エンジニアキャリアの記事2021.01.25
ITエンジニアとしてのキャリア
年収を上げるためのキャリアパス・キャリアプランの考え方
keyword: エンジニアキャリア キャリアパス キャリアプラン キャリアチェンジ 考え方
2021.01.25 文章 / PARAFT編集部
キャリアプランの重要性
- 身に付けるスキルによって将来の収入が大きく変わる
- 現状の仕事を続けるだけで将来就きたい仕事ができるとは限らない
- 将来の収入を上げるための技術を効率よく習得できる
これらのポイントについて、順番に見ていきましょう。
身に付けるスキルによって将来の収入が大きく変わる
ITエンジニアは、身に付けているスキルによって、将来の収入が大きく変わります。
IT系の転職サイトやクラウドソーシングサイトの募集を見ていても、職種によって提示年収が大きく違うことに気が付く人もいるでしょう。
IT知識に加えて他分野の知識が要求される職種は、業務経験も求められる分年収の高い職種です。
例としては、IT知識のある営業職(セールスエンジニアやフィールドエンジニア)、IT知識とマーケティング知識のあるマーケティング・コンサルタント分野が挙げられます。
プロジェクトマネージャーも業務経験重視の職種で、大規模なプロジェクトでの経験や、最新技術や開発手法を扱う案件の経験があると年収が高くなる職種です。
エンジニアとして専門性を極める場合は、ニーズが多いが習得している技術者の少ない開発言語、あるいは最新技術の習得が、年収を大きく上げる重要な要素となります。
現状の仕事を続けるだけで将来就きたい仕事ができるとは限らない
現状フロントエンドエンジニアとして活躍しており、今後も同じ分野で活躍し続けたいと思っていても、現状の仕事を続けるだけで将来就きたい仕事ができるとは限りません。
Webアプリケーションのフロントエンド技術は、新しい技術がどんどん開発されていき、日進月歩で流行り廃りに変化がある分野です。
開発言語としてJavaに次ぐ人気を誇るPHPですが、2020年時点では緩やかに開発案件が減少しています。
その理由は、RubyやC#、あるいはまだ新しい開発言語GOなどが台頭し、PHPにとってかわりつつあるためです。
現状の仕事を将来も続けたい場合、身に付けている技術が他の技術に取って代わられそうになっていないか、常に情報を収集して最新技術を追う必要があります。
そして、最新技術を学習したら、その技術を利用した案件に応募して、実績として残すことも重要です。
このとき、「どの」最新技術を学ぶかという選択は、キャリアプランを考えることによって見えてきます。
これまで積んできた自分の業務経験や興味の方向、年収をアップできそうな方向性を加味してキャリアプランを検討することで、将来自分はやりたい分野が明確になります。
将来の収入を上げるための技術を効率よく習得できる
ただ漫然と、現在の自分がこなせる案件をやっていくだけでは、自分の市場価値上がりません。
それどころか、身に付けている技術が陳腐化し、年齢が上がるに従い自分の市場価値が下がるというリスクも負うことになります。
しかし、キャリアプランを考えて、そのプランを実現するために行動することによって、将来の収入を上げるための技術習得や業務経験を効率良く進められます。
日々忙しく働いていると忘れてしまいがちですが、案件の選択は戦略的に行い、自分の市場価値をいかに高めていくかを考えて行動しましょう。
キャリアプランの考え方
考え方の手順は以下の通りです。
- 1.過去のキャリアを洗い出す
- 2.現在身に付けているスキルのたな卸し
- 3.将来どのような働き方・仕事をしたいかを考える
- 4.現状と将来のギャップはどこにあるのかを分析する
- 5.将来の働き方を叶えるめのキャリアパスやキャリアチェンジを検討
少し時間はかかりますが、自身の将来をより良いものにするために、ぜひ時間を取ってキャリアプランを検討しましょう。
これらの手順を順番に解説します。
1.過去のキャリアを洗い出す
まずは、過去のキャリアを洗い出します。
自分が社会人になってから、どのような仕事をしてきたのかを振り返りましょう。
