常駐フリーランスの記事2018.10.10
常駐フリーランスの働き方
質の良いお仕事と出会って、自分らしい生き方を叶える
keyword: 常駐フリーランス LancersTop エンジニア デザイナー 常駐高額案件
近年注目を浴びているフリーランスという働き方。しかし「フリーランスになってみたい」と思っても、その厳しさや不安定さに二の足を踏む人も多いのではないでしょうか。
良質な案件を紹介するLancers Topを通じて、新たなお仕事と出会ってから、仕事の選択肢も生き方も広がったフリーランスの方がいると聞き、UI/UXデザイナーの林 大智さんと、 Lancers Topのエージェントの押田 絵梨香さんにさっそくお話を伺ってきました。
2018.10.10 文章 / PARAFT編集部
念願のフリーランスに転身! しかし「知り合いの仕事で徹夜の日々」
林 今年の春まで12年ほどデザイン事務所の会社員として働いていました。デザイナーとしてデザインの仕事をしていたのですが、だんだんデザインではない他のサービスのクライアント対応や進行管理の仕事を中心に任されるようになってしまって……。人が少なくて、自分が担当せざるを得なかったので、サービスの進行状況と、海外に住むスタッフの動きに合わせて働くようになりました。
そうしたら、昼から終電までとだいぶ遅くまで勤務することになってしまって。連日のように、深夜帰宅。生活がすれ違うので、妻からは文句を言われていました(笑)。
――そういった労働時間の問題から退職を考えるようになったのでしょうか。
林 そうですね。労働時間の問題だけでなく、デザインの仕事から離れた業務をするようになって、だんだんデザイナーとしてのやりがいもしぼんでいって……。そんな生活を送るなか、2011年の3月にあった東日本大震災がきっかけで、自分の考え方が変わったんです。もともと、僕は斬新なデザインを生み出す有名なデザイナーになって、のし上がっていこう! と思っていたタイプでした。でも災害で多くの人の生活が突如失われ、苦しんでいる姿が報道されるのを見て、「もっと人に優しくありたい」とか「次の世代に何が残せるのだろう」とか、ぼんやり思うようになりました。そして「僕は人の役に立っているのだろうか」「自分には何ができるのだろうか」と改めて考えはじめたんです。
――それはデザイナーとして、ですか。
林 はい。ひとまず自分はデザインができるので、キャラクターをつくってみました。かわいいキャラクターで、みんなの気持ちを和らげようと思って。
ただ、大きな災害が起きた極限状態のなかで「役に立つかどうか」といった観点からみると、あまり手応えを感じられず……。だから明確な答えがすぐに見つかったわけではなくて。
――価値観や考え方を模索するようになったのですね。
林 はい。震災を機に「シンプルに役に立つことって何だろう」と自分に問うようになったんです。そして人が生きる上で絶対に必要な「食べること」の大切さに気づきました。
日本の食料自給率の低さや、農家の方の後継者不足など、日本の食や生産者のまわりには大きな課題が山積みになっている。そういった「食物や生産者の抱える問題」にだんだんと意識が向くようになりました。
食にまつわる問題を手助けできれば、自分も役に立てるのではないかと思って、いつか会社を辞めたら、ゆくゆくは農家になろうと頭の片隅で思うようになったんです。
深夜に帰るような毎日が続いていたし、デザイナーとしてのやりがいも見失っていたし、自分の考え方も変化していって、もういい加減に会社を辞めようと考えていたのですが、そのタイミングも勇気もなく……。ずっともやもやしたまま、時ばかり経ってしまいました。
――実際に退職するまで、具体的にはどんなことを悩んでいたのでしょうか。
林 やっぱり収入面で悩みましたね。家族に迷惑はかけられないな、と。農家になりたいと思っていても、いきなり農家に転身して収入を確保できるような方法も人脈もまったくないので、遠い憧れみたいな感じで。
とりあえず会社を辞めたらどうする? とリアルに考えたときに、フリーランスのデザイナーになろうと思ったのですが、本当にフリーランスになってやっていけるのかなぁ、と心配が拭えなくて。なかなか踏ん切りがつかなかったです。
――なぜフリーランスになる決意ができたのでしょうか。
林 今年に入ったくらいだったかな、妻がだいぶ背中を押してくれました。デザイン事務所で働く意義を見失ってからは「つらいな~、もうやめようかな~」ってうだうだ悩みながら妻に愚痴をこぼしていたんです。
我が家は共働きなのですが、ある日、妻のほうが仕事で落ち込んでいまして、僕は「会社を辞めるのも辞めないのも、自由だよ」って伝えたんです。そしたら妻のほうも「あなたもよ」って。「あなただって、会社を辞めるのも、辞めないのも、自由に決めたらいいのよ」と(笑)。
「えっ、じゃあ僕が会社を辞めたら、どうするの? 」って聞いてみたら「自分がやりたいことをやればいいじゃない」と言われて。その一言を最後に吹っ切れました。
