VB.NETとはの記事2021.05.03
VB.NETとはなにか?
言語の特徴や他の言語との違いを解説
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- ①VB.NETとはなにか?言語の概要や開発用途、案件数を解説
- Visual Basicをもとにして、オブジェクト指向に対応させた言語
- さまざまな開発に使われている
- フリーランスでも一定の案件数がある
- 開発環境も手軽に作成でき、学びやすい ②VB.NETが持つ、言語としての5つの特徴
- Windowsとの親和性が高い「.NET」環境で動作する
- オブジェクト指向・手続き型プログラミングの両方に対応
- コードが書きやすく、可読性も高い
- 高品質のプログラムを手早く作成できる
- ダックタイピングが可能 ③似た名前の言語や、よく使われる言語との違い
- VBAとの違い
- VBScriptとの違い
- Javaとの違い
- C#との違い
2021.05.03 文章 / PARAFT編集部
VB.NETとはなにか?言語の概要や開発用途、案件数を解説
【本項の内容】
▼Visual Basicをもとにして、オブジェクト指向に対応させた言語
VB.NETは長年開発現場の主力となっていた、Visual Basicを発展させた言語です。ここでは3つのポイントを取り上げ、順に解説します。
Microsoft社製の言語で、オブジェクト指向に対応
VB.NETは、Microsoft社が提供元。最も初期にリリースされた「Visual Basic 1.0」は、1991年のリリース。まだWindows 95も世に出ていない時代です。
バージョン6.0まで開発された後、2002年にリリースされた「Visual Basic .NET」でオブジェクト指向への対応が行われました。その後にリリースされた「Visual Basic 2005」以降は「.NET」の文言が外されていますが、オブジェクト指向には引き続き対応しています。
専用の開発ツールがある
VB.NETには「Visual Studio」と呼ばれる、専用の開発ツールが用意されています。このツールには、Windowsシステムの開発に用いられる「.NET Framework」を搭載。C#やPythonなど他の言語を使った開発でも活用できるため、使い方に慣れておくと便利です。
他の言語を学ぶ際、VB.NETの知識を活かせない場合がある
VB.NETは他の言語と比較して、文法など大きく異なる点があります。このためJavaやC言語など他の言語を学ぶ必要が生じた場合、VB.NETのスキルを活かせない場合があることに注意が必要です。
▼さまざまな開発に使われている
VB.NETは、さまざまな種類のシステム開発に使われています。ここでは業種や種類といった観点から確認していきます。
幅広い業種のシステムで活用できる
VB.NETは以下に挙げるとおり、さまざまな業種のシステム開発に活用可能です。
- 物流企業の管理システム
- 調剤薬局向けシステム
- 販売管理システム
- レンタカー配車システム
- ガス業界向けシステム
- ECサイトの設計や構築
BtoB、BtoCを問わず、幅広い開発案件に従事できることが魅力です。とりわけ、業務システムで採用されやすい言語。これまでに蓄積した業務知識があれば、技術力とあわせて業務に活かせます。
一方でゲームなどスピードが要求される案件や、AIなど人工知能に関する案件など、他の言語が勝る案件ではあまり使われていません。
案件は、フロントエンド・サーバーサイド両方ともあります。なかでもボタンなどの配置が簡単といった特性があるため、フロントエンドでの開発案件が多くなっています。
Windowsで使われる、さまざまな種類のアプリを開発できる
VB.NETで開発できるアプリは、以下に挙げるとおりさまざまです。
- デスクトップアプリ
- Webアプリ
- コンソールアプリ
コンソールアプリとは、文字だけで動かす「コマンドプロンプト」で動作するアプリケーションです。通常は「背景が真っ黒で文字が白い画面」であることが特徴。
Windowsで使うアプリならば、多くのものをVB.NETで作成可能です。
▼フリーランスでも一定の案件数がある
フリーランスエンジニアでVB.NETのスキルを求める案件は、少なくありません。実際に案件を検索すると、数百件もの候補が表示される場合もあります。なかには800万円以上の年収が可能な案件も。クライアント様の業種も多種多様であるため、あなたのキャリアや希望に応じて案件を選べることは大きなメリットです。
▼開発環境も手軽に作成でき、学びやすい
VB.NETは無料で開発環境を作成でき、初心者でも学びやすい言語です。どのような長所があるか、順に解説していきましょう。
開発環境は無料で作成可能
VB.NETの開発環境は、無料で構築できます。「Visual Studio Community」をインストールすればよく、ここでASP.NETやSQL Serverなどもインストールできます。別途VB.NET用のソフトなどは必要ありません。
インストール後プロジェクトを作成する際に、「Visual Basic」を選ぶとVB.NETでの開発が行なえます。
学習手段が豊富に用意されている
VB.NETは歴史が長い言語であるため、以下のとおり豊富な学習手段が用意されています。
- Webコンテンツ
- 書籍
- eラーニング
- パソコンスクール
無料で独学できる方法から、お金を払って集中的に学ぶ方法まで多種多様。あなたのニーズに合わせて、適した方法で学べます。
VB.NETが持つ、言語としての5つの特徴
【本項の内容】
▼Windowsとの親和性が高い「.NET」環境で動作する
VB.NETには、「.NET Framework」と呼ばれる開発・実行環境が使われます。Windowsとの親和性が高いことから、Windows系のOSで動作するさまざまなシステムの開発が可能です。
開発にもWindowsを用いる場合、あらかじめインストールされている場合も多いことはメリット。但し言語やバージョンによっては、古いバージョンのインストールが必要な場合もあることに注意が必要です。
▼オブジェクト指向・手続き型プログラミングの両方に対応