このとき、IT関連の仕事だけではなく、他業種の仕事も洗い出してください。
職務経歴書を過去まとめたことがあれば、それを利用しつつ、書類には書いていないキャリアもないか思い出しましょう。
2.現在身に付けているスキルのたな卸し
過去のキャリアをすべて洗い出したら、各キャリアで得たスキルを見つけ出します。
例えば、テストエンジニアとして仕事をしていた場合、以下のスキルが身についているはずです。
- 参画していた開発案件の言語
- 参画していた開発案件で扱っていたデータベース(クラウド上のデータベース)
- 業務システムの場合は業務知識(販売管理システムの開発なら販売開発、会計管理システムなら会計の知識、あるいは製造業企業の業務システムなら製造業の業務知識)
- テストの基本的なやり方
- テストプログラムの作成方法
- テスト仕様書の読み方と作成方法
- テスト結果報告書の作成方法
- テストに必要な環境構築の手順
- 進捗管理や進捗報告の基礎
- 納期を守るスケジューリング力
- チーム内でのコミュニケーション力
IT系以外の仕事として、例えば携帯電話の販売を行っていた場合は、以下のスキルが身についているでしょう。
- 販売する携帯電話に関する知識
- お客様に商品の魅力を伝える会話力
- お客様のニーズに応じた商品をおすすめする提案力
- 成約まで持っていく交渉力
- お客様にいい印象を与える接客力
- 目標を完遂するための営業スキル
特にヒューマンスキル系のスキルについては見落としがちなので、漏らさないよう注意してスキルのたな卸しを進めましょう。
また、この段階で各スキルの経験期間も記載します。
すべてのキャリアについてスキルのたな卸しが終わったら、各スキルを一覧化して、経験期を合算しましょう。
このようにまとめると、各スキルの経験年数が明確になり、何のスキルが強みなのかも見えてきます。
3.将来どのような働き方・仕事をしたいかを考える
次に、将来どのような働き方・仕事をしたいかを考えましょう。
働き方とは、今の仕事を続けていくか、フリーランスとして働くか、会社を起業してチームで仕事を受けるかという点の検討です。
また、働き方を考える際は、ライフイベントも意識することが重要です。
育児や介護で一時期在宅勤務が必要となるケースが予測される場合は、自宅でも仕事が会社への転職フリーランスとして在宅勤務をメインとするかどうかの検討も必要でしょう。
働き方を考えるとともに、将来どのような仕事をしたいか、あるいは年収を上げるためにどの職種になりたいかを明確化することも必要です。
将来の働き方や職種が明確になったら、次の段階に進みましょう。
4.現状と将来のギャップはどこにあるのかを分析する
将来の働き方や職種と、これまで自分が積み上げてきた現在のスキルを比較して、理想の将来を目指すためには何の要素が足りないかを考えます。
テストエンジニアと携帯電話の販売のキャリアを積んできたケースで、接客が好きだったからセールスエンジニアになりたいという場合ならどうでしょうか。
洗い出したスキルから考えると、営業経験やITシステム全体に関する知識などが不足している状態です。
テストエンジニアからプログラマー、システムエンジニアと上流工程を担当したい場合は、将来性のある開発言語やシステムの設計手法の知識が不足しています。
将来的にはプロジェクトマネージャーになりたい、と考える場合は、複数人のチームをまとめるサブリーダーとしての経験などが必要です。
また、現状は会社勤めだが将来的にはフリーランスとして独立したいと考えている場合は、案件獲得手段についてのスキルや確定申告に必要な会計スキルなどが足りません。
5.将来の働き方を叶えるめのキャリアパスやキャリアチェンジを検討
現状と将来のギャップについて整理したら、将来の働き方を叶えるための具体策について検討しましょう。
学習するべき技術を学習することは大前提です。
その上で、必要なスキルを身に付けるために、現在の案件では何のスキルを身に付けるのかを明確にします。
次の案件を選ぶ際は、キャリアパスを意識することが重要です。
現在不足しているスキルを身に付けられる案件を優先して選びましょう。