振り返るとやっぱり、やりたいことをやっていない自分はふがいなかったですね。そこからはもう勢いつけて「退職します! 」と会社に伝えて、会社勤めのデザイナーから、フリーランスのデザイナーになりました。
――フリーランスになって、やはり自由な生活が手に入りましたか。
林 う~ん……。フリーランスになって、ひとまず知り合いから受注した仕事を家でしていたのですが、熱中しすぎちゃうんですよね。仕事をする時間と、自分のプライベートな時間のメリハリがまったくなくなってしまいました。
家にいても、ずーっとパソコンばっかり見ているので、妻と会話をしていないんですよ。夜は徹夜して、日付がわからなくなってしまうので、妻がいつ帰ってきたのかも把握できなくなって。自由というより、不規則な働き方でした。
――フリーランスといっても、なんだか自由とは程遠いような感じがします。
林 ひとりで部屋にこもって仕事をしていると、鬱々とした気分になってくるんです。会話といったら、インターネットを見ながらその文章と、自分の脳内で会話をしているだけ(笑)。僕もだんだん変なことを言うようになったのかもしれません。妻からも「大丈夫か、こいつ……」といった目で見られて、最終的には鬱を疑われる始末でした(笑)。
「常駐なのにフリーランス? 」軽い興味から働き方が一変!
林 はい。ちょうど「働き方改革」で世間が騒がしくなった今年の春ごろ、自由とはやや言いがたいフリーランス生活を送っていたので、自分の働き方も変えようと思っていたタイミングでした。たまたまネットで食品関係の企業内で働くデザイナー案件の広告を見かけたんです。
そして常駐フリーランスという働き方があることを知りました。常駐なのにフリーランス? リモートも可ってどういうことなんだろう? と、興味が湧いたんです。もともと食の問題に関心がありましたし、ちょうどいいやと思って、まずはその案件に応募してみようと軽い気持ちで登録したのがLancers Topでした。その後、いい常駐先と出会えたので、自分のフリーランスとしての働き方も一変しましたね。
――フリーランスの人の働き方を変えるLancers Topとはどのようなサービスなのでしょうか。Lancers Topで企業とフリーランスの方の仲介役を務めるエージェントの押田さんにも伺います。
押田 Lancers Topとは、スキルをお持ちのフリーランスの方に、ぴったりな案件を紹介し、長期的に活躍していただくためのサービスです。
――もともとランサーズはクラウドソーシングサービスをメインに展開していましたが、なぜLancers Topをスタートさせたのでしょうか。
押田 ランサーズは自分らしく働ける社会の実現を目指しています。クラウドソーシングは個人のスキルを活用していつでも、どこでも稼いでいただけるサービスです。ただ本来、働き方のかたちって、人によって多種多様だと私たちは考えています。
「よりしっかりと、継続的に収入を得てもらう」。そんな働き方もフリーランスの方にご提供したく、案件紹介のLancers Topをスタートさせました。
――なるほど。しかしLancers Topを介して仕事をするとなると、フリーランスの方にとっては少し面倒ではありませんか?
林 そうでもなかったです。Webから職務経歴書をアップロードして最初の登録は終了しました。その後Lancers Topのオフィスへ行って、エージェントの方と面談をしたのですが、そこでは職務経歴書では書ききれないような細かい希望を伝えたんです。サービスの説明も聞いて、確か20~30分ほどで終わってその日は帰りました。
押田 Lancers Topへの登録面談は、スカイプでもお電話でもOKです。お好きな時間を指定していただいて、エージェントがご本人様のご意向を伺います。ざっくばらんにお話ししてくださってかまいません。
林 「どんなものかな?」と軽いノリで面談して、いつ仕事を紹介してもらえるのかなぁ、なんて思っていたのですが、その後の連絡は早かったですね。すぐに案件を紹介していただいて企業の担当者と、僕とエージェントの方で3者面談をする運びになりました。
押田 Lancers Topへの登録面談で頂いた情報は、グループ会社を含むエージェントのあいだで当日中に共有して、企業へのご紹介は24時間以内にできるように努めています。
――24時間以内に企業に推薦とは、ずいぶん早いですね。
押田 やっぱり仕事がない状態って不安だと思うんですよね。常駐先の企業とフリーランスの方の相性や、お互いの方向性を汲み取りつつ、なるべく早くお仕事に就いていただけるような体制を整えています。Lancers Topは手数料を透明化したり、締め日から最短10日後に報酬を受け取れるサービスを開始したりと、安心して働いていただけるような取り組みを進めています。