VB.NETは「オブジェクト指向言語」と「手続き型言語」の両方に対応するプログラミング言語です。開発においては、以下のどちらにも対応しています。
- 関数を使ったプログラミング
- カプセル化し、継承やポリモーフィズムを活用する
システム開発に求められるニーズには、読みやすさや動作をきっちり決める厳密さ、コーディングの効率性や機能追加のしやすさなど、さまざまなものがあります。仕様や要件に柔軟な対応ができ、エンジニアの得意なスキルを活かした開発が行なえることはメリットに挙げられます。
▼コードが書きやすく、可読性も高い
VB.NETはコードが書きやすく、可読性も高い言語。以下の項目も、代表的なメリットに挙げられます。
- 英語に近い文法である
- 標準機能で、全角と半角の変換が可能
- 構文の終わりに、セミコロンなどの文字を入力する必要がない
このため、初心者にも適した言語。加えてミスが起きにくい設計になっていることも、特徴的なポイントです。
▼高品質のプログラムを手早く作成できる
VB.NETには以下のように、プログラムを手早く作成できる仕組みも整っています。
- ツールボックスを使い、画面上でボタンやテキストボックスなどを配置可能
- フレームワークを活用し、便利な関数を活用する
スピードは開発に要求される重要な項目。VB.NETでは「部品」とも呼べるプログラムがすでに用意されているため、直感的な操作で迅速な開発が可能です。
比較的習得が容易な言語でありながら、高品質なプログラムを作成できる点は大きなメリット。顧客が十分に満足できるプログラムを、より短い時間でより確実に開発できます。
▼ダックタイピングが可能
ダックタイピングとは、インタフェースをクラスに縛られないよう定義する方法です。オブジェクトに指定されたメソッドがあれば、引数に指定可能なことは特徴の1つ。
コードが読みにくくなる可能性がある一方で、コード自体の行数が減り機能の拡張を柔軟に行なえることが特徴。開発スピードをアップできることも、メリットに挙げられます。
似た名前の言語や、よく使われる言語との違い
- VBA
- VBScript
また開発でよく使われる、JavaやC#との違いも気になるところ。上記で挙げた言語との違いについて、詳しく解説していきます。
【本項の内容】
▼VBAとの違い
VB.NETとVBAは、よく混同されます。どちらもVisual Basicが元になっており、言語としても似た部分は多いです。一方で、以下に挙げる相違点があります。
言語名 | VB.NET | VBA |
---|---|---|
必要な開発環境 | Visual Studio | Office |
動作環境 | .NET Framework | Officeが必要 |
VB.NETは他の言語と同様に自分で開発環境を作ってプログラミングするもの、VBAはOfficeの中だけで動作するものと区別すると、わかりやすいでしょう。なかでもExcelでよく使われていることは、VBAの特徴に挙げられます。
▼VBScriptとの違い
VBScriptはMicrosoft社がVisual Basicをもとに開発したスクリプト言語で、「VBS」と呼ばれる場合もあります。さまざまな目的で使われるVB.NETとは異なり、主にWebページに動きをつける目的で使われていました。またWindows Scripting Host(WSH)環境での実行も可能です。
VB.NETは今でも開発現場で活用されていますが、VBScriptの用途は限られます。それは最新のInternet Explorerでは実行できなくなり、Edgeでもサポートされていない状況があるため。WSHも後発のWindows PowerShellに取って代わられるといった状況です。このため、今からVBScriptのスキルを求められるケースは少ないでしょう。
▼Javaとの違い
VB.NETとJavaは異なる言語ですから、文法上の違いはもちろんあります。それ以外の点で代表的な相違点を、以下に挙げてみました。
言語名 | VB.NET | Java |
---|---|---|
習得の難易度 | 自然言語に近いため習得しやすい | 比較的難易度は高め |
動作するOS | 基本的にはWindows | OSは問わない |
必要な動作環境 | .NET Framework | Java仮想マシン |
主な用途 | フロントエンド開発が多い | サーバーサイド開発が多い |
上記の通り両者は競合するよりも、相互補完の関係にあると考えたほうがよいでしょう。Windowsの画面周りはVB.NET、サーバーサイドの開発はJavaといった使い分けは1つの方法です。実際に、VB.NETとJavaの両方のスキルを求める案件は少なくありません。
▼C#との違い
VB.NETとC#では、ほぼ同じシステムを開発できます。C#はC言語が元になっているため、習得は簡単とはいえません。学びやすさの点では、VB.NETが優れています。
一方で開発ツールのなかにはUnityなど、C#に対応していてもVB.NETには非対応の場合があることには注意が必要。幅広いシステムを開発するという観点で見ると、C#のほうに軍配が上がります。

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VB.NETは案件数こそ多くないものの、開発で使われる主な言語の1つです。特にフロントエンドでよく使われやすく、性能もC#などの著名な言語にもひけを取りません。それでいて、習得の難易度が低いことも魅力です。 興味がある方は、学んでみるとよいでしょう。また得意な方はスキルを活かし、よい案件を目指すことをお勧めします。 IT系の職種としてフリーランスになる人は、PROsheetなどの専門のエージェントを活用することで、フリーランスとしてのスタートアップをサポートしてもらうことができます。今回解説をした税金面だけではなく、案件の獲得方法やご稼働後のサポートを受けることができます。特にIT系の職種の案件が多くなっており、活用することで得られるメリットはたくさんあるので、まずは下記URLから登録面談にてお気軽にご相談ください。 PROsheetの会員登録ページへ飛びます