現在の仕事とは別分野の仕事にキャリアチェンジすることも時には必要です。
このように、将来の働き方を意識した行動を積み重ねていくことで、理想の方向を効率的に目指せるようになります。
キャリアプラン検討の一手法:ITスキル標準を利用した検討方法
将来なりたい職種に求められるスキルを明確化するなら、IPAが発表しているITスキル標準を活用する方法もおすすめです。
ここでは、ITスキル標準を活用したキャリアプランの検討方法について解説します。
なりたい職種がITスタンダードの何に相当するか確認
まずは、なりたい職種がITスタンダードのどのスキルに相当するかを確認しましょう。
テストエンジニアからさらに上流工程を目指す場合は、アプリケーションスペシャリストソフトウェアデベロップメント、ITスペシャリストなどが選択肢として挙げられます。
プロジェクトマネージャーなら、そのままプロジェクトマネジメントが対応分野です。
目標の職種になるため必要なスキルを確認
ITスキル標準のスキル分野が明確になったら、次にその職種になるために必要なスキルを確認します。
ITスキル標準には、各スキル分野における必要スキルがまとめられているので確認してみてください。
例えば、プロジェクトマネジメントの場合は、以下のスキルが求められます。
- プロジェクトマネジメント
- IT技術全般に関する地域
- 適用業務に関する業務知識
- パーソナルマネジメント(チーム運営を円滑に進めるためスキル)
- ビジネスマネジメント(提案力を高めるための最新技術動向の定期的なチェックや関係法規の理解など)
このような形で、将来なりたい職種に乙女られるスキルを洗い出すと、自分に不足しているスキルが明確化できます。
職種別キャリアパスのモデルケースを確認
目標の職種になるため必要なスキルを確認するだけでも、キャリアプランの検討は可能です。
ただ、具体的にどのようなキャリアパスが必要か理解しにくい場合は、IPAが職種別のキャリアパスについてモデルケースが提示しているので参考にすると良いでしょう。
参考:IPA「IT人材職種別モデルキャリアパス」
プロジェクトマネージメントを例にとると、モデルキャリアパスは以下のように提示されています。
- 1.開発メンバーとして技術の取得、システム開発の一連の手順や作業を経験
- 2.技術領域のリーダー(サブリーダー)として、プロじぇくろマネジメントの一部作業を経験
- 3.小規模プロジェクトのプロジェクトマネージャーとしてプロジェクトを遂行
- 4.中規模プロジェクトのプロジェクトマネージャーとしてプロジェクトを遂行
- 5.大規模かつ難易度の高いプロジェクトを遂行
PMとして熟練すると、以下のような仕事に従事します。
- 複数プロジェクトの統括
- ミッションクリティカルなプロジェクトに従事
- 経営層として組織のマネージメントに従事
- 自身の経験を活かし後進の育成
これらの経験があることを職務経歴書で伝えられれば、単価の高いプロジェクトマネージメント案件に参画できるようになり、年収も自然とアップするでしょう。

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キャリアプランを立てた後、必要なスキルを身に付けるには、勉強だけでなく実践経験も必要です。 IT業界未経験の場合は、未経験でも働ける職種から始めてIT業界の基礎知識を身に付けましょう。 IT業界以外でも営業やバイトを取りまとめるリーダーなどの経験があれば、セールスやプロジェクトマネージャーのスキルに活かせます。 スキルを組み合わせてより高い年収を得るためには、計画的に仕事を選んでスキルアップをしていきましょう。 IT系の職種としてフリーランスになる人は、PROsheetなどの専門のエージェントを活用することで、フリーランスとしてのスタートアップをサポートしてもらうことができます。今回解説をした内容だけではなく、案件の獲得方法やご稼働後のサポートを受けることができます。特にIT系の職種の案件が多くなっており、活用することで得られるメリットはたくさんあるので、まずは下記URLから登録面談にてお気軽にご相談ください。 PROsheetの会員登録ページへ飛びます