林 企業との面談日の調整や、報酬の交渉もエージェントの方が代わりにしてくれるんです。最終的に、僕が企業と準委任契約を直接結ぶところまで、Lancers Topのエージェントの方がサポートしてくれましたね。
――エージェントが伴走してくれるんですね。企業の方との面談は、どんな感じでしたか。
林 企業の求めたいスキルと、僕の持っているスキルを確認する商談の場、みたいな感じかなぁ。選考面接という雰囲気ではなく、お互いに都合が合えば一緒に仕事をしましょう、となるんです。
僕は「フリーランスになったんだから、自分の好きなように仕事をしよう」と思っていました。だから実際に企業と面談をして、事業内容にピンとこない企業や、通うのが大変そうな常駐先を選ぶことはなかったですね。三者面談後に先方からお見送りとなってしまった企業もあったんです。
でも、そのあとすぐにエージェントの方から「週3回リモートで」といった別の好条件のオファーの連絡をいただけて。結局計4社との面談を経て、今の常駐先を選びました。
いろいろなタイプの企業をエージェントの方が紹介してくれるので、企業の方との面談は新鮮でしたよ。事前に公式Webページで企業のことを確認してから行くのですが、やっぱり実際に見に行くと印象が変わることもあるんです。興味本位で面談して、求めるポイントがマッチすればいいなぁぐらいの気持ちで臨みました。気を使ったことといえば、ジャケットを羽織って行ったことくらい(笑)。
押田 林さんのように気軽に来てくださって構わないです。意気投合して、その場でお仕事をするのが決まることもありますね。企業の方との面談は、お仕事をする上で気になることを直接聞ける機会です。自分のスキルを活かせそうか、今後ご自身が希望するキャリアが実現ができそうかなど、ぜひ、常駐先の雰囲気を確かめてみてください。
――現在の常駐先は、どういった事業を展開されている企業なのでしょうか。
林 食料生産者の支援や流通プラットフォームの開発・提供をするプラネット・テーブル株式会社というベンチャー企業です。プラネット・テーブルは、農畜水産物の生産者と、都市の需要を取り持ってバックアップするサービスを提供しています。「必要な食べ物が持続的に作られ、無駄なく届き、全ての人が食べる喜びにあふれる社会」を実現しようとしている会社です。
まさに震災をきっかけに抱いた僕の意識と、常駐先の企業のビジョンがばっちり合致しているんです。強く意義を感じながら取り組めるので、良かったなと思っています。
――相性のいい常駐先を見つけたのですね。林さんは今の常駐先で、どのような働き方をされているのですか。
林 慣れるまでは週5回出社して、その後は週2回~3回リモート勤務ができる契約でした。リモート勤務の日があれば、自分が個人で受けている仕事も並行してできると思っていたんです。ところが常駐先からは、うまく働けているので週5回フルでリモート勤務をしてもいいよと言われるようになりました。
――週5回のフルリモート勤務ですか!
林 はい。でも……、常駐先で働くのが楽しくて、なんだかんだ週5回出社しちゃっています。相性が良ければ、柔軟な働き方ができるんだなと思いました。苦労している点は……月に一度、Lancers Topのエージェントさんの方へ提出する作業報告書の締切り日がタイトなことくらいかなぁ(笑)。
会社員時代とは違って、毎日定時で帰宅できるので、個人で受けている仕事は平日の夜に片付けるようになりました。生活が整って、肉体的にも精神的にも余裕が出てきたんです。
巡り合った常駐先で、自分らしい未来を手に
林 UI/UXデザイナーとして、自社プロダクトのデザインと社内のデザイン全般を担当しています。常駐先の経営者の方が表現したいことを僕がデザインして形にするんです。コンセプトをスライドで見せていただいたり、イメージをノートに書いていただいたりしながら、経営者目線の理論的なお話を聞くこともあります。頭の回転が早い方なので、説明していただいた内容を整理して、理解してからデザインに起こしています。
改めて「自分はデザイナーなんだな」という認識が深まりました。デザイナーとして自分のスキルを求められている実感があって、やりがいがあります。会社員時代は、デザイン業務以外の仕事をあれこれしていたので……。
――デザイン業務に集中できる職場なのですね。常駐先の社内では、外注という立場になりますが、孤立しませんでしょうか。
林 最初のうちは、常駐先の人とどのように接したらいいのかなぁと迷うところがありました。あんまり、波風立てるのもどうかな? と(笑)。様子をうかがって、徐々に慣れていけばいいかなと思っていました。
常駐先で働きはじめて、ちょうど2か月くらい経ったのですが、社内の方とは雑談もしますし、だんだん僕のキャラクターもわかってもらってきた感じです。
そういえば、初日にランチに誘っていただきました。リモート勤務のエンジニアさんもいるのですが、出社されてきた日には、一緒にお昼を食べて交流しています。
