音が長く待たされている」といった不満がさらにクレームに発展してしまいます。
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クレーム電話の解決の要点
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編集部チーム
PARAFT編集部
クレーム電話に慣れていない新入社員がクレーム電話を取ってしまうと、あせったり、しどろもどろな応対になってしまうかもしれません。パニックになりそうでも聞く姿勢を保ちましょう。相手が何を希望しているのかわかれば、その解決まで伴走するイメージで取り組んでみてください。クレーム電話でお客様の不満が解消されて、満足してくれたとき、あなたの電話応対スキルもひとつレベルアップするはずです。