そこでいろんな方と知り合うので、盛り上がって「またご飯でも行きましょう! 」って仲良くなりました。自宅でひとりこもって作業していた頃とは大違いです(笑)あぁ、プラネット・テーブルに出社しはじめた頃は、コミュニケーションエラーがよく発生していたなぁ……。あまりにも人と喋らない生活が続いたから、人に触れることって大事だなって、そのとき思いました(笑)。
――では常駐フリーランスとして働くコツは、どういったところにあるのでしょうか。
林 勤務時間が契約で決まっているので、自分個人で仕事を受注していた頃と比べて、働く時間が短くなりました。だから常駐している時間内でいかに濃く仕事をするか考えるようにしています。時間内でしっかり集中して働くことが大切になってくるんです。
疲れたら少しリフレッシュして、次の動きを考えて、また一気に集中モードに入れるように、メリハリを効かせて働くのがコツです。
あとは、常駐先で作業する横目で社内の様子を把握して、コミュニケーションを自分からとるとうまくいくかもしれません。
例えば、新入社員が入社してきたら、そのうち名刺のデザインを頼まれるだろうとわかります。職場の様子がつかめる距離にいると「新しい名刺が必要でしょうか?」と先回って聞けるんです。
常駐先の社内にはいろいろな方がいます。仕事のやり方の好みや、お人柄をそれぞれ把握しておくと、円滑に仕事が進みますよ。
――なるほど。家で仕事をしてもいいかもしれないけれど、常駐して社内の事情を知りながら働くほうが、やりやすいということですね。
林 はい。会社員と違って、常駐フリーランスは「職場」と「自分」の距離を調整できます。そこを少しだけ近寄り気味にすると、うまく働けるかもしれません。もちろん一定の距離を保ったまま働くことも可能です。そのあたりは自分で選択ができるんです。
人間関係や将来のことはいろいろフレキシブルに考えておいたほうがいいんじゃないかなと思っています。もし業務委託の契約が終了しても、Lancers Topで次の案件を紹介していただくという流れがあるので。そしたらまた新たな業界を見たり、知らない人とつながったり
していけますしね。
自分ではなかなかツテをつかめない企業や案件をエージェントの方が紹介してくれるので、柔軟に構えていたほうがおもしろいと思いますね。
――フリーランスの方がLancers Topを通じて新しい環境や人脈に出会えるのですね。
林 プラネット・テーブルを紹介してもらって、デザイナーとして働きながら、自然と食について学べるのも嬉しいことです。経営者の方は一次産業に精通していらっしゃるので「いつかデザイナーを辞めたら、農家になりたいと思っています」と打ち明けたことがあります。そうしたら「デザイナーの働き方って、農家に向いているよ。デザイナーを辞めなくても、農業と両立すればいいじゃない! 」と言われて。「ああ、そうなのか、両方できるのか! 」と、もう目からウロコで!
将来は農家の後継者や人手不足に悩む地域に移住しようと考えています。農業をしながらデザインの仕事もして、僕のデザインで埋もれてしまった地方の魅力や伝統を伝えていきたいです。農家兼、地域の課題解決をするデザイナーになることが僕の夢になりました。
――そうなんですね! これからご自身の未来が変わっていく期待が膨らみますね。
林 はい。実は今住んでいるマンションの契約が、来年の末に切れるんです。そのとき生活を一区切りさせて、地方に移住しようかと妻と話していました。
ただ……。今の常駐フリーランスの生活がとても気に入っているので、もしかしたらマンションの契約をもう一度更新してしまうかもしれません(笑)。
Lancers Topのエージェントさんに、今の常駐先を紹介してもらって、良かったなと思っているんです。自分ひとりでは、この仕事に巡り合うことはできませんでしたから。

![質の良いお仕事と出会って、自分らしい生き方を叶える:r000018003410 | PARAFT [パラフト]](/files/alias_m1/000018003410/jn2ejd4f0mbnac8f60csblec.png)
常駐フリーランスの働き方
この記事が気に入ったらいいね!しよう
PARAFTの最新記事をお届けします。
┳INTERVIEWS┻
常駐フリーランスの働き方
WRITER
編集部チーム
PARAFT編集部
「Lancers Topを自分のパートナーのように使ってみるといいと思う」とコメントした林さん。その言葉に「働き方は人によってそれぞれです。私たちはより働きやすい案件や、方法を提案しますので、ぜひご自身に合う働き方を選んでください」と寄り添う押田さんの姿が印象的でした。
ランサーズグループは働く人のプラットフォームとして更に進化していきます。もっと自由に、もっと自分らしく働ける。このインタビューでは、そんな未来のかたちを垣間見ることができました。
常駐フリーランスのお仕事をお探しの方は、Lancers Topに登録してみてはいかがでしょう。